後継者コンプレックスはいつでも捨てられる

後継者にとって、「後継者」「二代目」「跡取り息子」なんていわれると、ちょっとお腹の奥がむずむずする感覚、ありませんか?
私はありました。
なんだか反発したくなるこの感じ、これってコンプレックスかも?

後継者って立場、どうよ?
20年前に聞かれたらこう答えたでしょう。

「サイアク」

そもそも、ほんの数年前まで、自分が二代目だっていう事自体、人前では言いたくなかったんです。

 

ある思い出があります。
私の名前は「薫(かおる)」です。
男なのに薫。

だから、小学校のときとか、クラス替えすると決まってやる自己紹介ってやつが、いやでいやでしょうがなかった。
4年生の時に学校を転校したときの嫌さ加減は半端ではありません。
だから自己紹介では、苗字しか言いません。

「田村です。よろしくおねがいします。」

すると、ナイーブな子供心をわかってない担任が言うわけです。
「ちゃんと、下の名前も言ってね。」と。
だから、仕方なく言います。
「田村です。」
目立たなく、小さな声で。

 

しかし、当時の小学校は人権お構いなし(?)です。
「大きな声で言ってください。」

転校先での生活が、ばら色になるか、いじめられて終わるかの瀬戸際。
ここで失態を犯すわけにはいかないのに・・・。
とはいえ、しつこい先生をスルーすることはできなさそうです。
目をぎゅっっとつぶって大声で自分の名前を叫ぶ。

人生終わったな…。

そんな心のつぶやきを頭に浮かべ、
目を閉じたまま、雰囲気を感じ取る。
な・・なんだか人の足音が聞こえる!
や、やばい、神聖なる教室でいきなりいじめか!?

恐る恐るあけた目の前に広がる景色は・・・

はい。誰も聞いてませんでした。
というか、みんな横に立ってて背比べを始めました。
「お前、背、高いなぁ。ちょっと俺と比べてみようぜ。」
「あ、俺も俺も。」

って、そんな展開です。
それはそれで、ウザかったのを覚えてますが。

 

だれしも、コンプレックスは持っているものだと思います。
私にとって、二世経営者という記号は、長い間コンプレックスでした。
だから、後継者とか、二代目とか言われるたびに、
こ・・・コイツ、オレを馬鹿にしてるのか?
なんて思うことも度々。
世の中で言う後継者のイメージって、やっぱりバカ息子的ニュアンスも少なからずあるようにも受け取ってました。

中には本当にそういう意味で言ってた人もいたみたいです。
けど、いいんじゃないですか。
そんなやつは、見返してやれば。

 

ところで、少し前にやっていたダヴのテレビCMですがご記憶にあるでしょうか。
3分ほどの動画ですので、ちょっと見てみてください。

簡単にあらすじをお話ししますとこんな感じです。
ダヴで行った実験ですが、被験者が自分の顔の特徴を伝えます。
その証言をもとに、警察の似顔絵師が被験者の似顔絵を描きます。
もちろん、似顔絵師から被験者は見えないよう、カーテンで仕切られています。
そこで書き上げた絵とは別に、第三者が被験者を見て被験者の顔の特徴を伝えて書いた似顔絵も準備します。

結果、誰の目に見ても明らかなぐらい、第三者の証言による似顔絵のほうが実物に近い。
被験者が自分で自分の顔の特徴を伝えて書いた似顔絵は、変にデフォルメされて全然似ていないわけです。

 

人はどうやら、自分のコンプレックスばかりに意識を集中してしまう事がよくわかる実験です。
気になるコンプレックスは、しょせんその程度のものかもしれません。
余談ですが、高校の時、クラスの女子にこういわれました。
「男で、薫って名前、かっこいいやん。」
その瞬間、名前に関するコンプレックスは完全に克服しました(笑)

 

今日の教訓:コンプレックスは意外ともろい。


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