一時は親の会社を継いで頑張ろうと思った後継者が、ある時、それをあきらめてしまいそうになることがあります。
具体的には、会社を辞めたという状態です。
仕事がイヤだとか、将来性が乏しいとか、もっともらしい理由を挙げがちですが、たいていは違うところに理由があります。
それは、自分が〇〇されていないと感じるからです。
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後継者が会社を辞めたい、と思うときはどんな時でしょうか。
・会社のために改革をすすめようとしているのに、誰もついてこない時
・会社を良くしようと何かを始めようとしているときに親から完全否定される。
といったことから、
・親が自分のことを何の相談もなしに決めてしまう、
・〇歳には引退すると言っていた親が、その歳になると「まだお前には無理」と引退を撤回する
・社員は自分を頼らず、親ばかりに伺いを立てる
・それに対して親は自分に相談もなく、勝手な指示を出す
ここで感情が乱されるのは、こういうことなんだと思います。
やれ二代目だ、後継者だと祭り上げられて、
いざとなったら自分のことをを全く尊重しない。
そんな思いが、後継者の気持ちをどんどん奪っていきます。
改革しようとする自分を尊重しないから、誰もついてこない。
会社を良くしようという自分を後押ししない親は自分を尊重していない。
親が自分のことを勝手に決めてしまうのは、自分を尊重してないからだ。
親が引退すると言ってしないのは、自分を尊重していないから。
社員が親にばかり伺いを立てるのは、自分を尊重しないから。
親が勝手な指示を出すのは、自分を尊重していないから。
ね、全部筋が通るでしょ?
ところで、人の感情というのは、こんな式が成り立つんじゃないかと思っています。
出来事×思い込み=感情
たとえば、同じ出来事にであったとしても、感情が動く人もいればいない人もいます。
それはその人の中にある思い込み(多くは過去の経験や記憶)によって感情が引き起こされるからです。
また、心理カウンセリングの世界でよく言われるのは、
「自分の感情は、自分の問題である」
ということです。
つまり、何かの出来事(外的刺激)の問題ではない、ということ。
だから、上にあげたような事実が起こったとしても、腹を立てたりストレスを感じるのも自分の選択であり、
まったく気にしないというのも自分の選択である、と言えます。
たとえば、「お前はまだ半人前だ」と言われて、がっかりする人もいれば、
「この人、自分のことわかってないなぁ」と余裕の人もいるってことです。
このことに気付かないと、どうしても「出来事」をコントロールしようとします。
自分を尊重する親になってほしい、
社員が自分のことを尊重するようになってほしい、
社員が自分のことを頼ってほしい・・・など。
まずはムリヤリ、そうさせようとします。
親の口をつぐんで、無理やり社員を従わせようとしたり(ルールや規定の強化)、
親を排除しようとしてみたり、親の周囲の評判を下げさせようとしたり。
それはうまくいかないことが多いので、結果として辞めたい、という思考に行きつきます。
けど、思いだしてほしいのは、この式です。
出来事×思い込み=感情
この式が正しいとすると、「思い込み」の部分を変えない限り、また違う形で問題はやってきそうです。
たとえば、会社を辞めることで、罪悪感や劣等感を背負ってしまうのはよくある話です。
結局親の期待に応えられなかった、自分はやり遂げることができなかった、という思いにさいなまれまた逃げ場を探します。
ある後継者が自ら命を絶ったのは、親の会社を辞めて数年してからでした。
私自身、過去を振り返ってみると、まさに「出来事」を変えようとし続けた半生だった気がします。
「尊重されていない」という思いは、「尊重されるべき」という考えから出てきます。
「尊重されるべき」という考えは、「尊重される必要がある」という思い込みから来るのでしょう。
後継者たるもの、尊重される必要がある、という考えだったり、
後継者として祭り上げたのだから、尊重されなくてはならない、という考えがあるのかもしれません。
お前ら、大変なことやらせてるんだから、ちゃんと協力しろよ、と言いたい思いがある可能性も否定できません。
なんだか、生贄というか、寒々とした光景ですね・・・。
この「生贄」という言葉、強烈ですがなんとなくしっくりときませんか?
自分は会社の存続のために、自分を殺して仕事に打ち込む宿命なのだ・・・なんていう自己犠牲的な感じ。
この「思い込み」こそが、私たち後継者のイライラの根っこにあるものかもしれません。
さて、こういった思い込みを解くのは、まず、思い込みそのものに気づくことから始まります。
ここまで読んでいただいて、「そうそう」とうなずく内容だったとすれば、ここまではクリアです。
あとは、イラっとしたときに、そのイラっとする感情の根っこを辿るクセをつけてます。
「ああ、尊重されてないからイラっとするんだ」とわかると、それだけで冷静になることができます。
そして自分の中にある「尊重されるべき」という思い込みを、こう書き換えるように意識してみます。
「別に、他人に尊重されなくても、いいんじゃない?」と。
自分で自分が認められれば、それでいい、と。
そんなことを言っても、現実は何一つ変わらないじゃないか、という人もいると思います。
しかし、尊重されるべきと気張ったって、上手くいかなかったんですからおんなじじゃないですか。
1つ予言をしておくと、自分で自分を尊重できるようになれば周囲の人は、あなたを尊重するようになるはずです。
人から見ると、それが根拠のない自信(これ、最強!)や、物事に動じない強さを身に着けたように見えるからです。
今日のお話を、すごーくシンプルにまとめると、
「尊重されていないと感じたときは、自分で自分を尊重しよう」
ということです。
良かったら試してみてください。
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