成果を上げる3人の二代目経営者の共通点

世の中ではバカ息子と言われがちな家業を継いだ二代目経営者。
そんな中でも、輝かしい業績を上げているヒーローはいます。
小さな会社を引き継ぎ、日本を変え、世界を変えるほどのパワーを備えた企業の後継経営者。

果たして、彼らには、どんな共通点があるのでしょうか?






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二代目経営者は本当にバカなのか?

常に人の目にさらされる二世経営者

二代目経営者というと、世間ではよく言われることは少ないようです。
放蕩息子、バカ息子、頭でっかち・・・などなど。
まあ、聞いてて嫌になるような表現をされることが多い。

多少頭角を現すと、親の七光りといった言われ方もされますし、
妬まれることも少なからずあります。

 

そんな自分に対するうわさを小耳にはさんだり、
誰に言われているわけでもなく過剰に反応してみたり、
とかく二代目経営者ともなると変なところでの心労もあるものです。

そんな思いを払拭したいとがむしゃらになれば、社員はついてこない。
なんとも大変なことを背負ったな…
そんな風に思う後継社長は少なからずいらっしゃるでしょう。

スポーツの世界では・・・?

私自身がもっとも共感を感じていたのが、長嶋茂雄氏のご子息長嶋一茂氏。
プロ野球選手としての実力は私にはわかりません。
ただ、いろんな記事を見ていると、結局、トップクラスのプレイヤーとして君臨するまでには至らなかったようです。

本来、実力が伴わなければ表舞台に出ることはありません。
しかし彼は、実力のいかんを問わず表舞台に出ざるを得ない現実がありました。
プロスポーツとしては、観客の動員に寄与した彼は、別の意味で価値があったのでしょう。
彼が球団に対して作った売上は、恐らく相当なものです。

しかし、それは評価されず、プレッシャーの中で苦しんだ現実があったのではないでしょうか。
家業を親が営む家庭において、彼の苦しそうな横顔は他人事ではなかったと思います。

さて、そんな中でも経営の世界では、圧倒的な結果を残した方々がいます。
そうでなければ、二代目という立場のせいにできるのですが、
幸か不幸か、出来る人はできるのだから一筋縄ではいきません。

今回はそんな”できる”方々の共通点を探ってみたいと思います。

親の会社が優等生でないほうがいい!?

小倉昌男氏(ヤマトホールディングス)

小倉昌男氏と言えば、クロネコヤマトの宅急便の生みの親です。
当時は、郵便が小包を独占しているのはおかしい、と法廷でも国を相手に闘っていたのを記憶している人もいるかもしれません。

もともと、当時の運送業と言えば、大口契約者と大口の荷物配送をするのが普通。
個人の自宅に荷物を届けるなど、ビジネスとしてあり得ないというのが業界の常識だったそうです。
しかし、親が経営していた運送業はどんどんと他社に後れを取っている。
そうなったとき、自分たちの活路は宅配ビジネス以外ない、と考えたのが小倉昌男氏です。

特に、最大手顧客であるデパートは、ヤマト運輸に対する態度も横柄で社員も辟易としていた。
小倉昌男氏は、そのわがままな大手顧客を切り、宅配事業に踏み出すわけです。

結果は、皆さんご存知の通り、今や宅配便はなくてはならないものになっています。
これほどまでに通販が発達した背景は、小倉氏の宅急便の発明なくしてはありえなかったのかもしれません。
(小倉氏は正確には二代目ではなく四代目です)

星野佳路氏(星野リゾート)

星野氏が老舗旅館の御曹司だったのは有名な話ですね。

あるインタビューではこんなふうにこたえています。

 「同じ会社で本気で真剣に経営に取り組む時に、通常の父子の関係が犠牲になります。この23年間は、私は父に経営者として挑戦し、父も私を後継者として評価するという関係になり、元の父子に戻ることなく今日を迎えてしまいました」

「父から私への事業承継は決してスムースなものではありませんでした。若く未熟であった私は、父の経営方針に強く反発し、父子で覇権争いを展開する時期もありました」

星野リゾート20倍成長の陰に親子激突の事業承継college cafe

実際に、氏は一度、親の会社を飛び出しています。
しかし、結局家族から呼び戻され、会社の後継者として社長のいすに座ることになります。

家業の旅館のてこ入れ、そして旅館の受託運営という新しいスタイルを生み出し、今も躍進を続けています。
古来の旅館の良かった部分を上手く引き継ぎながら、新たな価値創造を行っているのが今の星野リゾートなのでしょう。

柳井正氏(ファーストリテーリング)

