後継者

後継者がうまくいかないときはたいてい何かに「抵抗」しているとき

興味深い話を聞きました。
ある企業では先代社長が潔く息子に代を譲り、先代社長は一切会社に顔を見せなくなったそうです。二代目社長はここぞとばかりに、今まで学んだことをすべて会社で実践しようと奮闘します。結果会社は良くなったかというと、逆に窮地に陥ってしまったそうです。なぜ、二代目社長が学んだ最新の経営知識を実践しても、会社はうまくいかなかったのでしょうか。
そしてある先輩経営者から「お父さんに相談せよ」といわれ、二代目社長はしぶしぶお父さんに相談しに行きました。そこに目新しい話はなく、お客さまを大事にせよ、という話を繰り返し聞かされただけです。やっぱり何のヒントもなかったか、と思ったものの、帰り道でふと、自分に足りないものを見つけたといいます。やはり自分は成果を出すことばかりに視点をもっていて、お客様のことに見ていないことに気づいたのです。結果、この気づきは後継者にとっては大きく、会社はV字回復。このことから学べることはどんなことでしょうか。

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いろんなワークショップに参加してると興味深いシーンに出くわすことがあります。
あるメンタルコーチのワークショップで、同じ階に参加されていたAさんに対して、メンタルコーチはいろいろAさんのことを掘り下げていきます。コーチが「こういう考え方はできそうですか?」なんて問いかけると、「以前はそんなことも考えたこともありましたが、今はそれでは無理だとあきらめています」なんて答えます。「じゃあ、実はAさんは〇〇なことで期待されているんじゃないですか?」と聞かれて、「いえ、それはないです。なぜなら……」なんて長々と話し出す。「Aさんは何が変われば、Aさんの望んだ状況に行けると思いますか?」と割と本質的なことを聞かれると、話はだんだんと関係のないところに行ってしまいます。

取り付く島もない、といった感じですね。こういう状態って実は、相手に隙を見せまい、という風に自分を鎧で囲っている状態なんじゃないかと思います。私のところに、親子の確執で相談に訪れる方の中にも、やっぱりそういう方が一定数いらっしゃいます。何とかしたいから相談に来られるのでしょうが、いざ何かアドバイス也問いかけをすると、シャットアウトしてしまうのです。

こういうときって、すべてがそうだとは言いませんが、こんな心の状態があるように思います。
ひとまずは、そういったメンタルコーチなり、私のところに相談に来ることによって、自分的に前に進んでいる、積極的に動いているというように自分を納得させます。しかし、いざその場に行くと、せっかくのアドバイスを受け付けないというのは、実は本音レベルでは変わりたくないという思いが心の根っこにある、という風には言えないでしょうか。自分が変わるために向き合わなければならない自分の弱い部分から目を背けようと必死なんじゃないかと思います。

冒頭の事例ですが、この二代目社長は、親に負けたくなかったわけで、そのために一生懸命勉強して一生懸命に働きました。しかし、それが自分の成果のための頑張りだったので、お客様にはあまりいい印象を与えなかったのかもしれません。そんな状態の中、この人にだけは負けたくないと思っていたであろう先代社長に頭を下げて教えを乞うたことで、自分が一番向き合うのが嫌だった葛藤を乗り越えたのではないかと思うのです。「親に負けてはいけない」という思いで頑張ってきたのですが、そういった方の力を抜いて、「勝ち負けじゃない」ことに気づいた時にはじめて二代目社長の良さが出始めたような気がするのです。

 

松下幸之助翁をはじめとして、船井総研の故船井幸雄先生等、多くの伝説的経営者は「すなお」であることが大事だといいます。実は私もそこそこ素直なほうと若いころは思っていました。しかし、ある程度年を経て全く素直ではなかったことに気づきました。すなおというのは、たとえ自分が受け入れられないような意見であっても、いえ、むしろ受け入れにくい意見ほど、自分の意見をさしはさまずまずはその意見を取り入れてみる、ということだと思います。もちろん簡単なことではありませんが、簡単でないからこそそれを実践したときに物事が大きく変わる可能性があるのです。人の言うことをうのみにするなんて……という思いもあろうかと思います。実際私もそう思っていました。しかし、自分が何か停滞していること、思うようにうまくいかないときに限って言えば、寄り道をする覚悟で受け入れがたいアドバイスをそのまま実行するよう意識してみてください。

「はいか、イエスか、よろこんで」なんて標語みたいなものをよく聞きますし、かつての私は昭和時代のパワハラの名残と思っていましたが、実はそうでもないんだな、ということに最近気づきました。何かを言われて、とっさに反論したくなる時ほど、「ハイか、イエスか、よろこんで」を実践してみませんか?私も頑張ります…。

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