後継者

親子が会社で喧嘩すると社員の発言は減っていく・・・

社内会議や、オフィスで、怒号が聞こえる。
親子の事業承継にありがちなシーンです。
親の方針と、後継者の方針がまったく合致しない。
ちゃんと聞けよと、言うところから始まり、大声で怒鳴りあって最後は物別れに終わる。
そんな事を繰り返してはいないでしょうか?

後継者はその後、社員にとりつくろったりするかもしれません。
けど、明らかに、社内の空気は悪くなっていきます。


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事業承継での親子喧嘩が会社に及ぼす影響

ツートップの喧嘩に入れる人はいない

親子で事業承継するならば、今の立場はもとより、
先代と後継者が並べば、それは実質的な会社のトップとナンバー2です。
そんなツートップが喧嘩を始めたとき、一社員の立場として何ができるでしょうか?

下手に仲裁などしたらとんでもない巻込み事故に遭うことは必至。
だから、利口な人たちは、それを見てみぬふりするのです。

後継者にも先代にも味方しない

基本的には、そんな時に社員はどちらかにあからさまに味方するということはしません。
下手に方向性を明確にすれば、あとあと困ったことになるかもしれないからです。
とりあえずは静観。
結論が出るまで待って、結論が出たときにそこに静かに従うのです。

社員から「意見」が出にくくなる

そういう状態になると、社員から意見は出にくくなります。
下手に意見をしたところで、それが原因で又親子喧嘩を始められたらたまったものではありません。
渦中の栗を拾うことなく、静かに仕事をしたい。
これが一般社員のホンネです。

だから、だんだんと余計なことは言わなくなります。
会議の発言はますます減り、社員は自分が困らない「宙ぶらりん」の立場を貫こうとします。

事業承継の中での親子喧嘩を建設的なものにする方法

喧嘩そのものをなくすのは難しい

恐らく、後継者と先代では根本的に考え方が違います。
見ている方向も違います。
だから、喧嘩そのものをなくすのは難しい。

むしろ、それが建設的なものであるならば、ケンカしたっていいと思います。
しかし往々にして後継者と先代の喧嘩というのは、相手の貶めるようなものになりがち。
そうすると、社員としてもどうふるまっていいかがわからなくなります。

判断基準のすりあわせ

仮に喧嘩になりそうになった時、その議論の判断基準があいまいになりがちです。
自分が正しくて、相手が間違いといった、マウント合戦になるともはやどうしようもない喧嘩です。
けど例えば、議論がエスカレートした際、「それは顧客のためになるのか?」あるいは、「それは会社がよくなるためになるのか?」といった、議論の軸を確認してみてはいかがでしょうか。
そうすると、次第に感情的なぶつかり合いから抜け出すことができる可能性は増えてくるのではないかと思います。

マウンティングのネタに会社を使ってはいけない

ありがちな喧嘩は、双方自身の立場や、評価を守りたいがゆえに、止まらないことが多いように思います。
先代であれば、自分の経験値を見せつけたい。
後継者にすれば、自分の立場を確保したい。
その思いがベースで喧嘩をしているうちは、泥仕合です。
そこから抜け出し、顧客のため、会社のための議論を行いたいものです。

 


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