後継者

コロナウィルス騒動と親子の経営継承~今がチャンス!?

現在、2020年3月25日。
東京オリンピックの延期がきまり、もしかしたら日本の主要都市も封鎖されるかも、なんていう空気が漂い始めています。
今の売上への影響や、諸々の対応で出費が増えている背景もある企業も多いでしょう。
なんとなく先が見えず、頭を抱えている人もあるかもしれません。

ただ、一方で、コロナ騒動のあと、まったく別世界が広がっているんじゃないか、という予感を感じている人も多いと思います。
なにしろ、普通であれば、何年もかけて検討されるであろうことが、試験的に次々と試されています。
一晩寝て朝起きると、まったく違う世界がそこにあったとしても不思議でないほどの変化です。

そして人間は、自分の考えと現実に一定以上のギャップができると、「あきらめる」あるいは「手放す」という行動に出る傾向があります。
もう少し落ち着いてきたとき、親の様子を観察してみてください。
もしかしたら、何かしらの変化が起こるかもしれません。

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これを目まぐるしい変化、とでもいうのでしょうか。
厚生労働省のサイトを見ると、コロナウィルスに関するもっとも古い報道発表資料は2020年1月22日に始まっています。
2月初旬に豪華客船ダイヤモンド・プリンセスにおける二週間の隔離がありましたが、まだまだこのころはどちらかと言えば対岸の火事、ととらえている人も多かったのではないでしょうか。
3月初旬には学校がぞくぞく休校し、それを受けて企業がテレワークを一気に進めました。

2カ月でこれだけのことが動き、大企業では普通なら数年かかるであろう在宅ワークや時差出勤が学校休校までのわずかな期間で検討、実施が行われたようです。
私の身近なところでも、例えば保険会社は今まで「顧客と面談せよ」と言っており、その面談率をKPIとしていたものを「面談は避けるように」というお達しを出してきました。

在宅ワークが当たり前になると、会社に集うという事の意味を問い直すことになりますし、
そもそも、「社員、こんなに必要かな?」なんていう問題提起も行われるでしょう。
今までは、産めよ増やせよ式に人を増やして会社を大きくすることが重要な価値観だったものが、無駄なものを省いていく傾向が顕著になってくるかもしれません。

私がいろいろと参考にさせていただいている経営コンサルタントの方や、本の著者は軒並み、ZOOMやFacebookライブ、YouTubeなどといったもので緊急配信を行っていたりします。
毎晩、iPadを片手にそんなWEBセミナーを見ることで情報収集をしたりする日々です。
その中でも驚きなのは、国の対応もびっくりするほど早く、中小企業向けの資金繰り対策においては、東日本大震災の際でさえ、数か月かけて出てきたレベルの支援策が一気に出そろったと言います。
国も恐ろしい速度で動いているんだなぁ、とびっくりしました。

また先日、当社の社員がお子さんの卒業式に行ってきたようです。
式は普段の半分の時間で終了。
来賓のあいさつといったどちらかと言えば子どものため、というより大人の事情のプログラム部分がカットされ、「むしろいい感じの卒業式だった」という声まで聞こえてきました。

 

何が言いたいかというと、この数か月で、普通なら数年単位で起こる変化が一気におこっているという事です。
そして、そういった変化を目の当たりにしたとき、どうしても一定以上の年を重ねた経営者というのは自分が浮いていることを自覚し始めます。
これまでは過去の経験の延長で、社会の変化に対応してきたと思うのですが、もはや手に負えないレベルになってきたのです。
これを読んでいる後継者のお父さん、お母さんが、ZOOMでWEB会議してる風景というのは、あまりピンとこないかもしれません。

 

しかし、一方で、そこそこの人たちがこういった生活を、

意外と悪くないやん

と思っていたりもするようです。
別に会社に行かなくたって、仕事は進むし、時間の使い方も自由だし。
まあ、そうなると、会社への帰属意識も減ってくるので、会社とか来ようとか言う考え方もこれから変わってくるだろうな、という予感も感じます。

逆に今まで、なんであんな仕事の仕方をしてたのだろう、と感じてるんじゃないでしょうか。

 

さて、それでなくとも移り変わりの早かった社会が、さらに加速している現状において、恐らく高齢経営者の方はお手上げに近い状態になるのではないでしょうか。
人はそこそこギャップが小さければ、そういう社会と歩調を合わせようと考えられますが、ギャップが大きすぎるとそれさえも諦めてしまいがちです。
私の場合ですと、小学校の長距離走でそこそこいい位置につけていたら頑張るんですが、周回遅れなんかになるともう諦めて力を抜いてしまう感じに似ています。
そういう意味では、後継者の方が主導権を握るちょっとしたチャンスじゃないかと思います。

新しいことをやらなきゃ、というムードが日本全体(というより世界中)に広がっていますから、スゴイ追い風です。
私はいつも、こう言っています。
「常識というのは、所属するコミュニティの多数意見だ」と。
ということは、日本であったり世界というコミュニティのなかでの多数意見を考えると、大きくシフトするしかない状況がつきつけられているわけです。

 

じゃあ具体的に何をやるか、なんですが、一つは、「過去の遺物との決別」ではないかと思います。
前述の卒業式の話のように、いろんな「ちょっと余計なもの」が仕事や行事の中には紛れ込んでいます。
普段は当たり前すぎで気付かないのですが、こんな時こそ「常識的に考えて必要」と思えるものほどその存在意義を問うてみてはいかがでしょうか。

そして二つ目は、「新しい価値の創造」です。
自分が、そして自分の会社が、これからの時代に即した新しい価値をどうやって提供できるか。
これは今すぐ組み立てられなかったとしても、「考え始め、小さなテストをしてみる」というところが当面のゴールかと思います。
テストをするといろんな学びを得ることができます。
ちゃんとした最終目的地が決まっていなくても、テストを繰り返す中から目的地が見つかることもあるんじゃないでしょうか。

もちろん、過去に先代が積み上げてきたものをすべて潰す、という意味ではありません。
当然そこには、文脈があるはずなので、何かしら親がやってきたこととつながる部分があるはずです。
そこを意識しながら、スティーブ・ジョブズ的に言うなら、点をあちこちに配置していくべく、たくさん行動できるといいと思います。
それがいつか、一つの線につながることもあるでしょう。

 

今このタイミングは、おそらく過去にもこれからもそうそう出くわすことのないくらい大きな時代の節目になるんじゃないかと思います。
そんなタイミングで、会社を引き継ぐというのはすごく象徴的な話じゃないかな、と思います。
社会全体の世代交代が行われる中で、中小企業のなかでも世代交代が行われる。
あるいみ日本の縮図なんです。

今すぐあれもこれもできない、というのであればこれだけはイメージしてみてはいかがでしょうか。
コロナをキッカケに社会に何が起こって、コロナ終息後にどんな変化が残っているかをイメージしてみます。
その時に、自分たちがコロナ終息後にどんな価値を提供できるかをまずは考えてみる。
すぐに答えは出なくとも、自分に問いを立てるだけでOKです。
たぶん、多くの企業は今提供している価値とは違う価値提供が必要になってきますので。

そうやって準備をしている後継者は、騒動終息後、きっと他とは違う考え方、行動が出来上がっているのではないでしょうか。

古い話ですが、高校時代、長い夏休みを終えた後、やたらと大人っぽくなった奴とかを見ると、
なんだか取り残された気分になったもんです(笑)
大人っぽくなる側の人でありたいな、と思う今日この頃です。

 

色んな発想を行うには、インプットも重要です。
この経営者ONLINE倶楽部では私が読んでためになりそうな本のご紹介もさせていただいています。

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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