二代目が「バカ息子」の汚名を返上する方法

よく世間で言われることですが、
二代目はバカ息子。
なぜそんなことを言われるんでしょうね。

答えは簡単です。
少なくとも、私自身に当てはめて考えると、本当にバカ息子だからです(笑)

これ見て、「自分の事をdisられた!?」と腹を立てた方、ごめんなさい。
あくまで私自身の経験談、という事でお許しください。
そう考えるに至った背景を少しお話しさせていただきます。

二十数年前、私は大学を卒業して父の会社に就職しました。
強烈に二代目になりたかったわけでもなければ、
二代目になることを嫌がってたわけでもありません。
ま、成り行きというか、会社勤めってしんどそうだな、と思ってましたから、
家業なら、多少なりとも自由はきくだろう、という目論見もありました。

しかし、しかし、まぁ、面倒くさいことが多いのです。
父の長年のお客様のところに行っても、
取引先のお偉いさんのところに行っても、
同業者の会に参加しに行っても、
言われることはただ一つ。

「お父さんのように頑張れ。」

 

ハッキリ言って、ウザいです。

もちろん、そう言ってる人に罪はありません。
深い意味はなかったり、父を立ててつつ若者の未来への希望を言葉にしただけなんでしょう。
しかし、気を付けなければならないのは、これはバカ息子を作る洗脳のようなものなのです。

私も毎回聞かされるとだんだんとうっとうしくなってきます。
第一段階 「そうですねー。がんばります。」
第二段階 「はぁ。」と気のない返事    ←この結果、覇気のないバカ息子確定
第三段階 「そうはいいますけどね」と反論 ←生意気なバカ息子に昇格
第四段階 聞こえないふり        ←救いようのないバカ息子に昇格
なんていう出世をしていきます。

で、そんなことを知ってか知らずか、父は私にゴルフを始めるよう言いました。
「営業マンたるもの、ゴルフぐらいやれ」と。
私は、その時心に決めました。
「大事な自分のお金と時間を、ゴルフなんかに捧げることはしない。」
と。今も、私はゴルフをしませんし、するつもりもありません。

父は休日出勤も大好き。
で、その価値観を強要します。
二代目なんだから、休日なんか関係ない!と。

なんとなく、従わざるを得ないかなぁ、
と、比較的素直だった時期も確かにありました。
しかし、そんな思いが積もり積もってくると、もうバカバカしくなってきたんです。

結局、父の言いなりでいるうちは、父を超える事なんてできるはずないでしょ?
だって、父は自分の得意分野で勝負してるんだから。

そう思ったわけです。
だから、「父のように」なることを、あるタイミングでやめました。
父のルールでゲームをすることを辞めたのです。
そうすると、休日出勤とか、全く苦痛じゃなくなるから面白いものです(笑)

 

私は、バカ息子でした。
自分が不得意分野で、父を超えようとしていたわけです。
そりゃあ、比較もしやすいし、どっちがバカかを評価しやすいですね。
けど、中華料理とイタリアンが比べようがないように、
後継者は自分の味をきちんと出せば比べられることはありません。

こういう戦略を取り始めると、「バカ息子」がただの「バカ」になります(笑)
けど、二世経営者にとって、「バカ息子」といわれるのと、ただの「バカ」といわれるのと、
結構大きな違いじゃないですか?
バカ息子として失敗するのはプライドが傷つくけど、ただのバカとして失敗したのなら、
それもあきらめがつくかな・・・と。

 

その結果なにが起こったかというと、これまでと違ったところで評価を受けやすくなりました。
父は、販売業のトップセールスマンとして、取扱商品のメーカーから評価され、
同業者からも評価されていたようです。

私は、メーカーからは嫌われてるかもしれませんが、それなりに別のところで評価を受けている(と信じています。)
父と同じジャンルでの評価はなくとも、おかげさまで、私は父とは違う分野で、いろんなところで名を知っていただけるようになりました。
これでこけたら、自分の力不足と納得できます。
けど、父のコピーになろうとしてこけたとしたら、きっと人生、後悔したことでしょう。

もちろん、こけるつもりでいるわけではないんですけどね。

もし、共感頂ける人がいるとしたら、一度飲みに行きましょう(笑)・・・ワタシ、飲めない人ですが。

 

 

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