後継者

家業を継ぐ後継者・跡継ぎと親の面倒をだれが見る問題

今日のお話は特段の結論を示せる話ではないのですが、いろんなところで噴出する難しい問題について考えてみたいと思います。
それは、親の面倒をだれが見る問題です。
そしてそこに、家業が絡んだりすると余計にややこしくなります。

常に長男がふさわしいわけでもないし、かと言ってないがしろにするわけにもいかないし、難しい問題です。


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ある家庭では、長男=サラリーマン、長女=親の仕事を継いでいました。
元々の話では、長男は「親の会社を長女に押し付けてしまった」ことに反省していると言います。
そして、親の面倒ぐらいは、長男である自分が見る、と常々言っていました。

そんな矢先、母が病気で逝去。
父は一人暮らしとなりました。
はじめのうちはそれもいいか、ということでしたが、だんだんと父の高齢化に際して独り暮らしをさせていることに不安を感じるようになりました。
そこで、長女は軽費老人ホームというところを探してきて、父に入居を勧めました。

これは原則、自立した生活ができる人が入るための施設。
しかし、頑固な父はそこに入りたくないと言います。
長男はそれを聞いて、「可哀想」といい、反対します。

じゃあ、長男に「父の近くに住んでフォローできるか?家に引き取れるか?」といっても「それは出来ない」という。
けど、ホームに入れないでやれ、とのこと。
結局半ばムリヤリにホームに入れた結果、父は健康的な生活で、また友人もできて元気になりました。

何が言いたいかというと、長男は結局何もしない、という話です。
親の会社も手伝わず、親の健康のために必要な決断もしない。
世間体ばかりを考えて、本質的な事と向き合おうとしない。

唯一の幸いは、会社の事に口を出さないことぐらい。
これだって、何か大掛かりな変更をすれば、何を言い出すかわかりませんが。

 

難しいな、と思うのはイマドキは「兄弟は平等に」なんて言う話があります。
きっとこの家庭は父が亡くなると、相続問題でひと悶着おこることでしょう。
そこに対して、父は一向に遺言なども準備する気配はないようです。
色々大変なものを引き継ぐ長女の前にはなかなか課題が多い。

親の会社を継がないとか、継ぎたくない、という背景にはこんな問題が潜んでいることを感じ取っているからかもしれません。
一昔前の事業承継も決して楽ではなかったと思うのですが、良くも悪くも長男が良いも悪いも引き継ぎ、弟や妹はそれに従うという空気があったように思います。
近年はそういったヒエラルキーが崩れて、兄弟が平等と言われることによって、争いが増長されている一面もあるように思います。
ここは難しいところですね。

そういう意味では、後継者・跡継ぎは兄弟のなかでも「いい思いをしている」という思い込みを受けてその立場にいることも少なからずあるでしょう。
事実はどこにあるかは別として、やっかみを受けながら、それでも素直に生きていくという精神鍛錬が必要。
大変ではあるのですが、人としての成長はとても促されるポジションではないかと思います。

 

 

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