もともと父が営んでいた紳士服小売店を引き継いだ。
といっても父親の本業は、土木建設業で、紳士服小売は副業だったようです。

柳井氏は、これまで衣料品の小売りはあくまで売り手に徹していた状況を、ユニクロブランドにおいては生産から一貫して管理しました。
その結果、恐ろしいほどの勢いでブランドを急成長させてきたのはご存知の通り。
当時、小学生が親に
「服は安くてもいいけど、ユニクロだけはやめてほしい。みんな同じ服を着ているから」
なんて言ったという話を耳にしたのを記憶しています。
それだけ普及していたという事ですから驚きです。

こういった感性に訴える商品は、いったんいきわたると顧客が離れるのが通常ですが、そういった危機を乗り越え今や押しも押されぬブランド。
やはり並外れた経営力を発揮しているのでしょう。

家業は一番手ではなかった

かなりビッグな3人を取り上げました。
どの会社も今や、押しも押されぬビッグネームですが、後継者が会社を引き継いだ時点では無名の会社でした。
せいぜい地元で知られる程度の会社だったのでしょう。

考えようによっては、トップではなかったからこそ後継者の活躍の余地があったといえるかもしれません。
また、とても重要な事なのですが、このお三方にはある重要な共通点が見えます。
その内容については、この後考えていきたいと思います。

3社とも斜陽産業の中であえいでいた!?

このままではどうなったかわからない

ここに出た三社の共通点は、家業が傾き始めていたことが見て取れるのではないでしょうか。
小倉氏の運送業は、他者の後塵を拝していた。
柳井氏の紳士服小売業もまた、大手の台頭でかなり苦戦を強いられていたし、星野氏の老舗旅館も経営難から星野氏が呼び戻されています。
それぞれの業界としても、決して将来有望な業界とは言えなかったように思います。

そこに業界の中では考えられなかった改革を行っています。
世の中を変えるであろう「よそ者、若者、ばか者」を地で言っていた人ばかり。(失礼!)

古くて立て付けの悪くなった業種・業界を、ピカピカの企業に生まれ変わらせた人たちと言えそうです。
逆に言えば、客観的に考えれば、沈みゆく業界だからこそ、変えざるを得なかった、という状況もあったのかもしれません。
いずれにせよ、会社として、これまでの軌道を大きく変えたのがここにあげた後継者の存在と言えるでしょう。

その危機感が、後継者を背水の陣に駆り立てたという背景があるのかもしれません。
もし引き継いだ会社の経営状態が良くない後継者の方がいらっしゃったとしたら、考えようによってはそれはチャンスと言い換えられるのではないでしょうか。
なぜなら、ピンチにこそ、社員は一丸となりやすいからです。

本業は守りつつ中身を変えた

会社を変えたと言っても、外から見たとき、
運送業は運送業のままだし、旅館業は旅館業。
そして服屋さんは服屋さん。

ある日突然、運送業が学習塾を始めたとか、
服屋さんが飲食店を始めたとか、
そういう変化ではありません。

あるいは、そういった形で成功を遂げた二代目経営者もあるのでしょうが、少なくともこの三社は本業を守っています。
変えたのは、ビジネス上の看板ではなく、やり方だったといえるでしょう。

ヤマトは顧客を変えました。
結果として、値引きのない小口輸送。
これまでだれも手を付けようとしなかった、
「儲かるわけがない」と言われていた事業で儲けました。

星のやは、相変わらず宿泊施設を運営しています。
しかし、地元で人を待つだけの老舗旅館とは違い、
ブランド戦略やノウハウの横展開といった様々な形でビジネスを広げています。

ファーストリテーリングは、「売るだけ」だった洋服店を企画から製造まで一貫して管理することで、
効率の良い運営とブランド構築を行いました。

 

今までの会社がもっていた機能は保ちつつ、中の仕組みを変えて事業を圧倒的なレベルに作り上げました。

ほんのちょっとの工夫でいい

二代目経営者にとって、会社を改革していく事は重要な役割です。
しかし、けっして難しい事をする必要はないのかもしれません。

たとえば、同じ業界の中で誰もやりたがらない仕事があったとします。
単価が低いとか、手間がかかるとか。
それを他社と同じ姿勢で、「効率が悪いからやらない」と決めつけてしまうともったいないのかもしれません。
その単価が低く、手間がかかることを、効率的にビジネスとして成り立つように仕立てる。
こういった形であれば、既にニーズがある事がわかっているのでリスクが少ないかもしれません。

星のややファーストリテーリングのように、顧客が誰かを明確にし、そこに最適化することでお客さまを引き付けることができる事もあるでしょう。
往々にして、「誰にでも好かれようとして、誰にも好かれない」企業は意外と多いものです。

大変身から始める必要はない。
ほんの少し、先代が忘れていたことを見つければよいのです。
それは同業他社には決してないものです。
顧客の零れ落ちた声を拾い集めること。
それこそが、後継社長がはじめに取り掛かるべきことなのではないでしょうか。




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