会社の仕事や、経営に携わっていると、常に何かしらの悩みはつきものです。
しかし、時折見かけるのが、3年前も、5年前も、10年前も同じことを悩んでいる人です。
確かに内容によっては、すぐには解決しないことも多い。
とはいえ、延々と同じ悩みを抱えているとしたら、悩みを解消する行動に至っていないのかもしれません。
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こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。
「こんなことで悩んでいましてね・・・」
そんな話をよく伺います。
しかし、じっくり話をきいていくと、彼はその悩みを解決したいようには思えないのです。
話を分かりやすくするために、彼の悩みを「社員がついてこない」という悩みだったとしましょう。
彼はつぶやきます。
「なぜ上手くいかないのかな」
そこで、じゃあ、彼がマネジメントについて、いったいどの程度の事を知っているのでしょう。
私の知る限り、そういった知識を持っている人は意外なほど少ない。
実は世の中にはそういった悩みを持っている人は多い。
多くの人が悩みを持っているという事は、その悩みを解決する事が出来ればビジネスになります。
当然、それをビジネスとして展開されている方は数限りなくいらっしゃいます。
つまり、自分の悩みに対する世の中の研究や実践について、あまりにも無知であることが一つの問題でしょう。
その彼は、本当にその悩みを解決したいのでしょうか?
それとも、その悩みを人と共有して癒されたいのでしょうか?
実は、後者の要素が多分にあるのではないか、と私は考えています。
逆に、なにかしら、悩みを解決する情報がこの世にあるという考えには至っていないように思います。
ないものは探すことができない。
だから、彼は探さないのです。
しかし、淡い期待はあるのかもしれません。
経営者仲間にそうやって悩みを打ち明けることで、心の癒しだけでなく、
「こうすればうまくいったよ」
という事例を知りたいのかもしれないですね。
ただ、残念ながらその確率は圧倒的に低い。
なぜなら、人の交友範囲は、意識しなければ自分と同等の知識レベルの人が圧倒的に多くなります。
つまり、彼が知らないことは、たいていは彼の友人も知らないのです。
ビジネス書を読まない人は、ビジネス書を読まない人と友達になり、
セミナーに行かない人は、セミナーに行かない人と友達になる。
けっきょく、どこまで言っても解決策は手に入らず、友人も悩んでいる事を知ってホッとするわけです。
横並びでいることが心地よいのならそれでもいいのですが、社内に帰ればそこにいるのは自分だけ。
仲のいい経営者仲間が社内にいるわけではありません。
昨日と同じ悩みが、今日も目の前に出現して彼に襲いかかる事でしょう。
いつまでも同じ悩みが解消しないのは、その背後にこんな状態があるのではないでしょうか。
「悩んでいる」という人のうち、その解決策を求めて行動している人は意外と少ないのです。
厄介な話で、日ごろ会社で仕事をしていれば、毎日緊急の案件がやってきます。
すると、解決策を求める仕事は横へ押しやり、緊急案件に対応します。
これ、仕事した感があるんですよね。
けど、緊急案件と、重要案件はイコールではありません。
中小企業のリーダーの多くは、緊急案件に対応することで自分の心を満たしてしまい、重要案件を永遠に先送りしてしまいがち。
重要案件を原因とする緊急案件が目の前に現れたときにオロオロとし、それが過ぎ去ればまた忘れて緊急案件に走ってしまう。
これが、重要案件、つまり恒常的な悩みが解消されない理由です。
では、どのように解決策を探っていけばいいのでしょうか。
ここにその簡単な5ステップをご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
ステップ① 問題を多方面から検討する
たとえば「社員がついてこない」という問題があった場合、
●社員自身の問題
●教育やマネジメントの問題
●自分の問題
といった具合に、いくつかの視点で検討してみます。
