後継者

親子の事業承継で起こる問題は直接的に解決できないことが多い

机周りが散らかっているとき、どうするでしょうか?
普通は、かたずけるわけです。
しかし、何度かたずけても散らかってしまう。
どうやら都度かたずけることが、最善の方法ではないように感じられる。
そのとき、あなたはどうしますか?

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思考停止状態とはどんな状態?

物事は常に直線的に解決できるわけではない

何か問題があった時、即座にその問題に対処する。
一見、正しいように見えることが、そうでもないことがあります。
たとえば、冒頭のお話。
散らかったらかたずければいい。

これ、直接的な解決策ではあります。
これをリニア思考といいます。

しかし、物事の多くは様々な要素が絡み合っていることが多い。
つまり、リニア思考で解決できることは、思ったほど多くはないわけです。
リニア思考の繰り返しは同じ場所から出ないことになりがち。
特に変化が求められる今の時代、リニア思考だけで乗り切るというのは難しい可能性が高いように思います。

検討範囲を広げてみると・・・

じゃあ、もう少し検討エリアを広げてみましょう。
そもそも散らかるには何かしらの原因がある、という前提で考えてみます。
もしかしたら、モノの収納スペースが少ないのかもしれない。
収納の方法が効率的ではないかもしれない。
動作の習慣を改善したほうがいいのかもしれない。

そうやって、収納場所の確保、収納方法の変更、動作の確認を行うと、わざわざ大掃除的なかたずけが不要になるかもしれません。
そうすると、いちいち、仕事を夢中にやったあと、かたずけの時間をとって・・・などという無駄な繰り返しを防ぐことができる可能性はありそうです。

一般的に、「思考停止」と言われるのは、このリニア思考から抜け出せないケースに多いのではないでしょうか。

後継者・二代目にありがちな問題への対処

衝突を繰り返す親子

子である後継者や二代目は、自分の主張をする。
それを受けて、親である先代は、この意見を受け入れられず却下する。
却下された提案に対し、子である後継者は憤慨する。
その結果、会社に自分がいることの必然性を疑い始める。
辞めたくなったり、先代を追い出そうとしたりする。
その状況を察知して、先代は自分の地位を守ろうとかたくなになる。

こういったループがあったとしたとき、私たち後継者はリニア思考に陥りがちです。
とにかく先代を排除しよう。
もしくは会社を去ろう。
精神的な疲弊の元凶を取り除くことに思考は集中する。

もはやそこから目をそらすことはできなくなってしまいます。

違う次元でものを見てみる

こういった場合、同じ階層で物事を考えると、結果はいつも同じところにたどり着きます。
親子がたもとを分かつという結論以外ないように感じるのです。
しかし、すこしレイヤー(階層)を上げて物事を見てみると、意外な解決策が見えてくることがあります。

たとえば、子としては自分が会社をコントロールできている実感があれば、なんとなく安心できるのではないでしょうか。
逆に、先代は自分がそれなりに頼りにされている感覚を持てればいい。
その間を埋める緩衝材があればいいわけです。
私が、先代との対話より前に、社員をまとめよう、と主張する理由はそこにあります。

一人でも親族以外の社員がいれば、その人がその役割を果たせる可能性は出てきます。
事業部制にしてあるていどの役割と自由度をそれぞれが確保する方法や、複数ブランドを作ることで広い客層をカバーしながら双方の独立性を保つというのもあるかもしれません。
解決策として、「目障りだから排除する」以外の選択肢はいろいろとあるはずです。

事業承継におけるリニア思考の問題点

親子の事業承継においては、悲しいかな親子でつぶしあい、マウンティングをしあう傾向があります。
その結果、本来、未来に残したいはずの会社が犠牲になりがちです。
なにしろ、余計な衝突で会社の時間、気力を使い、結局会社の活動は惰性で動いてるだけという状況に陥ることも多い。
リニア思考、すなわち線形の解決策を検討し始めると、親子は対立軸に立ちがち。

「正面突破」といえば、潔く聞こえるかもしれませんが、事業承継においては体力ばかりがそぎ落とされる傾向がある。
そんなもったいないことをしている時間があるなら、考えてみましょう。
非線形の解決策を。

 

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