後継者

後継者へのおせっかいなアドバイスは「社交辞令」である可能性が高い

よくいるんです。
わかりもしないくせに、「こうしたほうがいいよ。」なんていうアドバイスをする人が。
私も後継者として親の会社に入社して間もないころ、いろんな人から色んなアドバイスをいただきました。
しかし、そのアドバイス、実は社交辞令レベルのものがほとんどなんです。
ハイハイ、と聞いて次の瞬間には忘れるのが正解です。


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親の会社を継ぐ技術

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後継者にアドバイスしたがる先輩たち

役に立たないアドバイス?

親の会社に入社して間もないころ、いろんな人が寄ってたかってアドバイスをしてくれました。
たとえば、
「謙虚な心を忘れるな。」
「親の言う通りやればいい。」
とか、もう少しハイレベルになると、
「経営というものは・・・」
「後継者というものは・・・」
的な話を延々とされてしまいます。

それから、25年たって役に立ったことは・・・
実は、あまりありません。

後継者への「正論」アドバイスの意味

もちろん、すべてを否定するつもりはありません。
そういったアドバイスのほとんどは、まさに正論です。
だけど、考えてみてください。
あなたの目の前に、仲の良い社長のお子さんが後継者として入社した、と連れてこられたとします。
あなたは何かしら声を掛けませんか?
その時には、お父さんを立てる言葉を言ってみたり、
ちょっと先輩風吹かせて耳障りのいいアドバイスをしたりするのではないでしょうか。
実は、その言葉には、さほど深い意味はない。
違いますか?

 

その程度のシチュエーションです。
社交辞令にいちいち耳を傾けていては、身がもちません(笑)

後継者が受け入れにくいアドバイス

畑違いの人からのアドバイス

若いころ、それなりに真面目ぶって、一つ一つをきちんと聞いていたのですが、
少なくともそのほとんどはあまり役に立った記憶がありません。
というよりむしろ、それは違うんじゃないか?と思える内容さえありました。

 

たとえば、ゴルフが上手くなりたい人が、テニスプレイヤーに教えを請いますか?
同じスポーツとはいえ、あり得ないですよね。
後継者の経験のない人に、後継者の事はわかってるようでわからない。

私に有難いアドバイスを下さったのは、
親世代の経営者、取引メーカーの担当者、親族、サラリーマンでおあるお客様などなど。
後継者という立場を知っている人は、一人もいませんでした。

 

こういった人たちの多くは、自分がそう思っていようが思っていまいが、
一般受けしそうな当たり障りのないアドバイスをくださいます。
そしてそれは、多くの場合、
後継者は守る立場である、
という前提に立っています。

 

会社を守り、社員を守り、歴史を守り、伝統を守る。

 

確かにそれは必要な事です。
けど、そんなの言われなくてもわかってる話じゃないですか?
しかも、最悪なのは、
会社を進化させない前提に則っている事です。

たいていの場合、5年も後継者をやれば守るべきものについては、感じ入るところがあるはずです。
本当にアドバイスが必要だとしたら、その先にあるものであるはずです。

しかし、あなたの周囲に、そんなアドバイスをくれる人はいたでしょうか?
恐らくほとんどいないでしょう。
なぜなら、そんな事、真剣に考えている人はいないからです。
うがった見方をすれば、無責任極まりないアドバイスです。

正論よりも変人に

後継者に必要なのは、そんな誰でもが言いそうなアドバイスなんかではないはずです。

これが30年、40年前の事業承継なら、それでもよかったのです。
普通にやって、おとなしく、親と同じように働けばなんとかなったのです。
常識的に働き、みんなと足並みをそろえれば、くいっぱぐれることはなかった。
けど、今、あなた自身もそれではだめだ、と思っているのではないですか?

 

確かに後継者は、社内で新しいことをやりたがります。
それを自分の居場所を確保するためにする、という説明も一理ありますが、そうしないと会社が立ち行かなくなるのが見えているからなのだと思います。
いきなり大きな改革をやると反発を誘発する爆弾になってしまいますから、タイミングと状況を見ながらやらねばなりません。
しかし、タイミングと状況を見ながら発動させたいところです。
どうせ、おとなしくしていても会社が沈むなら、思いっきりあがいて沈んだほうが充実感があるはずだからです。

 

じゃあ、どうあがけばいいか。
それは、あなたの周囲の「変人」を探して意見を求めればよいのではないでしょうか。
変人と呼ばれる人が、変人であり続けるのは結構大変なものです。
その業界の常識に与することなく、一つ上の次元から物を見ているのが、ビジネス界の変人です。
市場でも、競合他社がひしめく中で、あなたの会社がお客様から見つけて頂くには、業界の変人を目指すのが最も手っ取り早い方法です。

 

かの任天堂は、ホームエンターテイメントという軸にこだわり、花札から始まった事業は、ゲーム機の開発で花開きました。

あなたの受けるアドバイスのほとんどは、任天堂でいうところの「花札」にこだわれ、というものではないですか?
任天堂が「花札屋」に囚われていたとしたら、今頃、会社も社員も守れていたかは疑問です。

 

あなたは、「花札」という”商品”にこだわりますか?
それとも、「ホームエンターテイメント」という”価値”にこだわりますか?
ここに、今の時代の後継者が背負う重責があるのだと、私は考えています。

今日の教訓:後継者は変人であれ


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