後継者

5月になると悩みが深くなる2つのタイプの後継者(その2)

5月病という言葉があります。
それを反映してか、小冊子のダウンロードが増えます。
なぜかというと、今の不安や悩みを何とかしたい、と思うんでしょうね。

日頃は日常業務で忙しくしている。
しかし、ちょっと休みが続いたとき、考えるわけです。
これからどうしていこうかなぁ、と。

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前回の記事では、一つ目のパターンをご紹介しました。

5月になると悩みが深くなる2つのタイプの後継者(その1)

いろいろと不安はあるけど、家業の仕事は大好きってパターンでした。

今回は、家業大っ嫌い!ってパターンです。

実はこれにも2つのパターンがあります。
一つ目は、持っているイメージの問題。
二つ目は、実際に仕事をしていく中での好き嫌い。

一つ目は、わかりやすく言うと、理想と現実の違いということになります。
オフィスビルで、パリッとしたスーツで、
大きな組織の中で働きたかった。
上場企業で働きたかった。

なのに、親の会社は工場の作業着で油まみれ。
小汚い事務所で雑務に追われる。
思っていた「仕事」とは全然違う現実。

ああ、あんなしっかりした会社で働きたかったな・・・と。

これを「隣の芝は青く見えるパターン」と名付けましょう(笑)

 

上場企業で小ぎれいに働いている人たちは、動かす金額も大きいことが多い。
奴等は、個人としては何の信用もないのに、会社名の入った名刺を差し出せば、相手はそれなりに敬意を払う。
一方こっちは、誰も知らない地方の中小企業。
あたかも軽蔑されているかのようなまなざしで見られる(ような気がする)。

まあ、これいわゆる劣等感というやつです。

 

中小企業の二代目って、「上場目指すぞ、オー!」って人も結構います。
けど社会の中にいるとだんだんと現実がわかってきます。
上場って、結局息苦しい。
なぜかというと、上場すると株主の意向には逆らえないわけです。
ということは、1年単位で成果を出すプロジェクト以外はやりにくい。
まあ、上場を目標にするならそれは否定しませんが、先ごろアマゾンジャパン社は、株式会社から合同会社へ組織変更するというニュースが出ました。
要は、自由度を選択したってことなんじゃないかと思います。

もちろん上場を目指すことも否定しませんが、果たしてそこに夢の国があるとも思えない。
私が知る上場企業の社員さん、みんなストレスで苦しそうですよ・・・。

どっちにしても、自分の仕事の楽しさを知ろうとする前に、「あっちのほうがよかった」という思いに逃げちゃってるんじゃないかと思います。
嫌なことがあった時に、そういう思いが出るんじゃないですか?
今の仕事も楽しさは実は少しは感じてる。
けど、それよりも何よりも、上手くいかなかったときの言い訳に使ってる可能性は高い。

 

で、二つ目の仕事の中で「やっぱりこんな仕事嫌だ・合わない」というパターン。
私はまさにこのパターンでした。
親の家業は保険の販売店。
で、私はと言えば、人に自分の価値観を強いるのが嫌いです。
けど、保険を売るには、なんの事件・事故も起こしてないお客さんをむりやり「事故が起こったら・・・」という恐怖の世界を見せなければなりません。
あ、もちろん、それが方法のすべてではないと思いますが、私の目にはそうとしか映らなかったという話です。
もうそれが、嫌で嫌でしょうがなかった。

また、規制の多い業界ですから、もう自由度の低いこと、低いこと。
もうこんなことウンザリだ、と何度も投げ出そうとしました。
私はどちらかというと、新しい子をを発送するのが好きなタイプ。
一方業界はルールでがんじがらめなので、「ルールだらけの中で、言われたことだけやりなさい」的雰囲気をずっと感じてました。
まあこれも発想の仕方次第なのでしょうが、嫌で嫌でしょうがない。

これ、合うあわないということは確かにあります。
けど今ある状況の中で、やっていかなきゃいけないという覚悟があるとないとではとらえ方が変わってきます。

そこで、私は「おめでとう」と伝えたい。
だって、今は時代の変わり目です。
というかすでにもう変化は起こっています。
嫌な仕事を、嫌なやり方で、いやいややる必要はないんです。
変えるタイミングです。

今ある状況・・・というか、今あるものは使いましょう。
それをつかって、新しい世界を創造する。
そういうスタンスであれこれ考えていくと、すごーく面白いものができるハズ。
つまり、道はいろいろあるんです。

 

で、まとめ的なお話をしましょう。
要は私たちは、仕事が好きとか嫌いとか感じているわけです。
まあ、好きならいい。
けど嫌いだった時に、嫌いなまま、仕方なくやっている。
これが一番つらいことなわけです。
自分で「つらいことを、しんどい思いをしてやってる」と認識してるから、何か問題が起こるとそれを言い訳にする。
逆に言うと、言い訳できる余地を常に残しているわけです。

選択としては、親の会社を辞めることも難しいとはいえできないわけではない。
いろいろ反対があったり、不安や恐怖を感じつつも、会社や会社の営むビジネスを変化させることもできないわけではない。
それでも、嫌なものを嫌なままやり続けている現状というのがあるのではないですか?
やることはただ一つ。
嫌なことをやらずに、会社をうごかしていく方法はないか。
そういう方法を模索していく「行動」を起こさなければ、状況は変わりません。
しかしその行動を起こさないとすれば、それは、その「いやいややっている」状況が崩れると言い訳出来なくなるからではないでしょうか?

苦しいことは重々承知です。
しかし、今の状態がツラいと感じるなら、何かを変えていかなければなりません。
その一歩を踏み出してみる。
これこそが、自分に対する言い訳をできなくする覚悟と言えるのだと思います。
ぜひ考えてみてください。
いやいややっている状況が、自分に対してのいいわけではないのか?ということを。

 
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