後継者

ヒントは社内にある~後継者の会社改革

後継者に課せられた責任は数多くあります。
その一つが会社を一皮むけさせること。
賞味期限切れとなったビジネスを、
新たに生まれ変わらせる必要があります。

そう考えたとき、全く畑違いの事業を始める人は意外と多い。
これをやったほうが儲かるから。
投資が少なくてできる新規事業だから。
そんないかにも合理的な理由で新たな事業に手を染めがちですが、
そう考えるのはどの経営者も同じです。

つまり、自らレッドオーシャンの中に飛び込もうとするわけです。
さほど長くは持たないところで値引き合戦に疲弊し、
次は何が当たるか?なんてトレンドを追い回す。
そんなことをしていたら、消耗も激しいと思うのですが・・・
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後継者の人たちは、新規事業を始めることに意欲を持っている人は多い。
その理由は、「今のビジネスは将来性がないから」
というものが最も多いと思います。

きっとそれは正しいと思いますが、そのなかに「逃げ」の気持ちも
少なからずあるのではないでしょうか。
今のビジネスをやっている以上は、先代には勝てない。
だから違う分野で力を発揮する、という考え方。

 

これは決して悪いことではありません。
むしろ推奨したいと思うのですが、問題は、
手っ取り早く結果を求めるところにあります。
そうすると、「今何が流行っているか?」という価値観で
事業を選択します。

はやり物は、一気に人があふれ、競争原理が働きまくる。
つまり利益をとれる期間は長くはない、ということです。
そんな波を人より早くつかみ、そこに波乗りのようにアプローチする。
そんなことが上手な経営者はいますが、社内の人からすると、
「これでいいのかな?」とだんだんと疑問がわいてくる。

楽して早く結果を出す。
魅力的なオファーですが、魅力を感じるのはあなただけではない、
ということですね。

 

もう少し地に足をつけた戦略を練ろう。
やる気満々で鉛筆と髪をもって机に向かう。
しばらく固まったまま動けなくなるのは私だけではないと思います(笑)

先日たまたまこんな本を古本屋で買いました。


千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン(野村進)

本書は、創業100年を超える老舗企業の事例を集めた本です。
その企業がどうやって長く事業を続けているか。
そういったことを取材をもとに明らかにしています。

 

この本を見ていて感じたのは、どの企業にもある共通点があります。
はじめに紹介される田中貴金属工業は、金の積み立てなんかで有名だと思います。
しかし一方で、振動モーター用では世界トップブランド。
それは何かといえば、携帯電話やスマホに搭載される、あの「ブルブル」と震えるためのモーター。
世界的に、この会社の技術が使われているそう。

個人的に面白いと思ったのは、「ロウ(あのロウソクのロウ)」の技術が、
コピー機のインクだとか、インスタント麺に入っている乾燥ジャガイモにつかわれているとか。
それを可能にしたのも、ここで紹介されている老舗企業。

 

こうやって言葉にすると、あるいみ派手に見える企業の転身。
しかし、それは常に、古くから伝わるコアな技術がベースになっているということ。
そして自分たちが「〇〇屋」であるというという考え方から一歩踏み出し、
自分達の持っているものが今世にあるどんな問題を解決できるかを考えた、
ということなのではないかと思います。

こういうと、なんだか製造業限定という話に見えそうですが、
実際はほかの業種でもきっとあると思います。

自分達が先代から受け継いだものに何があるのか。
・顧客リストや顧客との関係性
・自社ビルなどのスペース
・基軸となる知識
・ノウハウ
・メンバー
・社風
・地域とのつながり
挙げればきりがありません。

私たちはこういったリソースを、〇〇屋という枠の中だけで使おうとしがちです。
そうすると残念ながら、賞味期限切れのビジネスは、食えない状態になる。
私たちが事業として認識している、〇〇屋さんという結果、つまりアウトプットをいったん忘れて、
それを営むことで蓄積したリソースは何か?という問いを持つことで、
それが変化した時代の中で活かせる方法を見つけ出すことはできるのではないでしょうか。

それがなくて、100年、300年、1000年と続く企業など存在しえない。
富士重工やBMWは飛行機を作ってたけど今は自動車。
ソニーはラジオ、任天堂は花札。
みんな「〇〇屋」は変わっても、コアな技術をもとに次のステップに進んでいます。
だから今でも一流企業として存在しえています。

じゃあ、あなたの会社はどうでしょうか?
あなたの会社のリソースをリストアップし、
磨き、その先にどんな世の中の問題を解決できるのかを考えてみる。
その先にこそあなたの会社の未来があるのではないでしょうか。

 

もし会社の未来が描けないとしたら。
自分の会社には何があるのか。
どんな小さなものでもピックアップしてみてください。
その先に、必ずヒントがあるはずです。

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