後継者が会社を継ぐ際に感じる不安との付き合い方

家業を継ぐことになる後継者が、よく口にする不安は、「自分にできるかどうかわからない」ということです。
考えてみれば、会社経営という初めてのことを「自信満々です!」と言い切るほうが逆に危ない気もするのですが、事業承継においては後継者の多くがちょっとビクビクしている感じを受けます。
まあ、私自身もそうでしたし、今も相変わらず不安だらけではあるのですが・・・。

そう考えていくと、自信がないこと以上に、自信がないことで前にすすめないことが問題なのかもしれません。

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家業の後継者・跡継ぎが経営に自信を持てない5つの理由

KangDooHoによるPixabayからの画像

1.実務上の経験が足りない

後継者・跡継ぎが経営に自信を持てない理由を考えていく中で、もっとも現実的な理由は経験が足りない、ということに尽きるでしょう。一般的には、他の仕事を少しばかり経験して親の会社に入るケースが多いと思いますが、まず家業における仕事の進め方をマスターしなければなりません。専門的な用語や技術、顧客名や対応方法など、学ぶことは沢山あります。特に、中小・零細企業においては、顧客ごとに臨機応変な対応を求められることも多く、顧客とその好みを固有名詞で覚えなければならないということもあるでしょう。

中小企業というのは大企業とは違い、物事がマニュアル通り動くわけではありません。結果として、暗黙知的な内容も少なからずあります。それは資料として何かがあるわけでもなく、社内の業務がブラックボックス化している可能性が大いにあります。そういった雲をつかむような話を一つ一つ紐解いていかなければならない、という印象を持つことが多いと思います。やってみればそこそこできることも、やるまでだと不安をおぼえますが、やってみると意外と「ああ、そういうことか」となることも多いのですが、やってないことがたくさんあるから不安になるのではないでしょうか。

2.社長としての経験が足りない

中小企業の社長というのは何でも屋であることが多いと思います。資金繰りや取引先とのコミュニケーション、社内の人事や経理、営業や販促、仕組み化やマネジメントまで、やるべきことは多岐にわたります。これが、総務部や経理課が独立して存在するほどの規模になってくればその仕組みの中で考えていけばいいと思います。しかし実際のところは圧倒的多数が、総務部門のない規模です。となると、社長あるいは社長の配偶者(つまり後継者から見た父母)以外に会社のコアの部分を知っている人はいません。特にこの規模でとどまっている会社は、経理を親族以外に任せたくない、と頑なにお金の流れをオープンにしていないケースが多いように思います。

すると何が起こるかというと、お金の流れや、社内のマネジメントにおけるブラックボックス化されていることが多いと思います。仕事の製造や販売の部分は10年も経験すればなんとなくわかるのですが、会社のコアの部分のお金などの流れはまったく見えない状態であることも多いのではないでしょうか。会社の中に見えない部分があるから、後継者である私たちは不安を感じます。不安は自信のなさにつながるのです。

3.経営者の力量を測る物差しがない

経営において、難しい教科書的なものは各種出版されているとはいえ、「これこそが経営者を測る物差しだ!」といえるものはこの世に存在しません。社交的なヒトもいればそうでもないし、学歴の高い人がいればそうでもない。経営の勉強を一生懸命している人もいれば、そうでもない人も多いし、現場で動き回っている人もいれば社長室にずっといる社長もいます。それぞれに、成果をあげている人もいれば、挙げられない人もいる。つまり、いい経営者の条件というものはこの世に存在しないのではないか、と私は考えています。

となると、後継者は、正解のない世界で正解を求めているという状況なのではないでしょうか。
答えのない問題を延々と解き続けるというのは、そりゃあ不安も募るでしょうね。

4.常にダメ出し

すべての会社がそうだとは言いませんが、先代経営者は年代的に根性論で育っている世代ではないかと思います。仕事場は戦場で、社員は戦士。命を懸けて敵(ライバル会社?それとも顧客?)と闘い、勝利(ライバルとの競争?それとも顧客を説得?)を勝ち取るというストーリーがベースになっていることが多いと思います。多様性を認めよう、という今の流れとは少し違い、目上の人が示した方向以外は許さないという厳しさを持っていたんじゃないかと思います。当然、指導はダメ出しによって行われます。さらに言うなら、事前の指導というより、事後の指摘。つまりやることなすことが、「失敗だった」と思わされるような状況があったりはしないでしょうか。もしそうだとしたら、やることなすことが失敗なのだから自信を持てるはずもないでしょう。

