親が代替わりさせないという後継者の不満

親子経営の後継者も、ある程度経験を積むとこんなことを感じ始めます。
ウチの親は、いったいいつ代替わりをするのだろうか?

ある後継者はこんなことを言っていました。
「うちの父は65歳で社長をおりると言ってました。
そこ目指して体制を整えて・・・」

私は彼にこう言いました。
「それ、65歳になったら70歳までは頑張るって言うと思うよ」
先代の引退時期に関する発言は、真に受けないほうがいいです。
がっかりすることが多いから。

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後継者はいろんな悩み事を抱えます。
自分の能力の限界、
自分の会社の未来、
社員との関係、
などなど。

これらを一つ一つ解決しようと、
動き出そうとするとたいてい先代と意見が衝突する。
そうすると、なんとなく道を譲ってしまう。

ああ、俺は自由がないな。
ああ、私は親が言う通りやらなきゃいけないんだろうな。
この頭を押さえつけられているような窮屈な感じ。
いったいいつになったら解消されるのだろう?

そんな時、先代がぼそりといいます。
ワシは、65歳で引退するから、それまでに、
しっかり準備しとけよ、と。

 

私もそんなことを言われたことがありました。
まあ、私は不真面目なので、あまり準備もしませんでしたが、
マジメな後継者は必死に準備するわけです。
社内体制を整えたり、問題解決に乗り出したり。
もう、親が65歳になったら本当に引退すると信じ切ってます。

その場合、かなり高い確率で裏切られると思います。
65歳になった先代は、「あと5年くらいは頑張らないと」
なんて言い出します。
理由は、
「後継者であるお前は、まだまだだ」
というもの。

 

まあ、気持ちはわからないでもありません。
なんだかんだ言っても、経営歴ウン十年の先代と、
やっと実務を安定的にこなせるようになった後継者です。
大先輩の先代から見たら、欠陥だらけです。

しかし、です。
経験が浅いのは、やってみなければいつまでも経験不足。
いくら見て学んでも、経験しなければ上達するものではありません。
上達しない状態においておきながら、
「まだまだ未熟だ」と代替わりを拒否する。
まあ矛盾する話です。

 

そんな話はさておき、どんなことが起こるか?といえば、
年齢が上がろうが、先代は引退しない。
しかし病気などで体調がすぐれなければ
「そろそろ引退だからしっかりしろ」
とはっぱをかけられる。
けど、回復すればまた元通り。
いつしか、
「生涯現役だ」
なんて言い出す始末。

実は、当社もそんな感じでした。
先代は、外でも65歳には引退すると言いふらしており、
社長の座だけは譲ってもらいました。
名刺は代表取締役になり、保証人の印鑑はいくつか押しました。
けど変わったのはそれだけ。
相変わらず先代は、自分が社長と思い込んでるかのようでした。
というか、もともと社長を息子に譲るというより、
退職金をとるとかいう税務的なテクニックからそんなことをやったように思えました。

で、60歳代後半に身体を壊しました。
「寝たきりになるかも・・・」
なんていう弱音を吐きつつも、具合がよくなると
「生涯現役だ!」
と言い始め、私はやれやれ、という感じ(笑)

 

多くの場合、似たような道筋をたどります。
助走してもらいながら経験を積みたいという後継者の思惑は実現しないと思ったほうが無難でしょう。

 

なぜそんなことが起こるのか?ということを説明し始めると長くなるので割愛します。
しかし要点だけ言うと、これは先代が自分の存在意義を保持するための生存戦略です。
だから、根源的な欲求になります。
これを無理やり排除しようとすると、たいてい泥沼の戦いになります。

じゃあどうすればいいのでしょう。
私がおすすめするのは、放置です(笑)

後継者は様々な問題や悩みを抱えています。
その中で最も難しくて、最も重い問題って、実は先代との関係でしょ?
その一番ややこしいことを、一番初めにやるってどうなんでしょう。
私がおすすめするのは、直接対決より前に、周囲の状況をちゃんと作り上げること。
で、先代本人にはご自分から「そろそろタイミングかな」と思っていただく。
そういう「場」をまず作るということです。

その「場」づくりは、社内の絆づくりでもあります。
そこから取り掛かることで、次第に先代の関わり方は変わります。
そしてできうるなら、先代の持つ圧倒的な能力をどう使いこなすか。
そこを考えてみてほしいのです。
お互いの能力を、戦争に使ってはいけません。
先代を使い倒してください。

 

なぜ「場」づくり、社内の絆が必要なのか。
その絆を持つことで、後継者自身のリーダーシップを発揮する土壌ができるからです。
会社を構成する社員の心をつかむことで、後継者には心の余裕を持つことができます。
どれだけ先代が社内で大声で叫ぼうと、この場を支配しているのは自分だ、
という余裕ですね。

あなたが支配する場では、先代は一人のプレイヤーでしかありません。
その状態であれば、何を言おうとも、何をやろうとも、
失敗も含めて受け入れることが可能になります。
先代との対話は、そこまでできてからでも遅くないのではないかと思うのです。
一番難しいことから取り掛かるのではなくて、できることからやる。
そんな感じでいいのではないでしょうか。

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