後継者

事業承継における後継者は”制限”があるからこそ力を発揮できる?

とかく、後継者は様々な制約の中で自身の力量を発揮しなければならないことが多い。
「自由にできるようになれば・・・」という思いもあるわけですが、逆に自由ではないからこそ、
それが前進する力になっていることもあります。


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親の会社を継ぐ技術

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たとえば、居酒屋に入ったとき、そこにはメニューが存在しなかったとします。
「どんなものでも注文してください。対応しますので。」
と言われたところで、ちょっと戸惑ってしまいませんか?

 

実際に、私たちは、何でもできる状況で、時間も限りなくあると、逆に戸惑ってしまいます。
お金も、時間も、糸目をつけないから、やりたいことをやりなさい。
そういわれたところで、意外と立ち止まってしまうものです。

無限に選択肢が広がることは、良い部分もありますが、決定要素があまりに多く困惑してしまうのでしょう。

 

以前、ある方に教わったのは、脳はプレッシャーをかけることで回転が良くなるそうです。
確かに実感としてそれを感じることはあります。
締め切りが迫っている状態でやる仕事は、集中力も高まり、発想も豊かになります。
締めに追われる苦痛はありますが、それをやり遂げたときの爽快感は格別ですね。

 

さて、後継者の状況は、多くの場合、制限だらけであることが多いようです。
あれもしなくては、これもしなくては、という状況なのに、ああしたい、こうしたいという提案は受け入れられにくい。
一つ一つ道が閉ざされていき、選択肢は非常に限定的で、投げ出してしまいたくなる思いを感じることもあります。
それこそ、ちゃぶ台をひっくり返したいくらいですね。

 

しかし、その過程って結構重要だと思います。
あの手もダメ、この手もダメ、そうやって次々と考えるアイデアの果てに、「これだ」と思えるものに出会える可能性があります。
私の経験で言うと、大抵初めに思い浮かぶアイデアはその場しのぎだったりします。
当然ダメ出しされるので、代案を必死に考えます。
情報を求めたり、刺激を求めたりして悩んで、悩んで、悩みぬきます。
で、ふっと力を抜いた瞬間、なかなかの妙案を思いつき、ニヤリとすることがあります。

 

できる事は限られているからこそ一点に集中できるし、
時間も限られているからこそ、一生懸命になる。
そんな中から生み出したアイデアというのは、軽い思いつきとは重みが違いますよね。
だからこそ、障害があっても、否定されても、進めようという推進力を持つのだと思います。

 

蛇口につけたホースから出る水、そのままだと大した勢いはありません。
しかし、ホースの先を狭めると、勢いよく噴出します。
それと同じで、人は制限があるからこそ、持てる力を最大限発揮できるのかもしれません。

だとすれば、後継者の置かれた制限に取り囲まれた環境は、
後継者自身の能力を集中させ、勢いよく飛び出させるためにあるようにも思えます。

もともとズボラな私は、”制限”がなければ、きっとつまらない経営者になっていたような気がします。


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