後継者

後継者にとっての事業承継は誰のため?

親の会社を継ぐ後継者。
私たちはなぜ、会社を継ぐのでしょうか。
中小企業庁の資料を見ると複雑な情景が見えてきます。


私の著書です。

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親の会社を継ぐ技術

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以下、中小企業庁の、2019年版中小企業白書をご参照ください。

第二部経営者の世代交代
6 事業を継ごうと思う理由・思わない理由

一部、表を転記します。

第2-2-57図 積極的後継者候補が事業を継ぎたい・継いでもよい理由
(%)
事業がなくなると困る人(取引先・従業員等)がいるから 事業に将来性があるから 自分の家族が協力的だから 事業の関係者(取引先・従業員等)と一緒に働きたいから やりたい仕事をできるから 社会の役に立てるから プライベートとの両立ができるから 十分な収入を確保できるから 企業文化、技術・ノウハウを守りたいから 組織のトップに立てるから 経営を補佐する人が信頼できるから 他の後継者候補が成長するまでの中継ぎが必要だから
31.2 30.0 24.4 22.0 19.6 19.2 17.6 16.8 16.0 14.0 6.0 5.6 (n=250)
資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「中小企業・小規模事業者における経営者の参入に関する調査」(2018年12月)
(注)1. 複数回答のため、合計は必ずしも100%にはならない。
    2. 「その他」の項目は表示していない。

これを見ると、一番大きな数字は、
「事業がなくなると困る人(取引先・従業員等)がいるから」
とあります。

なんとなく、義務感を感じる回答に見えるのは私だけでしょうか。
積極的な理由というよりも、背中を押されてというところがあろうかと思います。

また、中ほどには、「プライベートとの両立ができるから」という、なんとなく緩い回答も見受けられます。
現実は、両立ができるかもしれないけど、プライベートと仕事の分け目がないともいえるかもしれません。

深く見ていくと面白いアンケートですが、ざっくり俯瞰すると、とにもかくにも複雑な後継者の心境が見え隠れします。

ただ、気をつけたいのは事業承継って長期戦です。
今良くても、10年後良いとは限らないし、
私たちの心も変わる。
一方で、親の会社へは一度はいるとなかなかやめにくい。
そんな事もあって一定の覚悟を持って始めることをお勧めしたいと思います。

義務で、という理由であるならば、イマドキはM&Aも当たり前に行われています。
そんな事も視野に入れながら、色んな事業承継を見ていけばいいと思います。

大事なのは自分はどう生きたいかという事。
自分とつながって、その思いを果たせる選択をしてほしいと切に願います。

 

 


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