数十年選手の会社が賞味期限切れを起こしているのは、
なんとなく感覚として理解できると思います。
とはいえ、それをどこから手を付けていいかわからない、という後継者は多いのではないでしょうか。
そんな時、会社を変化させるアイデアのきっかけをつかむコツをお伝えしたいと思います。
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Contents
今の会社は「何を中心に回っているか?」を考えてみる
「競争」のし烈化は会社変革の合図
同族経営の会社の後継者として会社に入る。
危機的状況ではないとはいえ、売上(というより利益)の減少が見て取れる。
社内では、ライバルを横目に見ながら、いかにしてライバルに勝つか?
ライバルとどのような差別化を行っていくか?
そんな会話ばかりが繰り広げられているとすれば、その業界は安定期を過ぎて衰退期に入っているかもしれません。
別の業界を見ても明らかですが、価格やサービス競争を行った末、そのビジネス自体が消えて行ったり、「オマケ」扱いになる事も多い。
こうなり始めると、その業界では利益が上げにくくなっていて、再起も難しい状態となっていることが多い。
そうなると、会社の方向性をちょっと見直したほうがいいタイミングかもしれません。
会社の中で交わされる会話
どこか閉塞感のある業界にいるとしたら、ちょっと社内で交わされる会話に注目してみてください。
ほぼ例外なく、こんなことが起こっているのではないでしょうか。
・商品を中心とした会話が多い
・商品をいかにお客様に売るかがテーマ
・商品の良さを顧客が理解できないことへの嘆き
・他社がやっている事の批判
・自分たちの正しさについて確認しあう
良くも悪くも、私たちは自分たちの商品にほれ込んでいるのだと思います。
そのほれ込んだ商品を、いかにして広げていくか?
と考えるのは、一見、健全な思考と言えそうです。
しかし、業界として衰退を始めるとか、会社がうまくいかなくなり始めると、ますます商品信奉を強めがちです。
そこで抜け落ちてしまうのが、「顧客」の意向です。
いやいや、うちは顧客本位でやってるよ、と全否定されるかもしれません。
もちろん顧客に対して誠意をもって接している事だと思います。
しかしなぜか、「顧客は本当はどんな価値を求めているのだろうか?」という議論がなされていることは意外と少ないのではないでしょうか?
プロであるという意識が生み出す奢り
皆さんそれぞれに自分の業界や、商品に関するプロです。
その意識はもちろん大事なのですが、プロが考える正しさを顧客に押し付けることしかしないとすれば、ちょっと微妙な感じがないでしょうか。
たとえば、マイカーを買いに自動車ディーラーに行って、欲しい車を指名しても「あなたにはその車ではなく、こっちのほうがあっています」なんて言われたらウザいだけです。
顧客より商品やその活用に関する知識があるから、自分たちの価値観を押し付けてしまいがち。
それ自体は、職業倫理という意味で大事なのかもしれません。
しかし、専門家として上から語るのではなく、顧客が自然と正しい選択ができる工夫って、できないものでしょうか。
私たちは、そういった工夫を欠いていることはないでしょうか。
正論を吐くことは大事ですが、知らず知らず顧客が正論に近づける工夫をしているケースはまだまだ少ないものです。
会社の思考から抜けているもの
色々と書きましたが、何が言いたいかというとこういうことです。
顧客にとって、あなたの商品やサービスは、数ある選択肢の一つです。
そして、その選択肢というのは「手段」に関わる選択肢です。
つまり、あなたの商品を買うことが、顧客にとっての最終目的ではないということです。
何かの目的があって、それを達成する手段としてあなたの商品やサービスを買うわけです。
とすると、私たちは、その顧客の「目的」にフォーカスすると、何かが見つかるのではないでしょうか?
会社は顧客のどんな「目的」達成のお手伝いをしてきたか?
会社のルーツを探る
同族企業の後継者の場合、一度はやってみてほしいのが会社のルーツを探るということです。
社史を紐解くとか、先代に話を聞くとか、できる範囲でOKです。
その時々において、商品やサービスによって顧客の目的達成のお手伝いをしてきたはずです。
その顧客の目的が何であったか?
これを想像してみるのです。
すると、今、手持ちの商品で顧客の何を達成するためのお手伝いをしているのか?
どんな世の中をつくろうとしているのか?
