後継者

新しいリーダーシップと後継者の相性がいい理由

後継者は、リーダーとなる事を義務付けられた人です。
仕方なく会社を継いだ人も、
すすんで継いだ人も、
なんとなく継いだ人も、
これは避けられない現実でしょう。

そうした時に、古いリーダーシップ論に惑わされて苦しむ人は多いと思います。
リーダーは、何でも一番の万能選手である必要はあるのでしょうか?

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私が父の会社を継ごうと入社した時、あることを課せられました。
それは営業で一番になる事です。
私にとってそれが得意であろうが、なかろうが関係なし。
とにかく、会社で一番にならなければ、代表にはなれない、と言うわけです。

それを簡単に実現する方法があります。
それは、自分より勝る能力を持った人を、会社から排除することです。
文字で書くと「バカバカしい」と思う人もいるかもしれません。
しかし、意外と中小企業の社長は、そういうことを無意識にやっているものです。
そうしなければリーダーの座が危うい、という危機感が心の奥底にあるからでしょう。

 

会社は社長の器以上に成長しない、とよく言われます。
これは逆に言うと、社長の器を超えて成長を始めたとき、社長が無意識に会社の成長をストップさせてしまうからだと私は考えています。
つまり、リーダーが常に最高のプレイヤーであろうとし続けることは、会社に制限をかけることにほかなりません。
個人でできることには限界があるから、会社という組織にしているはずです。
社内の人間と競い合うためではありません。

ところで、実力がないリーダーに人はついてこない、という法則めいた話があります。
これはある前提条件があるからこうなるのだと思います。
その前提条件というのは、「リーダーが組織をグイグイ引っ張るものである」という認識です。
社員を「強制的に動かす」「高圧的に指示に従わせる」といういささか古めのリーダーシップに依存していると、そうならざるを得ません。

パワハラ、ブラック企業・・・
最近のキーワードを見てわかるように、こういったリーダシップのスタイルが時代遅れになりつつあるのは多くの方が実感するところでしょう。

 

実は、20年ほど前、営業マンとして様々な企業を訪問しているなかで、ある違和感を感じていました。
当時のリーダーシップと言えば、グイグイと部下を引っ張る熱血タイプのイメージが強かったわけですが、伸びてる会社ほど社長はぐーたらだったりします。
ある会社は、小さな社長室があり、社長はいつでもそこで居眠りをしていました。
当時の常識からすれば、社内は崩壊しそうな気がしますが、何年もその会社を見ていて一向に売り上げは落ちない。
それどころか、どんどん儲かるわけです。
社員さんもいつも緩い感じでした。
社長を尊敬している印象はなく、ある意味対等ですし、社員さんそれぞれが会社の在り方を自分の言葉で語れる人ばかり。

ある会社は、社長は昼過ぎになると、フラッと会社からいなくなります。
そこの社員さんによると、「ああ、近所の喫茶店にでも行ってるんでしょう」とのこと。
実際に覗いてみると、いました(笑)
この会社、やはり唸るほどの売り上げでした。

 

さすがにこれらは極端な事例ですが、当時伸びていた会社に共通するのは、
・社長と社員が対等
・だから社員は社長を頼ろうとしない
・社員も適度に緩い状態だけど忙しいときには目の色が変わる
・社内に会話が絶えない
などと当時の「スゴイ社長」の会社というイメージからは程遠いものでした。

 

これがいいか悪いかはわかりません。
しかし、しっかり者で、常に答えを即答できるリーダーじゃなくても大丈夫なんだ。
むしろ自分は、こういう経営者を目指したい(もともとがぐーたらなので・・・)と感じたことを記憶しています。

 

最近は、「ファシリテーター型リーダー」という言葉があるそうです。
社員に教えるとか、指示するとか、強制するとかではなく、社員が自走できる状況を創り出すリーダーと言えそうです。

特に、5年後の社会、会社、顧客、トレンドを読める人などほとんどいないでしょう。
そういったときに、リーダーひとりで考えられることには限界があります。
そしてリーダーひとりで考えたことは、社員にとっては「他人事」です。
指示に従う以外、社員にとっては絡みにくい状況です。
だから社員を巻き込むリーダーが今の時代には求められているんじゃないかと思います。
社員を巻き込むから、あるアイデアがうまくいかなかったときの試行錯誤も社員自身が自分事ととらえやすい。
そうやって組織として、試行錯誤を繰り返す状況を作るのが、今のリーダーに求められる資質の1つじゃないかと思います。

だからたいした威厳は必要ないけど、コミュニケーションスキルは大事。
答えを知っている必要はないけど、答えに向かうかじ取りは重要。
大物である必要はないけど、社員に身を預ける勇気は必要。
そういう意味では、繊細な傾向がある後継者は、時代にうまくマッチしたリーダーシップをとることが可能じゃないでしょうか?
検討すべきことは、社員の良さをどう引き出すか、だと思います。
自分の良さを引き出してくれるリーダーに、一目置かない人がいるでしょうか。

 
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