「がんばります!」
「努力します!」
特に年配の経営者の方は、こういう言葉、好きだと思います。
ただ、色々と調べていく中で感じることがあります。
それは、努力で成し遂げられることはたかが知れているという事です。
またこんなことを言うと、お叱りを受けるかもしれませんが、こう断言するにはそれなりの理由があります。
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Contents
人の対立への対処を考える過程で気づいた真実
親子での事業承継の根底にある問題
親子での事業承継は、人の問題である。
つまり、人と人の関係性を解きほぐさなければ、幸せな事業承継はありえない。
そういった結論に至るまでには、さまざまな紆余曲折がありました。
人を動かす、という視点で考えたとき、
・組織マネジメント
・心理学
・モチベーションマネジメント
等といった分野で、なにかヒントとなるものがないか。
ひたすら探し求めていました。
その過程で、ある現実を直視することになります。
それは、「努力」でできる事はたかが知れている、という事です。
努力・がんばるという言葉の背景にひそむ要素
ここで、努力する、がんばる、という言葉について考えてみたいと思います。
歯を食いしばって頑張る、
目標達成のために努力する、
いずれにも共通するのは、心を奮い立たせて事に当たる様子がイメージされるのではないでしょうか?
これはどういうことかというと、やりたくない、苦しい、やめたいといった事を無理やりやる方向に意識する、という事ではないかと思います。
前提に、やりたくないとか、つらいとかいう感情があります。
いいかえると、状態としては心の中に平常ではなく、異常な状態をあえて作って、その気持ちをよりどころに、行動に移していくという状態です。
意識してその状態を保たなければ、やる気はしぼんでいくのです。
つまり、努力する、がんばる、といった状態は無理して、意識して作らなければならない状態なわけです。
モチベーションはパッと燃えてパッと消える
やる気を無理やり高めても長くは続かない
あるモチベーションの専門家がおっしゃってました。
「海外の数百万円もするモチベーションセミナーに参加して、帰国したとき自分は何でもできると思った。けど、3日たてば以前の自分に戻っていた」
このお話には、何となく納得してしまいました。
頑張る、努力する、というのはその気持ち自体にガソリンを入れ続けなければ燃え続けない。
逆に言えば、ガソリンを入れるのを忘れるとその火は消えるわけです。
結果として、初速はすごい勢いだったのに、3日程度でその火は消えてしまうという皮肉。
努力とか頑張るとか、そういった炎を維持することは、そもそもそれ自体が才能なのかもしれません。
それをやり遂げられる人は、ごく一握りなのではないでしょうか。
自然が一番
偉業を成し遂げた人のインタビューなどを見ていると、よく出てくるのが「平常心」といった意味の言葉です。
常に淡々とやるべきことをやる。
言ってしまえば、一般的にみると努力しているよに見えることも、その人にとっては通常業務である、という事です。
朝起きて、歯磨きをするのと同じくらい自然に、練習をしたり仕事をしたりする。
その積み重ねが結果を生むわけです。
ある時だけ頑張って、あとは忘れてしまうのでは、やはり結果は残りにくいし、残ったとしても一時的なものです。
苦労してやることを延々と続けられる人は、そうそういるものではありません。
自然に人が動く仕組みを考える
ニンジンが使えるのは一度だけ
自然に人が動く仕組みを考えたい。
そうなったときに、パッと頭に浮かぶのは、「ニンジンをぶら下げよ」という話でしょう。
何かの報酬の代わりに、メンバーを動かそうとするパターン。
これは1回目は効きます。
しかし、2回目はニンジン1本では動かなくなります。
3回目、4回目・・・と続けていくうちに、逆にニンジンがない事が不満の種になります。
これは一種の取引です。
この事が、一時的なモチベーションを高めるものの、その後のモチベーションがガタガタになることがすでに明らかにされています。
進んで仕事をしなくなる状態を作る最短距離と言えるでしょう。
それでもやる
少し話がそれてきましたが、今回はモチベーションのマネジメントが主題ではありません。
モチベーションがあろうがなかろうが、やれば結果が出る。
というより、やることが当たり前である、という思い込みを作り出せば、物事を継続することは難しくなくなります。
朝の歯磨きを、「よし!磨くぞ!」と気合を入れる人はいませんが、たいていは忘れずに毎朝やるわけです。
歯磨きをするのに、頑張ろうとか、努力して続けようとか、健康な方ならまずいらっしゃらないですよね?
で、続けていれば、結果が出るわけです。
幾分か、虫歯の防止や歯周病の防止に役立つ。
実は、どんなことも同じです。
イチロー選手は、歯磨きをするような感覚で素振りをし、
本田圭祐選手は、歯磨きをするようにボールと蹴り、
その結果がこれまでの偉業に結びついています。
会社で成果を出したい、もしくは自分をマネジメントしたい、と考える時にまずは何をすれば成果が出るのかを考える必要があります。
つまり、とるべき行動をはじめに明確にするという事です。
いきなり3階には登れない
求める成果への行動に関して、侵しやすい過ちが一気にそこに登ろうとすることです。
求める成果が3階に登る、という事だったとしましょう。
いきなり何の準備もなく3階には登れません。
一つ一つの階段を踏みしめていく必要があります。
とるべき行動を、階段の一段レベルに分解し、その一段一段を毎日の習慣にしていく。
その場合には、その作業を始める合図(たとえば、朝礼の時とか、PCをたちあげてはじめにやるとか)を決め、出来るだけ最少ステップでその作業にかかれるように工夫します。
以前やったのは、PCを立ち上げると画面いっぱいにブラウザが開き、あるシステムの入力画面に直接到達するようにしたりしました。
まとめ
会社で何か成果を求めようとするとき、なにかとモチベーションをあげようとする傾向があります。
社内の一体感を作る事は悪い事ではありませんが、そういったモチベーションをあげる手段は、時に間違った知識も多く流布しています。
しかも、モチベーションの多くは一過性です。(一過性でないものもありますが、ここでは割愛します。)
それよりも、成果に対してどのような行動をとる必要があるのかを明確にし、それを習慣化させる方が重要です。
成果とモチベーションをごちゃまぜにしないほうがいい、と私は考えています。
モチベーションが高くてもうまくいかないことは上手くいかないし、モチベーションが高くなくても成果は出せます。
社内のモチベーションが上がらない、とお悩みの場合は行動に着目してはいかがでしょうか。
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