恐らく、後継者である子どもから見ると、先代である親は完ぺきに見えるかもしれません。
しかし、幸か不幸か完ぺきな人などいません。
後継者であるあなたが、親より優れている能力は必ずあります。
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若い後継者から見ると、先代である親は完ぺきであるかのように見えてしまいます。
どんな仕事もてきぱきと処理し、困ったところを見たことがない。
誇らしくもあり、この人の代わりを自分がするのかとおもうと、ちょっとどんよりとしてしまうこともある。
親が自分にとっての基準なので、そことのギャップを感じて将来に不安を感じる。
ありがちな、後継者のメンタリティです。
たとえば、私の場合も同じでした。
しかし、5年目くらいのことでしょうか、そうでもないな、と感じたことがありました。
それは、父の命を受け、お客様向けの企画書を作っていたときです。
その骨子を説明してくれるのが、あまりに自分より過ぎて、論理的ではないのです。
原稿らしきものを書いてくるのですが、それも中身はあまり褒められたものでもありません。
ああ、完ぺきに見えた父も、万能選手じゃないんだな、と感じたものです。
そうやって、「完ぺきである」という思い込みが解ければ、次々と欠点が見えてきます。
良くも悪くも、普通の人間なんだなぁ、と妙に納得したことをよく覚えています。
親は完ぺきである、という前提に立つと、親に追いつけ、という思考に陥ります。
考え方も、やり方も、親のそれに合わせようとしがちです。
すると、その考え方、やり方に一日の長のある親は常に私たちをリードしています。
とてもではありませんが、追いつくことなどできません。
しかし一方で、何もしなくても、私たちには私たちの長所や強さは持っているはずです。
親が逆立ちしてもかなわないような才能を、誰しも持っています。
その長所が発揮されないのは、「それを使おう」と意識しないからだと思います。
なにしろ、私たちの目的は、親のようになることにフォーカスされていて、自分を活かすということにはフォーカスされにくいからです。
結果として、利き腕を使わないで、親より優れた経営者になろうとしているわけです。
そりゃあ成果も出にくいし、自信も失います。
そこで、自分を活かす、と考えたとき、自分達にはどんな特技があるでしょうか。
例えば私は、たまたま、普通の人より文章を書くのが得意でした。
だからそれを使おうと思いました。
さらに言えば、一つの知識をもつと、そこに関連した知識にも関心を持つタイプのようです。
すると自然に、視野は広がります。
父が保険の販売職人だったのと反対ともいえる視点を持つことができました。
きっと誰にも何かしらの才能があり、その才能はたぶん、見つけてくれることを待っているんじゃないかと思います。
子供の頃なら、大人がそれを見つけ、伸ばしてくれたのかもしれませんが、大人になった今、それは自分で見つけなければなりません。
そして往々にして、本当に得意なことは、今自分が「得意と思い込んでいる」こととは違うことがあります。
もしうまくいかないとか、楽しくないなら、違う分野に長所がある可能性もあります。
それを探し当てるのは、思った以上に紆余曲折あるかもしれませんが、探そうとしなければ見つからないんじゃないかと思います。
会社に自分を合わせるというのが楽しくないなら。
自分が活かせる会社にする、というのが一つの目標にならないでしょうか。
会社は自分を表現するパワードスーツ。
もちろん、自分だけでなく社員一人一人にとっても、そうであるべきだと思います。
そういう見方をすると、目の前の事象が一変することもあるのではないでしょうか。
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画像提供 Gerhard JansonによるPixabayからの画像