後継者

後継者がやりたいことで周囲と摩擦を起こすときに内面で起こっている事

今は昔…的な話ではありますが、世の中でホームページという物が「企業には必要です!」と力説されていたころ、こんな話がありました。
後継者は言います。
「社長!(先代である親) そろそろうちもホームページくらいつくらないと!」

この時、後継者・跡継ぎは何を思って、ホームページをつくろうとしたのでしょうか。
ホームページをつくれば、仕事がどんどん入ってくるイメージをしていたのでしょうか。
それとも、お客様が私たちのことをより好きになってくれるという思いがあったのでしょうか。

あるいは、自分の見栄えのために…なんてことはなかったでしょうか。

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「会社のため」の名のもとの自分のための行動

かっこよくありたい!?

20年、30年前の時点で小さな会社がホームページを持つというのは決して当たり前ではなかったと思います。
業者に頼めば数十万円以上の費用が掛かるもので、今のように数万円でスタートできる代物ではなかったと記憶しています。
そういったときに、先代である社長に後継者が「ホームページをつくろう」と言ったとします。
多分当時は、却下される可能性が高かったでしょう。

先代である社長の感覚としては、そんなものを作って会社が良くなる実感がイメージできなかったのではないかと思います。
実際のところ、無理して費用をかけてホームページを作っても、恐らく問い合わせがガンガン来るわけでもなく、誰かに見られるわけでもなく、かけた費用を回収できた会社は少なかったと思います。
良し悪しは別としてここに後継者と先代のギャップが出てきます。

先代としては身をとりたいし、後継者は形を整えたい。
また、先代としては長い経験の中でそんな「打ち出の小槌のようなうまい話はない」と考えているし、後継者は「もっと楽して儲かる方法がある」と考えている。
そんな指向性の違いはあるんじゃないかと思います。

見栄えは会社のため?

こう言ったときに、後継者は傾向として、「会社の見栄えを整えることが大事だ」と考える傾向にあります。
自分が働いている会社はそこそこちゃんとしていたいという思いがある。これは私自身経験しましたので、よくわかります。
誰かと競うわけではないのですが、「ちゃんとした会社であってほしい」という思いは強かったように思います。

だから、大企業のマネをしたがるし、社内の決まりを厳格にしたいし、仕組みづくりをしたくなる。
そういった中で、外から見える部分として、当時の後継者にとってはホームページって結構大事なわけです。
もう入り口からしてちゃんとないというのは、後継者的には耐えられないわけです。

これは言ってみれば、自分のため(自分を納得させるため)なんですが、いつしか自分のためというより会社のためというおきかえがなされて結果として「自分は正しい」「自分は会社のためを考えている」となります。そして、そこと対立する先代は、「会社のことより私利私欲に走っている」みたいな極端な議論になりがちです。
実は先代も後継者のことを別の視点から同じように感じている可能性があります。
「自分がいい格好をしたいから見栄えばかりを気にする」という感じです。

なんだかもったいない対立がここでおきてしまいます。

自覚をすることから始めよう

自分のための行動は自分のためにやっているという自覚を

親子の経営の中で親子の確執が発生する場合、基本的には片方、あるいは双方が「自分が正しく、相手が間違っている」という思考が支配していると考えて間違いないと思います。
逆に相手の考えを理解し、受け入れようとしていれば、確執は起こりえません。
どちらかが意固地になるから確執が起こるのです。

そこで、まずはじめの一歩として考えていただきたいのは、自分がやろうとしていること、先代に止められがちなことは、本当に「自分のためではなく、会社のため」の行動なのかを問い直していただきたいと思います。
もちろん、自分のための行動が悪いと決めつけるつもりはありません。
そうではなくて、自分のための行動を「会社のため」とか「誰かのため」とすり替えることで違和感が出てくるのです。
だから自分のための行動なら、「ああ、これは自分のため、自分を守るための行動だな」という事を知っていることが必要だと思います。
そのうえで、「自分は自分のための行動をしたい」という事を自分で認めるという事が大事です。

そうすることで、自分の思考や行動を客観的に眺めることができて、誰かとの衝突が起こった時の苛立ち度がまったく変わってくるのです。

自分のための行動をしている、という事に気付いてもそのことを反省する必要はありません。あくまで自分は「そういう行動をしたかったんだ」ということを受入れるだけでいいのです。

焦りは禁物

後継者は親の会社に入った時から、「立派な経営者になる」という壮大なゴールに向かって走り始めます。
その道は紆余曲折ありますが、やっぱり停滞する時期というのはあるものです。そういったときに、自分がいたい立場と現実のギャップに苦しみ、焦りが出始めると思います。
この焦りが出始めると、周囲との摩擦を大きくしていくことになり、社内で孤立するというのが基本的な後継者が歩むパターンです。

こう言った時こそ、「会社を継ぐ」という思いをもって会社に居る時点で、自分は親孝行をしているというOKをまずは自分に出してもいいんじゃないかと思います。
そこから先はおまけ、くらいのリラックスをして仕事にあたってみてはいかがでしょうか。
今までとはずいぶん見え方が変わってくる可能性はあると思うのですが。

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