が明確になりやすいと思います。
事業として成立している以上は、何かしらの顧客にとって喜ばしい結果を提供しているはずです。
こんどは、その顧客の目的達成のために必要な商品サービスは、今の時代に照らせばどんなものがあるだろう?と考えてみます。
社内の会話を変えてみる
これまでは、「〇〇という商品を販売するにはどうすればいいか?」という問いを社内にしてこられたのではないかと思います。
社員はみんな、きっと商品を売り込む先を見つけ、売り込む方法を考えているんだと思います。
これを、「そもそもお客さんは、私たちの事業を通じて何を目指しているんだろう?」
「お客さんは、どんな時に私たちの商品を必要とするのだろう?」と、主語を顧客に変えてみます。
できれば、社内会議ではできるだけ徹底したいところです。
初めは何も見えないというか、会議でもなかなか話は盛り上がらないことが多いのではないかと思います。
それはやっぱり、過去の思考のクセが影響しているのだと思います。
こういった、考え方や、ものの見方の前提を社内全体で替えていく工夫が大事になってきます。
たとえば、元トーマツイノベーション、現白潟研究所の白潟敏朗氏は面白いことをおっしゃっていました。
氏は、「コキャスタ」を社内に浸透させよう、と提唱されました。
コキャスタとは「顧客からスタート」の略。
で、会議中でも「その意見は、コキャスタじゃないよね」とか、「この行動はコキャスタといえそうだ」とか使いまくる。
思考の習慣を変えるのに、言葉から入ろうという試み。
お遊びのように感じるかもしれませんが、そういった軽くて、思い起こす頻度が高いことが社内的にとても力になる事が多いと思います。
小さなテストを繰り返してみる
社内の意識が変わり始めると、日常会話の中で冗談めいた話の中に、ヒントと思えることがいくつか出てくることがあります。
一見実現不可能と見えそうなことが、実は、発想を変えれば実行可能なことと思えることも随分出てきます。
多くの場合、自分で「今の会社でそれはできない」という制限をかけてることが意外と多いものです。
別に、いきなり会社のリソースをすべてつぎ込むようなリスクを冒さなくとも、小さなテストはできないか。
そんな風に考えていくと、「ああ、これならできるかも」という方法が出てくる可能性はあります。
顧客の意向は、正しくつかんでいるつもりでも、本当に正しいかは実際にやってみなければわかりません。
ありがちな話ですが、「こんな商品があったらほしいと思いますか?」というアンケートをとって、実際に開発してみたらさっぱり売れなかったというのはよくある話です。
積極的に欲しいと思わなくとも、欲しいかほしくないかと聞かれれば「あったほうがいい」と答える顧客は多いものです。
ですから、本当に買いたくなるほど欲しい商品か、本当に欲しいサービスかはテストしないとわかりません。
「これだ!」と思ったことは続けてみる
ある資料で見かけたデータがあります。
その企業は、誰の眼から見ても明らかな衰退産業。
しかし、そこである商品を開発し、21年前に売り出しました。
当時は、1か月で売り上げは約10万円だったといいます。
しかし21年後の現在、年間約7,000万円を超える売り上げに成長しているそうです。
その間には、色々と工夫をしていったのだと思いますが、いきなりうまくいくことばかりではありません。
むしろうまくいかないことのほうが多い。
そして、上手くいかないと、
顧客はこの商品に対してどう感じているのか?
顧客は本当にこういう商品を望んでいるのか?
といったことに真剣に耳を傾けるようになります。
さすがに結構しんどいと思います。
見えないものを手探りで探している状態でしょうから。
しかし、そういうスタンスでいることは、その商品とは違った気付きを得るきっかけにもなるかもしれませんし、その商品の改善点に気づくきっかけになるかもしれません。
そういう意味では、何かしらの商品やサービスを小さい規模でも世に出してみる、というのは会社としてとても大事なことじゃないかと思います。
後継者と会社がともに成長する方法
たくさんの小さな〇〇を積み重ねる
何か愛着のある商品を創り出すと、それが売れなければ必死になって考えます。
既存の商品を売るだけとは違う真剣度ではないでしょうか。
そうすると、だんだんと顧客のことがわかるようになります。
また、商品をリリースすることで、世のニーズを知ることができます。
しかしこれらは、頭の中でのシミュレーションではなかなかできるものではありません。
そして大抵はすぐには売れないので、改善の過程が入るわけで、これはやらなければわからないことです。
そういう意味では、やはり世の中でいう「失敗」をたくさん経験することがやはり大事なのだと思い知らされます。
失敗は、成功につながる道筋を少しずつ明らかにしてくれます。
だからこそ、後継者は小さな失敗をたくさん積み重ねる必要があります。
それは、失敗し始めた私が、とてもリアルに実感していることです。
前に進むための小さな失敗を、どれだけ積み上げたか。
これが将来の後継者の価値を作り上げるのではないでしょうか。
【たむらの日常】
昨日、YouTubeのVLOGでお伝えした、ちょっとホラーな話。
↓詳しくはこちらの動画をご覧ください。
警備会社のセコムさんに電話したところ、さっそくお越しいただき、点検していただきました。
大阪は台風の被害でお忙しいようですが、昨日の電話で今日の訪問ですからありがたいです。
色々とチェックはしていただきましたが、小動物のフンも見つからないので、機器の不良かもしれない。
ということで、センサーの取り換えをしていただきました。
さて、これでしばらく様子を見てください、とのことでしたが果たして誤発報はなくなるのでしょうか。
こうご期待!
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