後継者は、いつも何かに頭を押さえられている感覚を持っています。
自由がないというか、追い詰められているというか、なんとなく得体のしれない感情を常に感じているのではないでしょうか。
その感情を引き起こすのは、目の前にいる先代かもしれませんが、その奥には自分でも意識していない何かがあるのかもしれません。
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後継者は、会社で強いストレスを受ける事が多いと思います。
その原因は、先代である、というのが表面上の結論なのかもしれません。
なにしろ、あなたのやることを拒絶し、否定し、責め立てる。
後継者を支配下に置くという状態を維持しようとしてるようにも見えてしまいます。
しかし、果たしてそれが本当の原因でしょうか。
考えてみれば、働く中では、一般の会社でも横暴な上司は沢山います。
理不尽な事柄は沢山あります。
それと比べて、もしかしたら程度の差はあれど、実際には似たような話がどこにでもあります。
そこで疑いたいのが、後継者の罪悪感です。
え?後継者が罪悪感?
何も悪い事をしてないし、むしろ、親の傾きかけた会社を継ごうという時点で親孝行じゃないか。
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は、罪悪感は悪い事をした時にだけ起こるものではないようです。
セラピストであるガイ・ウィンチは、著書「NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法」で罪悪感には主に三つあるといっています。
解消されない罪悪感
生存者の罪悪感(サバイバーズ・ギルド)
別れの罪悪感(またはそれに関連する裏切りの罪悪感)
後継者の場合は、ここでは「裏切りの罪悪感」に近いものがあるのではないかと思います。
どういうことかといえば、後継者はそれなりの期待を持たれて親の会社に入社したのだと思います。
その期待というのは、実務において習熟する事だったり、会社のかじ取りだったり、様々な要素があるでしょう。
もちろん、後継者自身もそれにこたえよう、という思いを持って仕事に取り組んできたはずです。
しかし、現実は楽ではありません。
仕事を覚えるなかでは、失敗もするし、苦労もする。
時にはお客様になじられたり、先輩から無茶を言われることもあるでしょう。
すると、後継者はこう考えます。
本来自分はこうあるべきなのに、その期待に応えられていない。
という自己評価ですね。
ここに、訳の分からない「後継者は厳しく育てろ」的な短絡的な世の常識と相まって、先代はさらに追い打ちをかけるかもしれません。
そうやっているうちに、後継者はどんどん追い詰められていきます。
自分のあるべき姿とのギャップに悩み、苦しみ、身もだえます。
しかも、後継者の立場を理解できる人は、どこにもいません。
この悩みを打ち明ける先はなく、打ち明けたとしても身近な人はそれを理解できません。
期待にこたえたいという思いがあるがゆえに、苦しいのです。
期待にこたえなければならないという思いがあるからこそ、苦しいのです。
親の期待になんか応えなくたっていいんです。
あなたの人生は、親の人生の延長ではないのですから。
さて、こんなことを言ってしまうと、怒られてしまうかもしれませんが、あえて言います。
要は被害妄想なんです。
自分が何を期待されているとか、自分がどうあるべきかとか、そんな事、もうどうでもいい!
そんな風に発想を転換してみてはいかがでしょうか。
後継者のうち、本当のバカ息子以外は、皆さんマジメです。
まじめだから、自分の立場をまじめに考えてしまうんです。
別に、会社を背負うとか、親の期待に添うとか、そういう事、一度取っ払ってみてはいかがでしょうか。
そこで初めて、自分の人生を歩む実感を感じられるのではないかと思います。
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