後継者

会社が失うものと得るもの

もし、あなたの会社の創業社長が、技術自慢であった場合、将来あなたの会社は技術力を失うかもしれません。
もし、あなたの会社の創業社長が、営業自慢であった場合、将来あなたの会社は営業力を失うかもしれません。
これは大きなジレンマなのですが、創業社長の強みは、未来、失う可能性があるものです。
なぜなら、それは組織としての強みではなく、創業社長個人の強みだからです。
後継者は、そこを織り込んだ経営を考える必要があります。

 

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ある研究者が、小さな販売会社の収益体質を分析したところ、10名程度までの組織は一人当たりの生産性が非常に高い事がわかりました。
それが、同業他社で見たときに、15名、20名と組織が大きくなると、一人当たりの生産性は下がっていく傾向が見て取れるようです。
数字だけを見ている分析者は、きっと首をかしげたことでしょう。
しかし、リアルな現状を知っている私にとっては、結論は明白でした。

その経営者の営業力は、一人で10人の生産性の低さをカバーできるほどの力量を持っていたわけです。
しかし、どんな営業の達人でも、20人の生産性の低さをカバーできるほどの営業力はなかなか持ちえないという事です。

 

昭和の時代に起業した創業社長の多くは、自分の仕事を抱え込んでしまいがちです。
中小企業=経営者とよく言われますが、会社の強みは、創業社長自身個人の強みだったという事です。

とうぜん、創業社長が引退すれば、会社の強みと思われたものは失われていきます。

後継者としても、そのリスクは十分認識しているはずです。
だからこそ、創業社長・先代の力量に頼らない仕組みを作りたくなります。
そこで衝突が発生するのは、多くの方が経験されているところでしょう。

 

そうはいっても、後継者はなかなか引くことはできません。
なにしろ、
今までの会社を支えてえ来た”強み”をいずれ失う事を知っている
わけですから、黙っているわけにはいきません。

 

ここで、一つ考えてみてほしい事があります。
会社の強みは、先代の強みだったわけですが、
後継者であるあなたの強みはいったいどこにあるのでしょうか?

これは、私の感覚的な印象ですが、多くの場合、先代と後継者の得意分野は違っている事が多いようです。
それなのに、後継者の方々は、先代の強みを生かしたフィールドで事業を盛り立てていこうと考えがちです。
失うであろうものを、補完しようと考えるのです。
すると、自分一人では難しいから、組織としてフォローする、そうやって先代のフィールドを侵すようになっていきます。

 

すべての方に当てはまるとは言いませんが、こんな方法を考えてみてはいかがでしょう。
「先代は先代のやり方で頑張ってよ。私は、私の強みを伸ばしていくから。」と。

たとえば、先代が営業の達人だったとしましょう。
営業というのはその場限りです。
だから、そこを守ってくれている間に、後継者は、1年後、3年後の売上をイメージしたマーケティング戦略を作り上げる。
マーケティングは仕組みであり、会社の在り方ですから一度作り上げた戦略は、ある程度の期間働き続けてくれます。

先代が卓越した技術者だったとすれば、技術だけではなく違う販路や、商品の開発を後継者が担うとか、新たな道をひらくことを検討してみる。

 

そうすると、二つの問題が持ち上がってきます。
一つは、「自分の強みって何だろう?」という問題。
意外と自分の強みってわからないものですし、その強みを自分のビジネスに活かすというのもこれまたなかなか難しい。

私の場合、かつてはお客さまには「血液型はA型でしょ?」「しっかりしてる。」「緻密な印象」的な評価を頂いていました。
緻密な自分こそが最大のウリだと思ってました。

しかし、どうもおかしい。
計算間違い、シミュレーション結果のチェックの甘さ、その他もろもろ緻密とは到底言えない状況がありました。
戦略を立てる際は、緻密かもしれないけど、検証はできない(やった後の事は関心を持てない)。
そもそも、大雑把なO型です(笑)
などといった、ちょっとハチャメチャな自分がいるのに、それを見ないようにしてるわけです。

この本質を見誤ると、自分が苦しくなりますので、自分を正しく評価することが重要です。

私自身、自分を知るために、様々な方法を試してみましたが、なかなか一朝一夕にいくものではありません。
自分の事が、一番わからないものですね。

性格のヒントは3歳くらいまでの自分がどんな振る舞いをしていたかを知ること、
スキルに関していえば、中学校や高校時代に関心を持っていたものが何かを思い返してみると見つけやすいかもしれません。
ビジネススキルについては、他人が丸一日けて苦しみながらやることを、1時間でできてしまうとか、
現在の自分から考えるとすると、他人が苦手にしている事を苦もなく出来てしまう事がないかに注目してみるといいでしょう。

二つ目の問題は、先代からの圧力でしょう。
先代にとっての常識の外にあることは、先代にとっては脅威にほかなりません。
無意識の生存本能が警告サイレンをならしますから、拒否・拒絶を受ける事になりがちです。
ですから、初めは小さく始めることを意識したほうがスムーズでしょう。
できることなら、勤務時間外に小さな実験を繰り返していくなどといった工夫が必要になるかもしれません。

 

そうやって、先代が築いた山に、後継者が築いた山をつなげ、最終的には後継者が築いた山を大きくしていく。
「第二創業」という言葉がありますが、まさにそんな感じだと思います。
ちなみに、私の会社で数年前に行った会議のタイトルは、「死と再生」(笑)
それは、会社として捨てるべき価値観があり、はぐくむべき価値観があることを象徴していたと思っています。

その際には、一番若い事務社員の口から、
「社長(私の事)に、いつまでも実務をさせていてはいけない。」
という言葉が出てきて、とてもうれしい思いをした経験があります。

それは、彼女が私の考えるビジョン・ミッションに共感してくれた結果だと思っています。

ホップ、ステップ、ジャンプといいます。
後継者のあなたがいなければ、先代がジャンプしてそこで終わりです。
あなたがいるからこそ、先代のジャンプはあなたのホップとなり、ステップとなりえます。
こんどは、あなたがジャンプする番です。

その時に、あなた自身の個性が生かせる状態を作る事ができていたとしたら、仕事はもっと楽しくなりそうですね。

 

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