後継者

安定を求めても安定は続かないという現実

先日、ある大企業の社員さんとお話をしていました。
10年、20年前だったら「勝ち組」企業の社員さん。

彼は言います。
「息子には自分と同じ業界には来ないよう言ってます」
あらあら・・・。

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私が大学を卒業したころ、
銀行、証券、保険会社といえば、
就職先としては勝ち組企業。
当時、大手金融機関は、私の出身大学からは
就職活動のための資料請求しても相手にもしてくれませんでした。

ある都銀の新入社員の夏のボーナス額は、
「ひがまれるから、人に言わないほうがいい」
と言いながら渡されたそうな。

給与も高く、福利厚生も手厚い。
バブリーな保養施設を持っていて、
仕事はハードだけど、やっただけの見返りはある。
そんな状況だったようです。

 

それから27年。
大手銀行では3行で3万人を超えるリストラ計画があるとか。
これまでも、金融機関の多くは合併を繰り返し、
そのたびに、ぱらぱら、ぱらぱらと、
コップの水がこぼれるかのように人は減っているようです。

私が就職活動をしていた時には、まだリストラなんて言う言葉はなかったように思います。
それが入社して間もなく、中小企業でも「リストラがどうの」なんて声が聞こえ始めました。

そういった中で目にするサラリーマンの様子。
目を輝かせて上を狙っている人ももちろんいます。
ただ中には、一見肉食系なんですが、やりたくてやってるわけじゃない。
生活のために仕方なく、無理やり気合い入れてやってます、
というのが透けて見える人もいる。

言論統制がなされているわけではないのでしょうが、
外部に漏らす言葉は、慎重に選び、
上司にも部下にも気を使い神経をすり減らし、
挙句の果てに先頭集団からはみ出した人は、リストラ候補にならないかとひやひやしている。
そりゃあ、うつ病も増えそうです。

 

私が彼らを見ていて大変だなー、と思うのは、
社外で本心を言えないことが多いように感じられること。
自分は本当はこう思っているけど、会社の方針的にそれは口にできない。
だから口を閉ざして、自分の思いとは違う形で職場用の自分を演じる。
そんな状況の中で苦しんでいる人、たまに見かけます。

 

何が言いたいかというと、どこへ行ったところで大変だということ。
もし、後継者の方が、「安定」を求めて大企業で勤めたい、
と思うのならそれはあうあわないがあるんじゃないかと思います。

その安定とやらは、ある日突然、打ち破られるものです。
勤めてる会社が合併するとか、人員削減するとか、事業縮小だとか。
親の事業が好きになれないという人もいますが、大企業で好きな仕事に携われる保証もない。
会社の都合で、あっちにいかされ、こっちにいかされ。
希望通りに行くことは少ないようです。

 

けっきょく、どこで働こうが、何を選ぼうが、
安定を求めて行動しても、その安定はいつまでも続かない
というのが世の中の基本のような気もします。

いやいや、公務員という手があるじゃないか、という方もいるかもしれません。
けど政治的には行政サービスは人口問題を考えると縮小せざるを得ないんじゃないかと思います。
しかも、AI化が最も進めやすいジャンルの仕事の宝庫じゃないでしょうか。
さすがに、リストラでクビ!なんてことはないでしょうが、安定してると言い切るのはどうだろう?と思います。

ま、なんにしても、安定が長く続くというのは幻想じゃないかと思います。
今からの時代はもちろん、振り返ってみればもう10年以上前からどの職場も不安定(笑)
だとすると、抗えない力のなかで変化に耐えるか、
多少なりとも自分が変化をコントロールできる余地のある場所で働くかのどちらかという選択になってくるような気がします。
そのせんたくのひとつが、親の会社を継ぐ、という選択なんだと思います。

嫌なら嫌で仕方がないのですが、消去法で大企業の働き口を探すのであれば、
ある程度覚悟をもって飛び込んでみると、それなりの面白さを発見できると思います。

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