5.比較する相手が先代である親・社長

家業を事業承継し、親の跡を継ぐ後継者にとってのゴールは、今、親が立っている場所に自分が立つことではないかと思います。つまり、後継者・跡継ぎである私たちのロールもであるは親であって、同期の同僚でなければ社内の先輩でもありません。普通ならば、先輩と比べて「そこそこ先輩に迫る仕事ができた」ならば喜ぶべき成長のはずです。しかし、私たちの視点はそこにないので、それでは喜んではいけないと思い込んでいたりします。先代、社長である親に匹敵する仕事をするのが私たちに求められる能力。そんな風に思い込んでいる私たちは、ちょっとやそっとでは自分にOKを出せないのです。

つまり私たちは、親のコピーになる事が出来なければ、ダメだという狭いゴールを設定し、自分で自分を責めていたりはしないでしょうか。

後継者・跡継ぎが不安を乗り越える方法

Varun KulkarniによるPixabayからの画像

経営は予想以上に難しいけど誰にでもできる

経営というと難しく感じますが、たとえば、メルカリで何かしらの商品を売るのも商売の一部といえます。
自分の持っているものを、価値を上手く表現し、購入者が現われたら梱包して発送する。
その際にかかるメルカリ側への手数料、送料などを想定しながら価格設定をする必要がありますが、それが購買者のニーズに合致しなければ売れないわけです。

このやり取りの規模を大きくしていくと、今まで自分でやっていたことを手放し、誰かにやってもらい、その対価を払う。これが従業員の雇用ですね。
そういった流れから会社というのはできてきます。
だから、ゼロから立ち上げた場合は、不安を感じるというより、一歩一歩進んでいくから必要なことを追加していくだけであることは多いと思います。
もちろん多額の資金調達を行う場合など、そうとは言えないことももちろん多いですが、ごくごく普通の起業であれば自分の身の丈に合った規模でビジネスを行う前提になるんじゃないでしょうか。

しかし、後継者というのはそれとは少し違って、自分のイメージした規模とは違う規模で回っているビジネスを受け継ぐことになります。
そのギャップが不安を呼び起こしている背景はあるのでしょう。
考えてみれば、個人レベルとは例えば扱う金額のけたも変わるし、社員の雇用を維持するとかをかんがえると、その人たち分の売り上げを確保しなければなりません。
自分のことで手一杯なのに、人のことまで無理やり考えざるを得なくなる環境の変化は、ちょっと後継者にとって大きな負担に感じることも多いかもしれません。

とはいえ、一方で、経営者がみな経営について知り尽くしているかといえばそんなことはありません。
決算書を読める経営者は全体のごく一部ですし、マネジメントについてもさほど良く知らない人がほとんどです。
それでもできているのですから、まあ、大抵の場合は何とかなるものではないでしょうか。

やってみる

親子関係の中で、難しい部分はあるかとは思いますが、自信をつけるために最も最良な方法は「経験してみる」ということに尽きるかと思います。今までやっていないことを手を挙げて体験してみる。すると、今まで不思議と難しそうに見えていたことが、レベルの高低はともかくとして一定程度できるんだ、とわかるようになります。出来るようになれば、不安というのは避けることができます。

ただその際に、ちょっとした親である先代・社長との押し問答があることは想像に難くありません。それをどうとらえるかは難しいところであり、ケース・バイ・ケースでもあるのですが、親は自分にその領域に踏み込むことを許さないとすれば、その前提で自分にできる最善を考えていくことも検討要素の一つではないかと思います。

不安であることを受け入れる

ところで、不安という感情はあってはいけないものでしょうか?
けっこう不快なので、そりゃあないに越したことはありませんが、あったからといって実害を及ぼすものでもないのではないでしょうか。
たとえば、私は小学校時代、3分間スピーチをさせられるのが嫌で嫌でしょうがなかったことを記憶しています。不安で自信がなくて、みんなの前で固まってしまいそうになります。しかしそれでも、自分の順番は回ってきますし、順番が回ればスピーチします。上手くできようが出来まいが、自分の順番はいずれ終わります。終わってしまえば、いろんな反省はあれど不安は消え去ります。

あんがい私たちの不安の正体は、「人前で無様な姿を見せたくない」という感情の表れなのかもしれません。ぎゃくにいうと、それを受け入れてしまえば、あんがい不安は感じなくなります。全く感じないとは言いませんが、体がガチガチになるほどの緊張はしないようになります。すると、今出せる自分の力はそこそこ発揮しつつ、適度な緊張状態を保てる、結構いい効果もあるかもしれません。なんとなく私たちは、十把人からげにして「不安というのはよくない感情」という風な決めつけをしています。
しかし、不安であることがもたらす効果もあるわけですから、大事なのはむしろ不安をなくすということよりも、不安を感じつつも前に進む、という決断なのかもしれません。

どうせ順番が回ってくるものなら、やらないわけにはいきません。後継者という立場をやめるという決心をされている方以外は、不安を感じるのを悪いことと思うことなく、不安を感じながら前に進むということを意識してみてはいかがでしょうか。

 

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