後継者

事業承継における後継者が経営を学ぶことのメリットとデメリット

経営者、つまり社長と専務には果てしない隔たりがあると思っています。
特に小さい規模の会社であれば、社長にお金について、人事権について、その他会社の方針について、絶大な権力が集中している事がほとんどです。
そして、親子経営の後継者はたいてい割と短期間でその約につくよう言われることもあります。
来年には、代を譲る…なんていう風に。(ただ、実際にはそのタイミングで代替わりすることは殆どないのですが)
そこで私たち後継者は、見えない「経営」について誰も教えてくれないし、誰にも聞けないので何とか学ぼうとします。
本屋セミナー、経営者団体への参加です。
ただこれが、実は事業承継がうまくいかなくなるハードルになることもあるのです。

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後継者の学びの原動力

事業承継における後継者のゴール

多くの人は自覚していませんが、親子経営における事業承継のゴールは、「後継者が自分が認められること」と設定されていることが多い。
自分での意識は、会社の事業承継を成功させ、会社を発展させること、という風に考えていることがほとんどだと思います。
しかし、その先を見てみると、それが何のためかというと、自分が認められるため、という事にたどり着くことが多い。
実は様々な後継者、それも経営継承がうまくいっているかに見える後継者も、どこか沈んだ表情をされる方が多いのです。
それはなぜかと深堀していくと、「どれだけ頑張っても、自分が認められたという実感がない」という事が出てくるようです。

後継者が認められるために…

表に出ない目標を後継者がもっている。
そういった前提で見てみると、後継者が勉強熱心なことも理解できます。
なんとか認められたいという一心で、経営を上手くやりたいという動機がある。
そしてそのためには、経営を一生懸命学ぶ。
一方で、経営について先代が何も教えてくれないとすれば、それは強い不満のネタになります。

わたしに関して言えば、先代に教えてもらえるというのははなから諦めていましたから、社外で勉強しました。
ビジネス書を買い込み、セミナーに行き、経営者団体に行って、いろんなことを学びました。

後継者が学ぶことのデメリット

自分はこんなに学んでいるのに…

このように、独学で後継者は学び始めます。
そして、先ほど申しあげたとおり、後継者の最終目的は認められること。
この「学び」の過程も、認められたいのです。
しかし現実は、だれも後継者の学習意欲に関心を示すことはありません。
むしろ先代は、後継者が学んで取り入れようとすることに反対意向を示しがち。
すると、認められたいという思いは満たされず、学べば学ぶほど、先代との精神的距離は広がっていきます。

さらに、自分はこんなに頑張っているのに、従業員は今まで通りで進化がない。
そんな中で自分一人が勝手にはしっているような感覚に陥ります。

学ぶことそのものがデメリットというわけではありませんが、自分は学んでいるのに、という自負が周囲とのギャップを産みだすという意味ではちょっとしたデメリットとなる可能性があります。

後継者はどんどん先代の感覚と離れていく

さらに言うと、先代は経営のことをどの程度わかっているのでしょうか。
多くの場合は、感覚的に経営をしてきていることが多いと思います。
だから、やってきたことを論理的に分析するとか、言語化するというのは非常に苦手。
経験的な話が中心になるのが先代です。

一方、きっと先代は後継者が一生懸命勉強していることを横目で見ていると思います。
けど心配しているのは、頭でっかちになり、現場をおろそかにすること。
そしてたいてい後継者は、経営論を学ぶと現場を軽視しているような提案を社内にぶち上げることが多い。
例えば効率化のために顧客を選別しようとか、層別化しようとかいう話だったりします。
経営理論の世界では当たり前なのですが、現場感覚からはかけ離れた話が飛び出し、そんなカルチャーショックと後継者とのギャップが、相手を刺激しがちです。
そしてお互いが解りあえない存在、と感じるようになってくるのです。

社員も同様で、冷たく感じる経営理論に後継者が傾倒するほどに、自分の立場が危うく感じられるシーンも増えてくるでしょう。
結果として、社員との距離感もどんどん離れていくことが多いのです。

後継者が学ぶことのメリット

先代を超える一歩

後継者は先代を越えたい、と思うでしょう。
そして先代は経験則で経営をしている。
経験で後継者は勝つことができないので、実証された理論を取り入れる。
これは非常にもっともな話です。

もちろん、勝ち負け、という考え方はどうかと思いますが、どこで勝負するかは考えたいところです。

実際のところ、後継者は学んでいることを認められたいがために、他者にマウントをとろうとしてしまいがちです。
これぐらいは当たり前だから、皆も学べ、的なニュアンスだったり、
こんなことも知らないのか、という考えだったり、
誰よりも自分が正しい、という思い込みは危険です。

そういったものを排除した形で、フラットな知識として経営論を学ぶのはとても重要なことです。
さらに、「間違うことを恐れない」という事とセットで考えるとより良いのではないかと思います。

ぜひ検討して見て頂ければと思います。

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