たいていは、それぞれに問題がある事が多いのですが、マネジメントの問題は小さな組織の場合、自分(リーダー)の問題の比重が大きい場合が多いようです。
「思うように売り上げが上がらない」という問題であれば、
●営業社員の問題
●社員教育の問題
●売り方の問題
●商品のミスマッチ
●マネジメントの問題
等といった項目が思い当たるでしょう。
ステップ② 問題のキーとなる部分にあたりをつける
前述の通り、ほとんどの問題は複合的な原因を持っているものです。
しかし、その中でもとりわけ重要というか、大きなキーポイントをどこかに見つけられるはずです。
非常に重要な問題でありつつ、これを改善すれば成果が大きく変化するというポイントです。
「社員がついてこない」「売り上げが上がらない」という”結果”を導く”原因”のうち重要なものが何かを明確にします。
「社員がついてこない」という問題については、前述の通りリーダーの問題が大きい可能性が高い。
仮にそうだとすれば、リーダーとしてどのような振る舞いが最も大きな問題なのかを特定していきます。
「売り上げが上がらない」という問題については、ケースバイケースなので何とも言えません。
ただ、社員の問題にしても解決にはなりませんので、今の社員でどの様に教育していくかを考える必要がありそうです。
売り方がまずいのであれば、売り方を変えていく事が必要ですし、商品が時代や客層にマッチしていないならその変更が必要です。
ステップ③ 情報収集
問題の根幹に行き当たったら(これは仮の設定でも可)、そのジャンルに関する情報を徹底的に調べます。
書店に行って、ビジネス書のコーナーに行き、ジャンル分けから役に立ちそうなジャンルの本の目次や前書きをざっと見てみます。
他には、ネットによる検索。
たとえば、社員をまとめたいのにまとまらず、リーダーとしての振る舞いが問題であると感じる場合は、リーダシップや社員のまとめ方などのキーワードで検索します。
必ずたくさんの情報を得ることができるはずです。
この時点で、その問題への対応としてのざっくりした世の中の流れは見えてくるはずです。
そこである程度気になる情報(書籍であれセミナーであれ)を徹底的に調べます。
その時に気を付けたいのは、書籍であれば1冊の内容を丸々マスターしようとしない事です。
それよりも、「まずは何を試すべきか?」という視点で情報を集めてください。
ステップ④ 試してみる
このステップは、大きなことをいきなりやる必要はありません。
むしろ、大きなことはやらないでください。
なぜなら、大きな変化を一気におこそうとすると続けにくくなるうえ、社員の方の反発は強くなります。
たとえば、マネジメントにおいて朝礼が大事だ、という事であれば朝礼をまずは毎日やる。
そこでは朝の挨拶と、簡単な昨日の報告だけの5分程度の朝礼といった軽い内容からスタートしていくのがベターです。
ステップ⑤ 改善する
何か新しいこと、変わったことをすると、必ず何かしらの気づきがあるはずです。
社員の顔色を見ていくと、こういう事が不満なのだな、とか。
続けるのが難しいときは、時間を変える、やり方を変える、場所を変えるといったことで、会社の仕事になじみやすい方法を考える。
暫く続けて、何ら変化が見えない場合は、その方法が自分や会社に合ってない可能性も考えられます。
また、新しい事が習慣化してくると、当初イメージしていた問題の根幹が別の事にあった事に気づくこともあるでしょう。
そういった場合には、②~⑤を繰り返していきます。
つまり、問題が”結果”としてあらわれるためには”原因”があるわけです。
その原因を特定するには、問題をある程度細分化し、いくつかの視点から見ていかなければその根っこは見えないことが多い。
雑草は、抜いても抜いても、根が残っていたらまたそこから生えてくるといいます。
会社の中の問題もまた、同じように根が残っていれば永遠に解決しません。
その「根」の部分に到達するためには、考え、深め、試してみることが必要になります。
もし、長年解決しない問題があるとしたら、やり方を根本的に見直す必要があるのではないでしょうか。
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