ビジネスに手詰まりを感じた時、後継者が考えたいこと

たまたま、ある生命保険会社の方とお話をしていました。
彼らは今すごく困ってまして、企業による大口契約がすっかり消え去ってしまいました。
なぜならば、保険料(掛金)の払い込みに対する税務上の扱いが変わったからです。
これまで、節税(正確には税の繰り延べ)として手軽に使われてきた生命保険が、節税できなくなってしまったからです。
そしてぱったりと新規契約が止まってしまったと言います。

そんな手詰まり感のある生命保険業界を例に、これからのビジネスをどうとらえていくかを考えてみたいと思います。

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読者の方には直接関係ないとは思いますが、一つの事例として見ていただければと思います。
生命保険の世界では、いくつかの稼ぎ頭商品がありました。
一つは、月々数十万円~百万円単位の保険料を支払ってもらう死亡した時の保険(実際は解約返戻金などがあり節税効果がある保険)です。
もう一つは、医療保険やがん保険といった月々数千円単位の保険です。

規模からすると数千円VS数十万円という隔たりがありますが、保険会社的には医療保険は儲かるのでこういった保険を売ると優遇されたりしていました。
しかし、こちらはやっぱりロットが小さいので、見かけの売上を上げるにはやっぱり大口の法人契約が花形です。
そして2019年2月を機に、この花形商品がかつて喜ばれていた「節税効果」がほとんどなくなり、売上げは壊滅状態になってしまいました。
それから10カ月を経過した現在でも、各保険会社がかなり苦戦を強いられています。

何が起こっているかというと、今まで保険だけにあった税務上の実質的な優遇措置が一部なくなったわけです。
となると類似商品との壁が低くなり、競う相手が保険会社のみならず、証券会社や銀行だけでなく金融以外の世界とも優位性を競う可能性が考えられます。

もし皆さんが、この生命保険会社の経営陣ならどんな判断を下すでしょうか?
医療保険で他社に負けない商品を出しますか?
それとも節税効果がないなりに、魅力のある法人向け保険を開発しますか?
ちなみに双方とも保険会社は結構やり切っていて、なかなか工夫の余地は残っていないようにも見えそうです。

まさに手詰まりです。

 

逆に、これを読んでいる方々は、保険業界の方ではないケースが多いと思います。
つまり、だとすると、完全に顧客の視点を持っているはずです。
顧客の視点から見て、「われ先に加入したい保険」って今までありましたか?
たぶんないでしょう。

仕方がないから加入するという方が圧倒的多数じゃないでしょうか。
つまり、保険料を支払うなんて苦痛でしかないわけです。
じゃあその苦痛を取り除いて、喉から手が出るほど欲しい状態を作るとしたらどんなことができるでしょうか?

例えばですが、「一定の経済的審査を通らなければ入る事の出来ない、VIPクラブ」という会員制度を作ってみたらいかがでしょうか?
その会に入ることができるだけでステイタス。
ローンの審査も緩くなり、
一般の人が使えないサービスやなかなか取れないホテルが優先的に取れたり、
様々な投資情報が集まり、またそういったVIPが集うパーティーへの出席が許される。
誰もがうらやむ会員システム。
そのデポジットとして、資産系の一定程度の金額の保険加入が義務付けられるなんていう話があったとすればどうでしょう?

大掛かりすぎますか?(笑)
実は保険会社というのは今のところ、他業の兼業は法律上許されてないのですが子会社形式で何なりとやれるんじゃないでしょうか。

 

こういった動きは、たぶん保険業界だけではなく、皆様の業界でも起こっているのではないでしょうか?
ライバルは増え、規制は増え、粗利は減り、販売量も減る。
そういったときには、従来の視点を超えた目でビジネスを見ていく必要があるのではないかと思います。

たとえば企業が保険をかけるのは、倒産しないため。
個人が生命保険をかけるのは、何かあった時経済的に困らないため。
こういった機能を抽象化して、別の方法で実現できる方法がないだろうか、
従来の商品を補完するサービスであったり、従来の商品をも必要としないサービスはつくることができないだろうか、
そんな事を含めて考えて行く必要があるのかもしれません。

 

もしビジネスに手詰まりを感じたとしたら、違う視点からビジネスをとらえ直す必要が出てくるのではないでしょうか。
それは、自分たちが何を提供するかより、顧客がどんな便益を求めてその商品を買っているかを考えることです。
そんな会議を重ねていくと、事業は次のフェーズへ昇華していくのではないでしょうか。

 

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Steve BuissinneによるPixabayからの画像

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