二代目社長・後継者は、創業社長に対するコンプレックスを持っていることが多いと思います。
周囲から見たときも、「線が細い」と言われることもあるかもしれません。
私もそんな経験がありますが、それはなぜなのでしょうか?
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あるスキルのセミナーに、2度行ったことがあります。
1度目は、そのスキルの開発者が直接教えるもの。
2度目は、そのスキルの正式なインストラクター資格を持っている方が教えてくださるもの。
恐らく内容は同じだし、同じ教材を利用し、同じ話をしているのだと思います。
しかし私にとっては、開発者自身が行うセミナーのほうが何倍も深い、と感じました。
あるラーメン好きな知人が言っていました。
人気のラーメン店も、支店を出すとたいてい味が落ちる。
同じレシピ、同じスープや面を使っているはずなのに、どことなく物足りないのだそうです。
皆さんも、同じような経験をしたことはないでしょうか?
どちらのケースも、開発者をオリジナルとすると、インストラクターもラーメンの支店も言葉は悪いですが「コピー」となります。
どれだけ配慮しても、オリジナルとコピーの間には、何かしらの差ができてしまうものです。
それは、開発者自身が経験してきた、試行錯誤がその背景にあるのかないのか?ということではないかと私は考えています。
例えば、ビジネススキルに関して言えば、ああやってうまくいかなかったから、こんどはこうやってみよう。
こうやっても何かが足りないから、これを加えてみよう。
逆に、こういう部分が余計だから、それを引いてみよう。
その試行錯誤の過程は、「経験値」と呼ばれるものでしょう。
自身の経験を伴った結果の上澄み部分を一般化したのが、世に広められるスキルであったりノウハウなのではないでしょうか。
さて、経営において、創業社長は会社を立ち上げ、商品を世に出し、顧客を獲得してきました。
その結果が今の会社です。
重要なのは、会社というものを「生み出す過程」を経験しているということです。
ノウハウやスキルも、ラーメンも、それを生み出す過程を経験しているからオリジナルがオリジナルとしての価値があるのではないかと思います。
その上澄みをなぞるだけでは、失礼ながらコピーでしかない、と言わざるを得ません。
これこそが、創業者と後継者の圧倒的な差につながります。
こういうと、二代目社長や後継者は、そもそも会社を生み出す経験をできない状況です。
だからどこまで行っても、創業社長を超えられないのか?というなんとも面白みのない話になりそうです。
しかし、そうではない、と私は思っています。
創業社長が生み出した会社をそのまま受け継げば、自身が生み出す過程を経験しないたんなるコピー。
しかしそのコピーとして受け継いだものを、オリジナルにしていく過程を後継者は経験することができます。
実際にノウハウやスキルのインストラクターは、そのノウハウやスキルの学びだけでなく周辺への深い理解と、自身の実践という裏付けがあるとそこに別のオリジナリティが生まれます。
言っていること、教えていること、看板は同じでも、不思議と開発者とはまた違った「オリジナル」に見えるようになってきます。
一見同じスキルが、その方の深い理解のおかげで、新たなテイストが生み出されているのだと思います。
ラーメンでもたぶん同じだと思います。
その過程というのは、いろんなことを試してみて、上手くいったものを残し、上手くいかなかったものを捨てる過程です。
これはまさに、オリジナルを生み出す過程と大差はありません。
その会社は、見た目は親が会社が創ったものとあまり変わらないこともあるかもしれません。
それでも、実際に中に入れば、明らかに違うことを実感できるレベルへの変化が起こっているのではないかと思います。
このような過程の中で、いろんな問題をクリアし、それが経験として蓄積される。
その集積が、オリジナルの権威であり、経営者としての自信につながっていくのだと思います。
だから、二代目社長や後継者は、会社の中に自身のオリジナリティを生み出すチャレンジをすればいいのです。
振り返ってみれば、先代の会社と自分の会社、似てるかもしれないけど、振り返ってみれば、全然違う会社になってるね。
私たちが70歳を過ぎるころ、そんな風に言えるようになっていればベストじゃないかな、なんて思っています。
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