後継者

家業の後継者にとってのコロナ~コロナに乗じた変化とコロナ前に戻さない努力

コロナウィルスの世界的な騒動は、どうやらいろんな変化を一気に加速させました。
今までだって、「先が見えない時代」といわれてきたのに、一層先が見えなくなったかのように思われます。
しかし、私個人的には、落ち着いてみてみるとすでに予定されていたことが早まっただけのようにも感じられるのです。

つまり、遅かれ早かれやらねばならぬことが思ったより早くやってきただけ、といえるかもしれません。

 

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10年以上前から言われていたデジタル化

テレワークだって新しい概念ではない

海外のリゾート地で、
田舎の海辺で、
高級ホテルで。

ノートパソコン一台で仕事をするシーンをイメージした広告やSNSの投稿をだれもが見たことがあるのではないかと思います。
今の時代、パソコンとネット環境さえあれば、どこでも仕事ができる。
そんなメッセージを目にし始めたのは10年以上も前だと思います。

当時、私自身、それが不可能とは思いませんでしたが、それを一般の従業員ができるような時代が来る、というのはリアルにはイメージできませんでした。

ほんの数か月前、2019年時点でさえ、そういった話は現実的には見えませんでした。それが年が明けて数か月で、もはやテレワーク前提の社会になっているのは、驚くことではあります。なにしろ、大学生の娘も、ZOOMでのおしゃべり会を友だちとやるくらいです。
じわじわとやってくるであろう波が、一気に押し寄せたことに驚きは禁じえません。

しかし、10年前ならテレビ会議システムには莫大な投資が必要でしたが、今や無料に近いツールが多数あり、すでに土壌は準備されていた、と考えて差し支えありません。
ポジティブに言うなら、今だから何とか社会も対応できている、と言えるのかもしれません。

しかもテレワークが醸し出す、「会社へ出社しないことへの罪悪感」は私に限らず多くの人が普通に感じていたのではないかと思います。しかし、その罪悪感を消し去る「コロナ対策」という感覚がこの取り組みを後押ししました。

家業を継いだ後継者が今だからできること

親子経営においては、往々にして社内のIT化や新しい勤務スタイルなどは認められにくい傾向があると思います。親世代の経営者は、人を集めるのが好きなのです。

私が若いころ、こんなことが強く記憶に残っています。
休日にもかかわらず、親に「自分と一緒に会社に出社せよ」、といわれました。
何となく立場の弱い私は、「真剣みが足りない」とか言われるのはいやだったので、しぶしぶ出社しました。
私は休日はしっかり休みたいから、週末の夜遅くまで仕事をすることが多かったのですが、そんなことはお構いなしで呼び出されます。で、手伝えと言われるのです。
じゃあ、なにを?といえば、企画書作成を、といわれます。
で、どんなものを作れば?といえばまだ決まってない、といわれます。

つまり、それを考える間、ぼーっとそこで待っておけ、というわけです。
逆に私の言い分としては、内容さえ決まっていて指示をもらい、期日を区切ってくれれば自分のペースでやれたものを、まず会社に来ることが前提って・・・と憤ったことが何度もありました。

何が言いたいかというと、先代経営者は、会社に人を来させたがるのです。親世代の経営者にとっては、一緒に場所と時間を共有することこそが価値だと考えていたのでしょう。
そういった人からすれば、テレワークなんて言うのは言語道断。
しかし、それが許されるのはコロナがあるからです。先代本人は高齢なことが多く感染リスクは避けたいですから、しぶしぶであったとしても了承されるのではないでしょうか。

Hans BraxmeierによるPixabayからの画像

一定のスピードを超えるとついてこれなくなる

世間から取り残される会社

傾向として、多くの先代経営者は、会社を「いままでのまま」止めおきたいと考えています。規模は大きくしたいけど、今まで通り自分の地位は保ちたい。量的な進化はあるかもしれませんが、質的な進化がないからだんだんと古ぼけた会社になってきます。
多くの中小企業で後継者がいないのは、そこに原因の一つがあるのではないかと思っています。

幸か不幸か、そんな親の会社に入った後継者は、せめて自分の感覚とのギャップのない会社にしたいと考えるものです。後継者にしても、対外的な見栄えを気にしたいところなので、それなりの態勢を整えたい。

今までのスタイルに固執する親と、新しい見栄えを手にしたい後継者の綱引きはそんなところから起こります。

その綱引きも、時代がゆっくり進むうちは、親子のバランスの変化は徐々にしか動きません。しかし、時代が今のように一気に動くと、ある現象が目に付いてくるようになります。

社会の変化に対応せずに過去の慣習にしがみつこうとする親の様子がやけに目立つようになったり、あるいは社会のスピードについていくことをあきらめることさえ出てきます。
親による会社の変化への躊躇が浮き彫りになるのです。これは親経営者自身は気づかなくとも、他の従業員にはしっかりと見えて切ることがけっこうあるのではないかと思います。そうすると、従業員たちが作る一定の世論のようなものは変化し始める可能性があります。
一番最後にその変化に気付くのは先代経営者だったりするわけです。

例えば刑事が、車で逃走した犯人を追跡するとしましょう。
こちらは走って追跡するなら、車の姿が見えているうちは必死で走りますが、車の姿が見えなくなれば、走っての追跡はあきらめるでしょう。
それと同じことが起こります。
親は、世間についていくことをあきらめるのです。

この時点で、開き直るタイプの人もいれば、手を放すタイプの人もいる。
いずれにしても後継者としては、そのタイミングで自分の提案を通すことがやりやすくなってくるのではないかと思います。

後継者としては、先代の動きをしっかりと見定めながら、自分の仕事を一気に進めるチャンスが訪れることもあります。
「わしにはようわからん」という言葉を先代が発し始めれば、チャンスでしょう。

アフターコロナでの後継者の行うべき努力

さて、コロナに乗じていろんなことが社内外で起こっているでしょう。
そして大事なのは、その後です。
コロナの影響下にある今の環境が、心地よい人も中にはいますが、多くの人は何かしらストレスを抱えているのではないかと思います。
それは単に、出かけられないから、というだけではないはずです。

従来使っていた必勝法が使えないことに対するイライラを、実は先代のみならず後継者も持っているのではないでしょうか。
例えば私の良く知る保険業界で言うなら、コロナの影響下では対面販売ができなくなってしまいました。
みんなそのことでイライラしていますが、そもそも対面販売というのは、行うべき最良の行動だったかを考えてみます。
かつてはそれがお客様の満足を生みましたが、今は、それを良いととらえていただけるお客様とそうでないお客様にわかれています。
そういった社会の変化の前提を考えてみると、コロナの影響が去ったからと言って、元通りに普通に対面営業をやってしまうとしたら何の進歩もありません。

せっかくこういう機会を得たのだから、違う方法を真剣に考えなければならないのに、それを怠って”解禁”を待ち望む人ばかりだとちょっと残念な気がしてなりません。
一旦静まっても、二派、三派があるぞ、なんていわれるウィルス問題。
コロナに限らず、今表面化した問題点をつぶすことなく無防備にアフターコロナを過ごすとしたら、ちょっと危ないと思います。

だから、ついつい日常に流されてしまいがちなアフターコロナにおいて、ビフォーとは違う経営における工夫が残り、定着している事。
これが後継者がもつべきミッションではないかと思いますが、いかがでしょうか。

christelsによるPixabayからの画像

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