誰でもできることと、後継者しかできないこと

親の会社がもはや時代に取り残された業種で、すっかりさびれているような会社である。
こんな会社を継がされるなんて、ババ抜きのジョーカーを引いたかのような感覚。
そう思う後継者の方も結構いるんじゃないでしょうか。

あるいは、継ぐと決めたときには決して悪かったわけではないけど、だんだんと業界が疲弊してきて自分の代で会社は迷走を始めている。
そんな中で、自分は貧乏くじを引いたなぁ、なんて思っている後継者もいらっしゃるかもしれません。

けど、単に「事業に将来性がないから、やっぱり駄目でした」ってちょっと悔しくないですか?

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

後継者の社交場、後継者倶楽部はこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
後継者ONLINE倶楽部

ダメな会社をリニューアル

Scott WebbによるPixabayからの画像

完ぺきな先代の跡を継ぐ後継者

30年ほど前、ある経営者が素晴らしく輝いて見えました。
20歳代で親の会社を継ぐための修行中だった私は、その人を見て、「ああ、こういう人を名経営者というのだろうな」と淡い憧れのようなものを持っていました。
それと同時に、これほどまでに隅々まで目配りができる経営者の跡を継ぐ後継者は大変だな、と思いました。
とにかく欠点が見つからないのです。

一方、30年前に第一線で会社を率いる中小企業の経営者は、多くの人がバランスを欠いた人が多かったと思います。
圧倒的な行動力はもっていたけど、マネジメント能力が皆無な人や、
頭はいいけど、人望の薄い人や、
営業力はあるけど、顧客管理に関してはまったく関心を持たない人、
言われた個ををやるには力強いけど、自分で何をやるかを考えられない人など。
とにかく一芸に秀でている半面、できてない部分も多い。

本来ならこう言う社長は、逆の能力を持った参謀を持てばよいのですがたいていワンマンなので意見できる参謀などはいないことがほとんどです。
そこで、親族後継者が入社することで、欠けてる部分を補うことで会社としてバランスをとることができる余地がありました。

私の会社でも、親は強い部分もありましたが、弱い部分もありましたので、自分がサポートする部分はここだな、ということをなんとなく感じていました。

しかし冒頭の模範的経営者について、仮に彼の後継者となったとしたら自分が活かされる場所はどこにもないな、と感じたことがあります。
親の弱みの部分を見つけられたことで、少しホッとしたことを記憶しています。

ダメダメな会社の伸びしろ

経営者という個人レベルにおいてのみならず、会社という組織においても同じことが言えます。
完ぺきな組織などないとは思いますが、そこそこ完ぺきに近くて、業績もぐんぐん伸びていて、未来も明るい会社であるとしたら、実は後継者のやることはあまりありません。むしろ、余計なことはせずに流れに任せた方がいいでしょう。それで後継者本人は、楽だとは思うのですがたぶん別の意味で落ち着かないんじゃないかと思います。自分の価値ってどこにあるんだろうな、なんて考え始めるんじゃないでしょうか。

結局会社が好調なのは親が作ってきた会社がいいからで後継者は影が薄い。そんな風に言われることに対してあまり気にしない人ならいいのですが、たぶん、ちょっとイヤーな感じがする後継者の方、多いんじゃないでしょうか。

私の家業のお客様で、かなり特殊な市場で独占に近いビジネスを作り上げて、今も高収益企業のある会社があります。この会社の営業社員に話を伺うと、彼らの仕事は定期的な御用聞きで、必要に応じて客先を回るけど、ほとんどの日常は喫茶店でお茶を飲みながらだべっていることがほとんど。それで仕事が回るなんて羨ましいと思うのですが、私が話を伺った彼はあんまりに日々がむなしいといいます。家に帰って家族に「お疲れ様」なんて声をかけられると、日々罪悪感を感じてしまうのだそうです。だから、もっと売上をあげようといつもと違う動きを始めると、いつもサボっている先輩から「余計なことはするな」と言われて制止されるそうです。待遇のいい会社ではあるものの、もうやめようかと悩んでいる、というのです。

なんともぜいたくな悩みに見えるかもしれませんが、本人は真剣そのものです。

幸か不幸か、この時代に親の代から順調であり続け、これから20年、30年順調であろうという中小企業はたぶん数えるほどだと思います。この企業の営業の方のようなシチュエーションにいる後継者・跡継ぎはすごく限定的だと思います。だとすれば、「一生懸命励む仕事」があることを幸せに感じるべきなのかもしれませんね。伸びしろのない会社を預かるより、伸びしろだらけの会社のほうがやりがいはあるんじゃないでしょうか。そして、後継者・跡継ぎの活躍の舞台もより多く見つかると思います。

後継者・跡継ぎの永遠のテーマ

marcelkesslerによるPixabayからの画像

親である先代に追いつき追い越す

親が完ぺきな会社を作り上げてしまっていたら、親に追いつき、追い越すというテーマは残念ながらクリアできません。しかしよく見ればたくさんの穴がありますし、そもそも時代が変わっているので従来型のビジネスは長くは続かない可能性があります。

