後継者

事業承継の後継者にとって反省の言葉はあなたを守る防衛線?

会議などで、社員に意見を求めます。
「〇〇をもっとうまくやるには、どうすればいい?」と。
するとどんな答えが返ってくると思いますか?


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会社の事について、新しい改善案を社員に問うたとき、ありがちな回答がこんな感じです。
「〇〇をしなければならないとは思うのですが、ちゃんとできてなくて・・・」
「今は、××ですが、〇〇できるよう頑張ろうと思います。」

 

また、毎朝朝礼でGOOD&NEWというワークをやっています。
これは、24時間以内に経験した良かったこと、新しい事を発表する、というものです。
この時にもありがちなのが、
「××なんですが、〇〇するようにしたいと思います。」

 

これらの社員の言動の共通点、気づきましたか?
簡単に言うと、こんな感じです。
「今はよくない状態だけど、良くなるように頑張ります。」

この言葉の構造をみると、よくわかるのですが、
人は自分に足りないものを見がち
という事です。

 

どのコメントも、すべて”今ある満足できない状況”についてから始まっています。
会議においては、過去を振り返るのではなく、未来をどうしていくかを聞いているし、
GOOD&NEWに関しては、良かった経験を発表してください、と言っているにもかかわらずです。

そんな時、いつも社員に言うのです。
「反省を求めてるわけじゃないから。」
と(笑)

 

それでもほとんどの人は、ついつい、自分を戒める言葉を口走り、会議は反省会になりがちです。
これは、会議が創造的でなくなる理由の一つですから、気を付けてウォッチしてみるといいでしょう。

 

ところで、できていない、と反省するのは”こうあるべき”という状況とのギャップがある証です。
自分としてはこうあるべきなのに、そうなり切れていない。
そういった思いが、口をついて無意識に出てくるのです。

ここに、ちょっとしたヒントがあります。
自分の言葉を注意深く観察してほしいのです。
社内での会話、お客さんとの会話、社外の人との会話で、自分はどんな反省をしているでしょう。
「本当は、こうしたほうがいいはずだけど、なかなかできてなくって。」
その”こうしたほうがいい”に着目するのです。

 

その言葉をメモしておいて、時間のある時にじっくり考えてみてください。
本当に、”こうしたほうがいい”のでしょうか?

その”こうしたほうがいい”を疑うことで、もしかしたら先代と後継者の確執を解くカギが見つかるかもしれません。

 

なぜこんなことを言えるかというと、私自身がそれを体感したからです。
実は、私は内罰傾向(自分が至らない人間だと自分を責める傾向)の強い人間です。
わかりやすく言うと、自分に自信が持てないのです。

だから、どうしても、語る言葉には
「本当はこうすべきだとは思うのですが・・・」
なんていう枕詞が常に入っていました。
そのあとに続くのは当然、
「今はできていない。」
です。

 

その時にふと思ったのですが、”こうすべき”という具体的な未来の状態をあげられるという事は、自分は正しいか誤っているかはともかく、何かしらの答えを持っている事に気付きました。
そこで、その”こうすべき”が本当に正しいのか、検証してみました。
その結果わかったのは、無意識に”こうすべき”と言っている事は、世の中や先代が自分に求めているであろう期待であることに気付いたわけです。
私の持っていた答えは、私の本当の考えではなく、世間や先代がこう考えているであろうという私の妄想だということです。
だから、後継者たるもの、こうあるべき、的なだれもが納得するような内容です。

その常識的な考え方が、自分の中から出てきたものならあえて、「本当はこうすべき」などと口に出していう必要のない事です。
わざわざ、何かにつけて口に出すという事に違和感を感じた私は、もう少し深く掘り下げてみました。
すると、それは自分を守る防衛線であることに気付きました。

 

どういうことかというと、

  1. 自分は世の中でいわれる後継者としての役割を果たそうとしている自分を演じている
  2. 後継者としてそれなりに前向きである自分を演じている
  3. 人より劣っているわけではない自分を演じている

ということをあらかじめ、”こうあるべき”という言葉を口にすることで、担保しているのだと理解したのです。
人に言われるであろうことを先回りして自分でいう事で、人から責めれることを避けていたといえば解りやすいかもしれません。

 

そんな前置きしなくたって、私の事を責める人などそんなにいるものではありません。
なのに、わざわざ”こうあるべき”と口にするのは、「わかってるんです。」ということをアピールする行為なのでしょう。
弁解する必要もない事を、先に弁解しているわけです。

 

その弁解を誰に対してしているかといえば、恐らく自分の中にある”思い込み”つまり、固定観念に対してです。
この固定観念を明らかにし、それを緩めていくと次第に生きるのが楽になってきます。
そうすると、先代が何を言おうが、周囲の人が何を言おうが、まったく気にならなくなったのです。

実は、後継者と先代の確執の中には、このような自分の心の中にあるわだかまりが原因である可能性もあります。
一番言われたくない事を、先代はピンポイントで突いてくる。
そう感じる場合は、あなたの心の中にある、無意識に守っている固定観念を覗いてみると発見できるものがあるかもしれません。

 

 

 


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