非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(30)場づくりに努めよう!

親の会社を事業承継するに際して、いろんなことにぶつかりました。
そんな私が学んできた中で、組織の運営でとっても大事なことの一つが「場づくり」だと感じています。
たとえば、近年は「心理的安全性」の重要性が説かれています。
会社が昭和の時代のように、封建的なピラミッドで動いている時代とは少し変わっていく中で、リーダーの資質も変わってきていると思います。
強いリーダーから、社員一人一人が安心してチャレンジできる環境をつくるリーダーへのバトンタッチが求められているのではないでしょうか。

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猪突猛進時代のマネジメント

親世代の企業が目指したもの

現在、事業承継の必要性が検討されている企業において、先代の時代をひとことで言うと、「増やし、伸ばす、猪突猛進時代」と言えるのではないでしょうか。
昭和の時代というのはまさに日本が、どちらかというと技術的に取り残されていた国から、経済大国へ大きく飛翔した時期。
誰もがやるべきことが明確で、ただ前を向いて努力をしていればよかったという傾向があったように思います。
考える必要は何もないから、指示通り手を動かせ。そういった時代感ではなかったでしょうか。

この時代のマネジメントと言えば、誰もが同じ方向に向かい(疑問を持たせず)、一点に向かって物理的な努力が大事なわけです。
リーダーは、その言葉に疑いを持たせない強さ、強制力を持つ、カリスマが求められていたのではないでしょうか。
まさに、今会社を継ごうとする後継者・跡継ぎ・二代目社長にとっては、親の世代の人たちだと思います。

効率の時代から創造の時代

ただ目の前の仕事をこなす時代から、徐々に人の仕事の限界が見え始めました。
そこから効率化が始まり、経営コンサルタントや理論で複雑な商品を生み出す金融の世界が社会的に強さを発揮し始めました。
ただ手を動かす時代から、効率的に人を動かす時代に入り、リーダーに求められる資質も変わってきました。
しかし大企業はそういった変化を行うものの、中小企業はリーダーが変わらないので、相変わらず猪突猛進時代の世界観であることが多かった。
すると一気に古さが目立ってきたのではないかと思います。

そこに来て後継者の入社。
後継者・跡継ぎ・二代目社長にとっては、自分の感覚との大きなずれに愕然とされるのではないでしょうか。

後継者・跡継ぎ・二代目社長のマネジメント

後継者は封建時代の名残に惑わされていないか?

さて、私が親の会社の後継者として会社に入社した際、親からも、周囲の人からも求められたのは「カリスマになれ」という事。
人より仕事ができて、人より強くて、誰よりもしっかりと働いて、誰よりも結果を出す。
そんな機関車としてのリーダーの姿を期待されました。

もちろん、努力は大事です。
しかし、そういったことができる人と出来ない人がいます。
いくら頑張っても能力の限界はありますし、キャラクターとのミスマッチも出てくることがあったりします。
そして何より、自分の個性ではなく、誰かの求める個性に沿って生きていくことの生きづらさは、わざわざ言うまでもありません。
多くの後継者・跡継ぎ・二代目社長は、無理に先代のコピーになろうとして苦しくなっていくことが多いように思います。

これからの会社に必要な人材とは?

昭和の時代には、会社の意図にあわせて、ルールに合わせて機械的に働く社員が求められていました。
自分で考え、自分の意見を表明するより、与えられた仕事だけに集中する人です。
社会の方向性がハッキリと定まっているときはそれでよかったのですが、今や、VUCA(社会あるいはビジネスにおいて、不確実性が高く将来の予測が困難な状況であることを示す造語)なんていう言葉ができるくらいです。未来のことは誰もわからない。

そうなると、できる事は、今あるリソース(物理的な資源や技術はもちろんのこと、社員一人一人が持っている資質など)を最大限活用して、今を最適化することの連続が未来に続いていく、と考えられはしないでしょうか。恐らく、今のリーダーにとって大事なのは、社員一人一人が未だ仕事の中で生かしきれていない才能を開花させることなのではないでしょうか。

「場」をつくれば人は変わる

たとえば、私。
元々朝はあまり得意な方ではありません。
しかし、周りの人が、皆早起きなんです。
すると、朝の6時くらいにチャットでいろんなやりとりをして物事が決まったり、会議の時間や待ち合わせが早朝だったり。
でもって、そういう時間って、割と動きやすくもあるから助かるわけです。

そうすると自然に、朝早く起きるようになってきます。
以前は、朝5時に目が覚めたりすると、損した気持ちになって二度寝するんですが、今はそうでもありません。
ついつい寝るのがもったいなくなることがあって、12時までは起きるぞ、と頑張ってましたが今は21時でも、22時でも眠たければ寝ます。
そんな変化が自然に起きたのは、「そういう人たちと付き合う」=「そういう場ができる」からだと思います。

つまり、会社を望ましい「場」にすれば従業員は自然にその場になじんだ人となりますし、それがあわない人は去っていきます。
そうすることで場が強化されていきます。

「場」の作り方

掃除などの習慣作り

多くの経営者が、会社の掃除を徹底することを推奨しています。
それは何をやっているかというと、会社の場を清潔に保つだけではなく、物を大切にするとか、規律を重んじるとか、こだわりを持つとか。
そういった習慣をつけるということをやっているのではないでしょうか。
習慣は人を作ります。
そして人が同じ習慣を習得するときに、ある程度同じ世界を見るようになるのではないかと思います。
そういう意味では、例えば朝礼でやるラジオ体操とか、歌を歌うとか、理念を唱和するという物は、その行動そのものが価値につながるような気もします。
これは古臭く見えるかもしれませんが、人間の本質に近い部分にアクセスできる方法ではないかと思います。

安全な場所

職場というのは、多くの社員にとって危険がいっぱいの場所ではないでしょうか。
上司からの失跡、責任の追及、ミスへの恐怖や、人間関係へのフラストレーション。
とくに、封建的な組織の場合、横のつながりが薄くなりがちなので、社内に疑心暗鬼が生まれたりすることも少なからずあります。
そういった見えない部分をなくし、いいたいことをフラットに言える組織。
後継者・跡継ぎ・二代目社長が目指したいのはそんな組織ではないでしょうか。

そこで大事なのが心理的安全性と言われています。
そういった場を作るのに大事なポイントは二つ。

①お互いの価値観を知る

②全員の声が必要である

という事を満たしていく必要があります。
詳細はともかくとして、それぞれの人が自己開示をし、それぞれの人に発言の機会を与えることがきっと大事なのだと思います。

リーダーが喜んで行う

もう一つ大事なことは、仕事でも掃除でも、社内でやることはリーダーが率先してやる…というより喜んでやることが大事。
リーダーがイヤイヤやっていても、「頑張ってるアピール」にしか見えません。
けど喜んでやっていると、そしてそれを続けていると、社員は関心を持ち始めます。
そしてなんとなく、自分もやってみようかな、という好奇心が生まれます。
これ、たぶん頑張ってるアピールより全然効果てきめんだと思います。
ぜひ試してみてください。

 

 

 

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