人生のロールモデル

子は親の価値観を受け継ぐ。
これは避けようのない現実です。
なぜなら、人として生きていくためのロールモデルは、
子どもにとっては親しかいないから。

なのに、なぜ親子経営では衝突がおこるのでしょうか。

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数年前、親子の事業承継では、なぜ確執が生まれるのか?
ということに強い関心を持ちました。
当初それは、時代認識の違いであったり、
経営方針のぶつかり合いであったり、
経営に関する価値観の違いであったり。
そんなことが理由なのではないか、と感じていました。

しかし、それだけでは説明のつかないことも多く発生しています。
例えば時代背景の違いや、経営方針、価値観のぶつかりというのは、
別に親子でなくとも起こるはずです。
大企業であれ、中小企業であれ、普通に存在します。

なのになぜか親子経営において、そういった問題が色濃く発生するわけです。

 

そこで少し研究の幅を広げてみました。
それはそもそも、会社という「場」で起こるだけであって
ただの親子の問題なのではないか?という仮説を持ったからです。

 

すると世の中の親子関係の問題の多くは、
親子での経営・事業承継でもぴったり当てはまることに気づきました。

たとえば、毒親と言われる話であったり、
近年多くみられる不登校やひきこもりであったり。
こういった問題は、家庭内で起こっているから周囲の人間はそれがあることさえ気づいていないかもしれません。
しかし実際には、潜在化しているだけで、割と頻繁に発生しています。
これがリアルに親子の人と人の問題であるから、
なかなか周囲に漏らすことができないのかもしれません。
そのため、陰で苦しむ人が多い。

一方、事業承継の問題は、経営という公の話であるからこそ、
わずかばかりとはいえ表面化しやすい。
従業員や取引先など、どうしても利害関係者が多い関係上、隠しきれないのかもしれません。
といっても、あまり人に本音を話せない性質のものでもあるようです。
実際に私のこのブログを、読んでコメントしたい!と思う人も多いようですが、
「誰が見ているかわからないので、なかなかコメントできずにいるんです」
なんていう話をよく耳にします。

やはり人目をはばかる問題である、という位置づけなのでしょう。

 

さて、家庭の親子関係の問題に関して言うと、
おおむねその解消方法はパターン化されているようです。
毒親問題というところにさらされている、という視点においては主役は子供。
(毒親というのは、過干渉や育児放棄といった子供の成長に”毒”を及ぼす親の総称)

子ども(といってもこういった問題を認識し、改善に向かおうと動き出す世代を対象にしているため、一定程度自立した大人)は
親と距離を置き、自分自身の本質的な生き方を取り戻そう、という方向性がその対処法としては多い。

一方、登校拒否や引きこもりといった問題については、親との距離をとれない子供であるケースが多い。
さらにはその問題を自分で解決の方向へ動かそうとする力が足りないこともあり、親が変化することを求めざるを得ません。
こういった流れを見ていると、いずれにせよどちらかが変化するしかないようです。

もう少し整理すると、親の影響力を子供がコントロールできる環境にあるなら子供が変わろう。
親の影響力を子供がコントロールできない環境なら、親が変わろう。
これが基本的な、親子関係の問題の解決の方向性です。

 

そんな文献を読んでいて感じるのは、親子の事業承継がもつシチュエーションの特殊性です。
子どもは親の影響をコントロールできる大人であるのに、親の影響をコントロールできるほどの距離が取れない。
本来なら距離をとってその影響をコントロールできればいいのですが、そこに会社という縛りが出てきます。
かといって親が変われるかといえば、これは子供の問題である、と親も、その周囲の自称”専門家”も親の味方をします。
実は、登校拒否や引きこもりが子供に起こると、だれが困るかといえば親です。
もちろん、子ども自身も大変な苦しみを味わいますが、親もまた同じくらい苦しみます。
だから何とかしなくては、と子供の変化を促すのみならず、親自身が変化せざるを得ない環境に置かれます。
事業承継の場合は、親に差し迫った困りごとは基本的に少ない。
成人した子供の問題にすることで、なんとなくバランスが取れてしまいます。
つまり親の変化は求めにくい。

結果、子どもにとっては、排除したい親の影響を強く受けながら、自身の変化を遂げなければならないという難しいミッションを乗り越える必要がでてきます。

 

さて、ここで冒頭の話を思い返していただきたいのです。
子どもは親の価値観を受け継いで成長していきます。
親子が似るのは、容姿という意味では遺伝子の問題でしょう。
もちろん、嗜好についても遺伝子の影響はそこそこあるのかもしれません。
しかし、価値観というのは恐らく、全く同じはずがありません。

7歳くらいまでは、ほとんどの影響を親から受けていることでしょう。
しかし、そこを過ぎると、親のうかがい知れない経験をさまざまにしているはずです。
そういった経験で培われていく価値観が、親と同じはずがありません。
なのに自分は親の価値観の中で生きている。
そのギャップが、親への怒りとして表出してきます。

よくあるのが、後継者と話をしていると、うっとうしいくらい(失礼!)こんな言葉を口にされる方が多い。
「親のことは尊敬してるんですよ。けど・・・」
いやいや、そうやって繰り返し口にするのは、尊敬できなくて苦しんでいる証拠です。

尊敬できない時に無理して尊敬しようとする必要はありません。
それはいずれ、分かる時期が来ます。

今は、親から教えられた価値観を踏み台にして、自分の価値観を作り上げていくことが大事なのではないでしょうか。
そうでなければ、師を超えることなどできません。
逆に言えば、親の価値観で生きている以上は、親の姿があなたの最終到達点です。
いえ、実際は、縮小コピーにしかなりませんから、そこまでも到達できないのが普通でしょう。

けど、それは嫌だ。
そういう思いがあるから、反発したくなる。
そりゃそうですよね。
師を超えることができなければ、ただのロボットです。
だから、その反発心は正常な成長への欲求です。
それでオッケーなんだと思います。
そして、そういうところに立てたとき、自然と親を尊敬できるようになるのではないでしょうか。

この「違う価値観を自分で作っていく」っていう過程が結構大切です。
それができてしまえば、親が何を言っても痛くもかゆくもなくなります。
親の目もほとんど気にならなくなります。
今あなたが置かれている環境は、そんなあなたを作るために最適化された環境。
今すぐ変化するかどうかはわかりませんが、そこへ向かうためのきっかけを提示してくれています。

今と同じことをやっていれば同じ結果しか現れません。
違うことを試し、失敗を経験し、自分の価値観というものを意識してみてください。
もう、親をロールモデルにする時期は終わりつつあるのではないでしょうか。

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