後継者

後継者に足りないもの

先日、あるお寿司屋さんの大将とお話しする機会がありました。
小さなお寿司屋さんですが、割と知る人ぞ知る名店のようです。
当然お弟子さんがいらっしゃる。
大将は言います「ウチはブラック企業ですよ」。
ブラックなのについてくる弟子がいる。
これってどういうことなのでしょうか?

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最近話題のブラック企業。
勤務時間が長いとか、高圧的な上司とか、いろんな要素があると思います。
企業としては従業員には、訴えられないよう腫れ物に触るようなムード。
しかし、相変わらずブラックな職場はあります。
それが、職人さんの世界ではないでしょうか。

こういった世界はある意味特殊。
一見理不尽な親方がいて、下働きをさせられる弟子がいる。
こんな関係なのに、微妙なバランスを保ちながら師弟関係は続いていくようです。

冒頭に出てきた寿司屋の大将は言います。
労働時間は長いし、休みの日も違う飲食店でいろいろ食べてみて調査をする。
大将は手取り足取り教えてくれるわけでもなく、理不尽に叱責される。
どうみてもブラックでしょ?(笑)

笑い事ではありませんが、それでも弟子はついてくる。
たしかに一時ほど骨のある弟子は少なくなったといいますが、今でもついてくる人はいる。

 

この環境、なんとなく後継者の状況に似てませんか?
私の若いころは、これに近い状況だったんじゃないかなぁと思います。

 

こういう状況だと、後継者的には「こんな会社辞めてやれ!」なんて思うわけです。
けど、辞めればやめたでいろいろと面倒。
そこで思いとどまるわけですが、ただの弟子ならいつでもやめようと思えばやめられる。
なのにやめずに大将についていく。
その違いは何なのでしょうか?

 

それは恐らく「意志」なんだと思います。
弟子は、大将が「弟子になってくれ」なんて言ってなる人は少ないでしょう。
だから弟子は基本的には自主的に修行に入る。
もちろん、親がすし屋とかいう事情がある場合もあるかもしれませんが、それを無視すれば将来独立して店を構える前提なのではないでしょうか。
技術を学び、自分の将来の夢のために努力する。
そうなると、一般的に言われるブラック企業的環境も、つらいとはいえ、それに恨みつらみを抱くものではないのかもしれません。
弟子となった彼らにとっては、目標へ向かう階段なのでしょうね。

一般の親子で経営する会社の後継者はどうでしょうか。
たぶん、親から頼まれて会社に入ったとか、親はそれを望んでいるだろうと忖度して会社に入った。
どちらかというと、自分の積極的な希望を反映した針路ではない、というのがスタートであることが多いと思います。
まあ、そんな状況でも、ゆくゆくは会社は自分が舵取りできる、という夢を持ったとしてもいつまでも引退しない先代とのバトルに明け暮れ疲れ果ててしまう。

そんなこともあって、その意志の行く先が見えなくなっているんじゃないでしょうか。
さまざまな後継者と接していると、実は「先代に認めてもらう」ことが仕事をする目的になっている方も少なからずいるようにも見えます。
(実は本人はそのことに気づいていないことも多いようですが)

それはそれで当然と言えるのかもしれませんが、そろそろその方向を修正する時期に来ているんじゃないでしょうか。
あなた自身が本当に求める目的を見つけると、今の環境がそこへ至る階段であることに気づくのだと思います。

で、伺います。
あなたの本当の望みは何ですか?

それを知ることができれば、意志の力があなたを強く前進させてくれるはずです。

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