後継者

後継者が苦しい時小さな習慣から見える景色を変えよう

後継者として親の会社に入社すると、私たちはその前提で会社を見ます。
いずれ自分が会社を継ぐとなると、後継者としてはまだ親が元気なうちに、自分にとって問題となるものを解消しておきたいと思いがちです。
常にそういったところを見ていると、だんだんと会社のアラばかりが見えてくるのです。
結果として、「どうしようもない会社だから自分が改革しなければならない。今の会社のすべてを否定して作り直してから出ないと継げない」なんて言う思いでいっぱいになったりしがち。
そしてその結果、先代社長との衝突・確執を生み出したり、社員との不和が起こったりという状況が起こりがちです。

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最近私はある習慣に気を付けています。
毎朝、家を出る際に家族の靴を揃えて出ています。
やっている人はやっているぐらいの大したことのない習慣ですが、日頃ルーズな私にとっては割と新鮮な行為です。
これがもたらした効果は、私がこういった家族への気遣いをすると、家族もそれに応えてくれるという状況はありますが、今回はその話をしたいのではありません。
この習慣、はじめは義務として自分に課したものでした。

しかし、これを数か月続けてくると、今までどうでもよかった玄関の様子が、ちょっと気になるようになってきました。
だから、靴揃えは、はじめは家を出る前だけだったのですが、ほんの最近から夜もやるようにし始めました。
とにかく靴がそろってないことが気になるのです。

これって、視点が変わり、少し大げさに聞こえるかもしれませんが、「自分の目に映る世界が変わった」という事に他なりません。

小さな習慣が見える世界を変える。
実は冒頭のお話は、これが少し裏目に出てしまった状態ではないかと思います。
自分の物の見方という習慣から見える会社と、先代社長や従業員から見える会社はまったく違います。
そもそも先代社長や従業員がこれまで作ってきたものを、後継者は全否定することも少なからずあるのではないでしょうか。
そうなるとどうしても激しい衝突が起こりがちです。
結果としてパワーゲームになり、誰かが「敗者」となってしまうのです。
同じ会社、同じ組織運営において、敗者がでることがいいことのようには私には思えません。

私はある時期、別の会社のある経営者の先輩にこんなことをいわれました。
「田村さんは、感謝が足りなすぎる」
その時は私もカチンと来て言い返しましたが、今ならその先輩の思いがわかるような気がします。

小さなことに感謝をする習慣を持つと、今の状況が奇跡的に恵まれているという風に感じられるのではないかと思われます。
靴を揃え続けたら、そろっている状態が当たり前で、そろっていなければ違和感があるものの見方をするようになります。
会社では感謝をし続けたら、感謝出来ない状態が起こることが異常な状態になるんじゃないでしょうか。
私たちは自分の習慣をかえることで、目に映る世界を変えることができます。

建設的な行動がとれないような追い詰められた状況にあったとしたら、少しずつでも感謝してみ続けるという事を試してみられてはいかがでしょうか。

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