後継者

親子経営の後継者は人を頼ることを覚えなさい

社員が複数名いる会社を社長の子供が継ぐ場合、一つ意識したいことがあります。
それは「何でもかんでも自分でやろうとしない」ということです。
もちろん、自分は働かず誰かに指示だけ出せばいい、と言っているわけではありません。
そんな横柄な後継者は誰にも認められないと思いますが、何でもかんでも自分で解決しようというのもまた改めるべき習慣だと私は考えています。

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後継者の責任感

親族間継承で「自分がやらねば」と感じる後継者

親の会社を継ぐ後継者というのは基本的に、「自分が継がねば」という責任感からその立場にたつ場合が多いのではないかと思います。
そうでなければ、逃げ遅れ……なんていう方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際のところは、いろんな思いが複雑に絡み合っていて、一概に言えるものではないのですが、だいたいは責任感から会社を継ぐことを考える方が多いと思います。
そうすると、責任感たっぷりな後継者の方は、すべてを自分で抱え込みがちです。
なんでも自分で考えて、自分でやってしまう。

自分で頑張ってみるというのは確かに大事なものなのですが、度が過ぎると人が育たなくなります。
大事なことを全部自分がやって、けど人に任せることができなくて、自分ばかりが忙しくイライラしがち。
他の社員さんも、そんなピリピリした後継者のことをみて、はれ物に触るような感覚を持ちがちではないでしょうか。
後継者は後継者で孤独を感じるし、なんとも困った状態になっているかもしれません。

大事なのは「2番目に踊る人」

この有名な動画をご存知でしょうか?
たった3分程度の動画なので、見たことのない方は是非ご覧ください。

この動画を見ると、リーダーが人を動かすというより、リーダーがたった一人のフォロワーを引き寄せることで大きな動きになっていく様子がわかると思います。
大事なのは、二番目に踊る人をどうやって「踊りたい」と思わせるかじゃないかと思います。

そのためには、二番目が「ぜひやってみたい」という世界を見せるということがありますが、もう一つは「自分も一緒に踊っていい」という状況が必要なのではないかと思います。
日ごろ何事も自己完結しがちな後継者の場合、周囲から見るとある意味スキがない。
この動画で言うなら、はじめに踊り出した人がマイケルジャクソン並みの超絶ダンスを始めたら誰も一緒には踊りません。
ただ、アホウになってリーダーが踊っていた、つまり隙だらけというか、誰でもできるレベルのダンスだったから二番手がついてこれたのではないでしょうか。

後継者は完璧でないほうがいい!?

後継者のメンツ

けど、私たちにもメンツがあります。
それでなくても後継者は「ポンコツ」とか「ボンボン」とか「バカ息子」とか、あまりよろしくない評判を頂きがちです。
けどそういった評価があったとして、実はそういう評価を下す人って、何をやってもネガティブな評価を下すものです。
売上を20%あげても、親の七光りと言って認めない人は、売上を2倍にしたって親の土台があったからとかしかいいません。
だから、そんな評価に左右されるのもバカバカしい話です。

それよりも、「ボク(私)、ポンコツだから」とアホウ踊りに徹するのもアリじゃないでしょうか。
そこで起こるのはナンバーツーの台頭です。
もちろん、部下を縛るのではなく「楽しく踊ろうぜ」という感じの方がいいと思います。
ちゃんと方向感だけ示しておけば、トップがアホそうだと、部下はしっかりと育ちます。
蘇すれば結果として、後継者は無理をしなくとも組織はそこそこ育つはずです。

後継者がアホウになる場合の条件

ただし、大事な条件があります。
それは、社員の「踊り」に対しての責任は自分が持つ、ということです。
ここがまた一つのジレンマかと思いますが、好き勝手踊らせて、放置していれば会社はどこへ行くかがわからなくなってしまいます。
大事なのは大雑把な方向感は示すということと、多少の社員のムチャや失敗は大目に見るということ。
社員の成長を祈りつつ、彼らを自由にするというメンタリティを持つことができれば、そのことは社員には伝わるようです。
単なる放任とは違った関係性ができてくるように思います。

人は相手に気づかいをすると、普通は同じような気遣いを返してくることが多いと思います。
ならば、社員が楽しんで、けど前のめりに働けるような環境づくりを、自分の振る舞いを通して行っていくことが肝要じゃないかと思います。

ここまでのお話でお気づきの方も多いと思いますが、自己完結型が多い後継者の方々ですが、ぜひ、人を上手く使ってください。
使うという表現に違和感があるとしたら、彼らを信頼し、頼ってみてはいかがでしょうか。
そうすれば、自分がアホウ踊りをやっていても、みんなついてくる雰囲気はできてくるんじゃないかと思います。
大事なのは、自分が変るということから始めなければなりません。
大変ですが、頑張ってみてください。

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