たとえば、何かの小売りの仕事をしていたとしましょう。
これ、リアル販売から、オンラインになって、そうなると効率と物量の世界なので、Amazonと対決するという難しさを感じます。だから、誰かが引いたラインに乗っていくとどこまで行っても厳しい競争が想定されます。

先日面白い話を聞きました。旅行の添乗員さんがコロナ禍の影響でまったく仕事がなくなった。ということで、ヴァーチャル旅行というコンセプトで、現地の方のカメラと日本のユーザーをオンラインで結んだサービスを始めたそうです。そこで事前に送られた「おみやげ」的現地の産物を画面のシーンに合わせて食べるとより臨場感が得られますよ、と。とてもよく練られたアイデアだな、と思いましたが、家内はそれを「これって余計むなしいかも」なんて言ってました。確かにそうかもしれません。

たぶん、リアルでやるべきことをオンラインで代替しようとすると、やっぱりどこかチープというか残念というか、空しさを感じるような状況に陥るのかもしれません。ただ、リアルがダメならオンラインで、というのは誰もが考えることなので、ここで一工夫加える必要がたぶんあるんだと思います。リアルの代替としてでのオンラインではなく、オンラインだからこそ受けられるベネフィットを考えてサービスを作る必要があるのかもしれません。

その答えは私にはありませんが、それぞれの業種で、後継者・跡継ぎのみなさんがそれを考えることで、会社はきっと生まれ変わることになると思います。これはスゴイ追い風で、withコロナなんていいますが、報道されている話はたいていコロナで仕方なくこうしました、という話だと思います。けど、こういう状況だからできる新たな価値を提案できると、会社は生まれ変わる可能性はあるような気がします。

今の時代、後継者が親を追い越すというのは、物量的な追い越し方ではなく、路線を切り替えるような変化を創り出すということじゃないかと個人的には思っています。

考えてみる、ということ

たとえば、家業が地域に数店展開する眼鏡屋さんだったとしましょう。
眼鏡と言えば、今や大手安売りチェーン店がぞくぞくとショッピングモールに出店しているので、きっと販売的には難しいところに来ているのではないかと思います。ならば、と安くするとか納期を早めるとかいうことであれば、安売りチェーンとまったく変わらないので「程度問題」になります。カッコいい眼鏡が3万円出さないと変えなかったものが5000円になるまでは歓迎されるかもしれませんが、これが4980円になったところで人を呼び戻せるかどうかは微妙です。しかも、人口が減っている日本において、薄利多売のビジネスモデルはけっこう厳しいんじゃないかと思います。

すると、ちょっと一ひねりがいるわけですよね。この一ひねりというのが「アイデア」なんだと思います。実は後継者・跡継ぎのひとたちは、この日練ったアイデアを考える習慣を持たず、力業で何かを成し遂げようとすると確かに厳しい時代だと思います。逆に言うと、いろんなビジネスや社会の仕組みが大きく組み換えを始めている現代において、この一ひねりが大化けする可能性は大いにあるんじゃないかと思います。

後継者・跡継ぎにしてみれば、眼鏡店なんて今更何の面白みもない、と思うかもしれませんが、かっこよさげに見えるITベンチャーなんて、ゴリゴリの競争の世界で外から見えるほどきれいなものでもないように思います。みんながオモシロソウな業界には、砂糖にたかる蟻のようにたくさんの人が集まります。けど、誰も見向きもしないようなビジネスを、人を振り向かせる事業に一ひねり加えて作り上げていく喜びというのは、けっこう大きなものじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

欠点があるということは、伸びしろがあるということ。
きらびやかに見えない会社を継いだ時、「イケてない会社」で終わらせてしまうのも、「伸びしろを伸ばす」ことにするのも、結局後継者・跡継ぎの考え次第だと思います。
伸びしろを伸ばすことに対してわくわくできる後継者なら、未来は明るいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

——————————————

後継者としての生き方に迷ったら、同じ境遇の仲間と意見交換しませんか。
もしかしたら、未来の仲間やメンターとであえるかも・・・?
よかったら、後継者専用オンラインコミュニティにお越しくださいませ。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
後継者ONLINE倶楽部

 

本が出版されました!
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

■後継者向けセミナー開催日程はこちら

 

 

関連記事

  1. 大塚家具問題にみる事業承継の難しさ

  2. 二代目経営者の妻が置かれる状況

  3. 親と仕事をすることがうまくいかない2つの理由

  4. 困った事態にどう対処するか? 同族経営二代目経営者の着眼点

  5. どこに行くかが見えないと、人はついていくのがばかばかしくなる

  6. 親子経営で後継者が自由と力を手に入れる方法 事業承継における後継者の戦…

  7. 後継者も、親である経営者も、人を変えることはできない

  8. 親の跡継ぎというハンデが強みに変わる考え方