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なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践

なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践

ロバート・キーガン, リサ・ラスコウ・レイヒー 

「免疫マップ」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

事業承継においては、往々にして創業社長が後継者に権限を委譲しない、という事態が起こります。
それを、後継者の力不足だったり、タイミングの問題だったりというところに理由を求めがちです。
しかし、私の知る限り、その多くは誤りです。

よくあるたとえですが、自転車の乗り方をいくら座学で勉強しても、うまく乗れるはずもありません。
実際に、乗ってみて、体で覚えていかなければいつまでたっても乗ることができないでしょう。
経営という部分も似たようなもので、いくら勉強を重ねても、経験しなければ上達するはずもありません。

 

それを、経験もさせずに「まだまだ力不足」と二の足を踏んでいては、いつまでたっても上手く行くわけもないでしょう。
可能な限り、実地で練習していくのが経営力をつけていく近道なはずです。
新入社員もいつかは一人で仕事をしなければならないし、
営業社員もいつかは一人でお客さんを訪問しなければならない。
いつまでも誰かがそばで見ているわけにはいかないのです。

となると、慣れが必要なわけですが、経営に関しては後継者をそう扱うケースは少ないようです。
そこには、後継者に経営を任せない理由があります。

 

実現したいことがある。
事業承継においては、経営のバトンタッチですね。
それがなかなか進まない原因は、それを阻害する行動を自らがとっている事があります。

例えばダイエットを取り上げてみるとわかりやすいでしょう。

【目標】

3か月以内に、5Kgのダイエットをする。

 

ここに対して、普通は食事制限をしたり、運動をしたりします。
しかし、実際にはなかなかできないわけです。
それを阻害行動といいます。

【阻害行動】

ついつい食べてしまう。
運動をサボってしまう。

 

さて、この阻害行動ですが、このように振る舞うには、何かしらの「裏の目標」があるはずです。

【裏の目標】

おいしいものを、食べたいときに食べよう。
ツラい運動を回避しよう。

 

経営権の移譲がすすまないのも、同じような行動をしています。
目標として、経営権を渡すと決めたとしても、ずるずると先延ばしにしてしまう。
そこには必ず理由があります。
創業社長の場合は、大抵共通しています。

 

その答えをここで言ってしまうことはたやすいのですが、本来的にはご自身で探っていただくのが一番かと思います。
実は、「裏の目標」の先にあるものが心の奥底に潜んでいます。
そこまで到達できると、変化が容易になりやすいと思われます。

 

自分で、会社のチームで、これを試してみると、動けない、変われないことの本質的な原因が見えるのではないかと思います。

 

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