後継者

無為に過ごす毎日を輝かせるシンプルな習慣

正直にお話しすると、私が親の会社に入社して10年くらいたったころ、すべてに対してやる気を失っていました。
生活を維持するため。
ただそれだけのために働いていました。

朝6時に家を出て、夜9時ごろ帰宅する。
この15時間は私にとっては我慢の時間。
この我慢大会があってはじめて、給料を手にできる。
そうしないと生活ができませんから、仕方なく働いていました。

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1日は24時間。
当時は睡眠時間は5時間ぐらいだったと思います。
仕事や通勤の時間15時間を加えて20時間。
この間は、自分の時間ではありませんでした。
さらに、食事や着替えと言った避けられないルーチンがあって、一日の自分の時間は3時間。

毎日、3時間だけが、「生きてる」時間のような気がしていました。
だから、日々焦っていました。
この3時間を無駄にしてしまえば、その日一日を無駄にしたようなものです。
家族との団らんとか、ゆったりテレビや映画を見るとか、ありえない話です。
だから睡眠時間を削り、4時間くらいにするとちょっとだけ時間が増えます。

こうやって書いてみるとわかりますが、なんとも息苦しい毎日ですね。

 

そんな中で、ふと考えたことがあります。
自分って、何のために生きてるんだろう?と。
仕事の奴隷だったんですね。
働くことに歓びを見出せなければ、なんだか人生を浪費してるような気がしてならないわけです。

 

そして、働くことの意義を探し始めました。
15時間がそれなりに、生き生きとしたものになれば、それなりに充実するんじゃないか、と考えたわけです。
そこには、使命みたいなものがあって、そのために人生を使ってるんじゃないか、と。
けど難しく考えれば考えるほどわからない。
自分探しを始めて、迷子になる典型的なパターンなのかもしれません(苦笑)

成功をイメージせよ・・・と言われてもイメージした成功に、イマイチのめりこむことができない。
好きなことをやれ・・・と言われても何が好きなのかわからない。
ワクワクすることをやれ・・・と言われてもワクワクすることっておよそ仕事とはかかわりのない事ばかり。
それっぽいセミナーに行くと、「自分の夢は?」とかかかされたりしますが、書いたものがイマイチしっくりこないんです。

 

この虚無感って、どこから来るのか、いつも不思議でした。

けど、ある時、ふと思ったことがあります。
そもそも、自分の思考って、現在が「ダメ」というところからスタートしてるんですね。
ダメだから、良くなろう。
そうやってどんどん焦っていくわけです。

すると、状況がちょっと良くなっても、自分をこう言い聞かせます。
「いやいや、まだまだダメだ」
ある意味、「自分の今はダメダメです」って自分を暗示にかけちゃってるみたいですね。
何かで見たアンケートの統計ですが、年収300万円の人も、3000万円の人もみんなこう思っているそうです。
「あと3割収入が増えたら楽になるのに」と。
みんな、今の状態に欠乏感を感じてるみたいですね。

とりあえず、未来にどうなる、という夢や希望を設定するのもアリだと思います。
ただ、考えてみたら私はそもそも「現在の虚無感」を何とかしたかったわけです。
その改善方法に、未来を引っ張り出してきてまた頭を抱えてたんですね(汗)

 

ところで、後継者は未来のリーダーです。
会社のことを考えると、たしかに自分だけとか、今だけ、とか言っていられないというのはまっとうな考えだと思います。
けどその未来のことを考えるのは、今の自分です。
これって、今の心理状態で随分左右されます。
悲壮感のある今の自分が考えた未来は、とっても狭い視点でしかイメージできません。
逆に、楽しげな自分が考える未来は、楽観的でちょっとやりすぎな大きな夢が見えるかもしれません。
どっちがいいか悪いか?と見ると、答えは難しいですが、どっちが楽しいかで選ぶとたぶん後者でしょう。

実は先日、そこそこの人数の人と、けっこうな大物の前で3分間プレゼンをしてきました。
そのデキは・・・サイアクでした。
私の発表は、スライドと話の内容はタイミングが合わない、何を言っているかわからない、そして人としてどうなの?という変なことを言っちゃってました。
もはや自己嫌悪しかないんですが、ふと思ったんです。

これって「ネタ」になるやんって(笑)

誰もが知る大物の前で、大失態やらかしたなんて話は、メチャクチャおいしいネタですよ。
にやにやしながらそんなことを考えてると、なんだか未来も明るく見える。

そんな状態で、ちょっとだけ練習してみるんです。
思考の練習です。

パム・グラウトさんの『こうして、夢は現実になる』には興味深いことが書いてありました。
「今まで考えたこともないことを考えるには、練習が必要」というニュアンスの内容です。

本書の中では、「毎日、新しいアイデアを3つ書く」という訓練をお勧めしています。
アイデアの内容は、実践してもしなくてもいいし、とんでもないばかげたものでも、大したものでなくてもいい。
だけど、毎日必ずそのことを考え、書きとめる習慣を作ることで、頭脳がそういう思考をする訓練になる、といいます。
すると、だんだん上手にアイデアを出せるようになってくるといいます。
初めは難しいのですが、だんだんと慣れてくるようです。

たぶん、これ、使えると思います。
たとえば、今日あったことで最悪と思えることを、「面白がる」としたらどんなとらえ方があるか?という意味の付け替えを毎日書いてみる。
今日が充実した一日と感じられる出来事を毎日書いてみる。
そして未来に対するアイデアだったり、思いついたことを毎日書いてみる。
そういう心の筋トレをすると、そういうクセがついてくるんじゃないかと思います。
私はまさに今日から、3つのアイデアを書き始めました。

 

こういったことを習慣化するのは、ちょっとしたコツがあります。
まずは、それをする場所、時間を決める。
そしてそこにはノートとペンを用意しておく。
あとは、何を(毎日すでに習慣になっている事)やったあとに、これをやる、と決めておくのです。
時間にして数分。
やるとやらないでは随分差が出るんじゃないでしょうか。

 

事実は一つですが、受け手によって意味は変わります。
後継者という立場が、ある人にとってはしんどい苦行に感じることもあれば、ある人にとってはすでに顧客のある状態の起業じゃん、と感じられることもあるでしょう。
それを「誰も自分の立場を理解してくれない」ととらえていると、どんどんしんどくなってしまいますね。
だからどんな状況であれ、その状態を「自分ストーリー」として楽しむことができたら、最強なんじゃないかと思います。
そんな練習、始めてみてはいかがでしょうか。

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画像提供元Arek SochaによるPixabayからの画像

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