先代との議論が紛糾したとき、試してみたい方法とは?

もう15年ほど前になりますが、私と父である会長が随分もめた事件がありました。
それは、会長が「自社ビルを建てる」なんて言い出したことに端を発しています。
私は会長の「自社ビルが必要」となる理由を、ことごとく論破し、議論の上では勝利を収めました。
しかし、最後に会長が放った一言に、まったく反論できなかったのです。

 

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先日来より調子の悪かった、弊社の通用門のドア、ついに壊れてしまいました。
その様子を見て、私はため息をつくのです。
「賃貸だったら、家主さんにお願いすればする話なのに・・・」と。

弊社の社屋は、自社ビルです。
3階建ての小さなビルではありますが、今の社員規模では大きすぎるくらいです。
実はこのビルを建てる時、ひと悶着あったのです。

 

当時、父である会長はこういいました。
「我々の仕事も、これからは来店型店舗が必要だ。だから、自社ビルを建てよう。」
そこに私は反論します。
「保険の仕事で来店型?バカバカしい。であれば、駅前にオフィスを借りればいいじゃないですか。」

それにこたえて会長は言います。
「賃貸だと賃料が消えていくじゃないか。自社ビルなら資産になる。」
私は言い返しました。
「少子化のご時世、不動産なんて価値は下がる一方でしょ。そもそも、この土地、売れずに残ってるじゃないですか。」

さらに会長はあきらめません。
「お客様への信頼になる。」
私も負けてません。
「オフィスビルを賃借している業者を不信がる人がどこにいるんですか。」

 

こうなってくると、泥仕合です。
会長はこんなふうに言い出しました。
「経営者は、借金というプレッシャーの中でこそ力を発揮できる。」
私は返します。
「あなた個人のこだわりのための借金など、自分でやってください。会社として必要を感じないものを背負う気は毛頭ありません。」

 

ここから個人攻撃になっていく・・・というのがよくあるパターンですよね。

 

どこまでいっても私は反対です。
私にとっては、この話は議論というより、会長には、先に結論があって、その結論を正当化するために様々な理由を作っているのがよくわかっていたのを覚えています。
「理」で説得しようとすれば、それ以上の「理」でやり返す自信はありました。

しかし、押したり、引いたり続ける日々の中で、ボソッと語った会長の言葉がありました。
「ワシの夢やったんや。」

 

これは反則です(笑)
私はこの一言で、崩れ落ちました。
どう考えてもメリットの感じられない自社ビル建設計画。
強硬に反発していましたが、この一言で受け入れざるを得なくなりました。
むしろ、初めから、そう言えよ!と思っていたのをはっきりと覚えています。

 

このケース、たまたま先代がやりたいことを私が制止していたパターンですが、逆の立場だったらどうだろう?と考えるのです。
自分の意見を通そうというときに、論理的にそれが必要である、という説得が有効なケースは確かにあります。
しかし、論理と論理がぶつかり始めると、結局、終わりのない議論が繰り広げられます。
双方、それぞれの信念があります。
その信念というのは、対立の中での議論ではなかなか変わるものではありません。
そんな時に、「やりたい」という想いを伝えることで動き始めることはあるような気もします。

いろいろと戦略を立てて、こういう風に言えば…
こんな理由で押せば・・・
そんな風に考えながら話して上手く行かないとき、
どうしてもやりたい。
そんな風に、気持ちをストレートに伝えてみてはいかがでしょうか?
とはいっても、当たり前の話ですが、言葉が言葉だけに、
異性に使う場合には、お気を付けください(^^;

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