後継者

後継者なのにうつ病になり仕事ができない・・・どうすればいいのか?

一般的には知られていないと思うのですが、私の知る限り割と多い事例として後継者のうつ病やパニック障害などがあります。
私自身、うつ病と診断されたわけではないですが、症状からするとかなりうつ病に近い状態にもなったことがあります。

医学的・精神医学的に様々な見解があると思いますが、わたしなりの考えをお伝えしたいと思います。

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これは医学的・科学的根拠のある話ではありませんが、私の実感として感じたことをお伝えしたいと思います。

親が自営業をしている家庭に生まれた子供が親の会社を継ごうとすると、逃げられないストレスにさらされることが多々あります。

まず、親との関係です。
会社をこれから自分が率いていかなければならないのに、親はいつまでも最前線で指揮を執ります。
これは後継者にとっては、自分が認められていない証と感じられて、無意識のうちに自尊心が傷つけられていきます。
そして親の多くは、謙遜もあると思うのですが、自分の子が「未熟だから会社を任せられない」とあちこちで触れ回ります。
後継者である子に対しては、どこまでがんばっても決して認めて受け入れることはない、という事も多い。
一方で、後継者が自分のやり方を社内に浸透させようとすると、それを邪魔するかのような行動を行いがちな親。

前へ進もうとすれば親と衝突し、
現状を維持しようとすれば親に認められず、
さらに会社を去ろうとすると、こんどは罪悪感が追いかけてきます。
親が子に会社を本気で譲らないのは、実は親側のメンタルの問題なのですが、ここではその話は割愛します。
ただ、こういった行為は、親が後継者であるあなたを認めていないから起こす行動ではないことだけ、お伝えしておきます。

とはいえ、自分が尊重されない現実というの気持ちの悪いものです。
人間、ストレスというのは嫌なものですが、
そのストレスがいつ終わるとも知れず、逃げることもできない
状況にあるとき、そのストレスへの対応が限界に達すると身体症状に出て来るのではないか、と考えています。
具体的には、片頭痛や胃腸の調子を崩したり、過呼吸の発作や、その他のストレス性の身体疾患などをおこしたりするのです。

 

こういった場合には、当然、まずは医学的な処置を検討いただきたいと思うのですが、残念ながらメンタルヘルス疾患に正しく対応できる医師が少ないのも日本における問題点の一つと言えるかもしれません。

 

自身や家庭で考えられることは、こういった状況に陥っている場合は、思考が全て自分を責める方向へ働いている可能性が高いと考えられます。
会社を上手く引き継げないのは、後継者として自分の能力が足りないからだとか、
社員がついてこないのは、自分がふがいないからだとか、
将来の不安が消えないのは、自分にビジネスの才能がないからだとか・・・。

そこにきて、先ほどの親のメッセージや、周囲の目があるため、耳をふさぎたくなるほどの劣等感に苦しみがちです。

こうなると一旦は仕事を離れ、場合によっては親とも距離をとり、専門の医師やカウンセラーとのコミュニケーションに限定し、とにかく休むという事が第一の選択肢でしょう。
「そんなことをしている暇はない!」
とおっしゃるかもしれませんが、その考えこそが自分を追い詰めてしまいます。
こういった場合は、焦れば焦るほど、事態を悪くするだけです。
ある程度割り切って心と体を休めることに専念するのがやはり回復への近道でしょう。

 

一つ提案するとすれば、今のごちゃっとした思いを、ただひたすら「書く」ということ。
ある親しい知人は、うつ病で家を出られなくなった時、「恨みつらみノート」を作ったそうです。
毎日、そのノートを開き、その時に頭にある事をすべて、ノートに書きつけたのです。
たとえば、こんな風に。

「あーあ、なんで私がこんな思いをしなくちゃいけないのか。そもそもその発端は〇〇がこんなことを言いだしたから。いや、親が会社なんてやってなければ今ごろは普通の会社に勤めて普通にやってたはずにちがいない・・・」

まあ、誰に見せるわけでもないので、とにかく思いつくまま、文章として成立しなくても、思いだしたことをただただ書きなぐるだけでOKです。
すると、書いているうちに頭の中に冷静な部分が出てくることがあります。
その冷静な自分との対話が少しずつできてくるようになると、だんだんと回復に向かうことはあるようです。

 

ところで、ある後継者の方は、実際にうつ病と診断され、通院加療をしている中で、会社を休みがちでした。このままではいけない、という強い思いがあったようですが、なかなかそこから抜け出すことができず相談にお越しになりました。
その方にアドバイスさせていただいたのは、感情的に苦しい時、できるだけ自分から優待離脱するかのように少し離れた視点で自分を観察してみることでした。彼はそれに取り組み、さらにはそんな折にコロナウィルスによる警戒宣言が発令されました。ぼんやりとそんな報道を見ている中で、「こんなことをしている場合ではない」と何かのスイッチが入ったようで、いてもたってもいられず会社に行ったそうです。今では親とのバトルを続けながらも自分の思ったことを次々と行動に移されています。

 

余談ですが、最近、日本国内で「虹」をよく見かけるような気がします。
SNSでもよく写真がアップされています。
面白いのは、ある人は、その虹の写真を「何かいいことがあるかも」というコメントと共に上げていました。

一方、「災害の予兆をアップするグループ」的なFacebookのグループがありまして、そこでは同じような虹の写真にこんな風なコメントがありました。
「これだけはっきりした虹は珍しい!これは、何かが起こる予兆かも!?皆さん注意してください!!」
とかなり緊迫したムードで挙げておられました。

brigachtalによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前におこる現実は一つなのかもしれませんが、その解釈は人それぞれ。
しんどい時って、良くない解釈を重ねている事がけっこう多いものです。
「恨みノート」を書き続けていると、ふっと、自分がどんなフィルターで現実を見ているかがわかる時があるそうです。

 

ちなみに、前述の通り、私も一時期かなり精神的に追い込まれた時期がありました。
いろんな考え方を知り、自分の考え方の癖を知り、様々な人との出会いの中で、少しずつ気持ちは軽くなってきました。
現実は何も変わらなくとも、気持ちは軽くなる、という事をその時に初めて知りました。
そして、今、振り返って思うのは、いいこともそうでないことも、いろんな経験ができたのはありがたかったな、と思っています。
そんな経験を今からの人生に活かせたら、なんて思っています。

そして、自分以外のみんなはうまくいってるように見えているかもしれませんが、彼らもまた、遅かれ早かれ停滞することがあるものです。
あなただけじゃないし、一人じゃない。
それだけはそこそこ自信を持って言えるつもりです。

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