処世術として、「自分が我慢すれば物事がスムーズに流れる」という思いで、我慢をしていることはないでしょうか?
あるいは、自分の体や心の痛みをあえて見ようとせず、そんな甘え心ではいけない、と自分を必死に鼓舞して働いていないでしょうか?
もちろん、仕事に一生懸命になることは大事です。
しかしそのために、自分の心や体を犠牲にするのは本末転倒です。
自分を大事にできない人は、人を大事出来ないし、
人を大事にできない人が、お客様とのつながりをつくることができるでしょうか。
まずは、自分の痛みを無視しないよう気を付けてほしいと思います。
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Contents
この程度では休んではいけない…という呪縛
自分への厳しさ?
後継者・跡継ぎ・二代目社長にありがちな心理状態として、こんなものがあります。
自分は会社を率いる立場なので、ちょっとやそっとで休んではいけないとか、自分がいないと会社が回らないとか、そんな思いじゃないかと思います。
私自身、たとえば熱が40℃あった時も、休む決断ができませんでした。
私的には、親に「それぐらいで休むなんて…」なんて言う風に思われるようで嫌だったと思います。
もちろん、冷静に考えてみればそこまでのことは言わないのですが、なんだか親に責められるような気がして休めなかったんです。
幾つかの病気も経験しましたが、出来るだけ会社を休まないようにしました。
子どもの運動会の時も、会社を休まないようにしました。
ほとんど強迫観念のように、会社に行きました。
これは自分を律する、という事なのかというとちょっと違っていて、休むのが怖かった、というのがあります。
私のようにたいして仕事で貢献できていないなら、せめて毎日会社には欠かさず行かねば。
そんな思いでしたから、結構しんどかったように記憶しています。
痛みを感じない身体
そんな状況が続くと、不思議なもので身体は痛みを感じにくくなるようです。
ある時、歯が痛くなって歯医者に行くと、「よくこんなになるまで我慢したね」と言われます。
肩こりがひどく、整骨院に行くと「ここまでひどいのは初めて」と言われます。
そこそこの病気も、気が付くまでにずいぶん時間がかかったりもしました。
なにしろ、どうせ会社を休まないなら、しんどくてもそれを感じないようにする方が楽なわけです。
ということで、無意識に痛みに対する神経を鈍化させていたんじゃないかと思います。
痛みはあなたの生き方のずれを示すシグナル
動けなくなった友人
ある友人である二代目経営者は、恐ろしいほど精力的に働いていました。
東京にいたと思いきや、翌日には大阪にいて、その夜には九州にいるような生活。
その人があるとき、病気になり動けなくなってしまいました。
その時言っていたのは、「あれだけ動き回るような働き方がいつまでもできるとは思っていなかった。病気で動けなかったのを機に、やっとその生活を改めることができた」という事。
彼は病気になり、倒れたことで行き方を変え、今は実は会社は以前より大きくなっています。
なぜかというと、自分一人でやっていた仕事を社員さんに任せていったからです。
しかし、彼がそのことに気付かず退院後また同じ生活をしていたら、もしかしたら彼の寿命はだいぶ短くなっていたかもしれません。
病気はシグナル
例えば私の場合でも、ある時期とてもしつこい肩こりや五十肩に悩まされていました。
何度か整体にも通いましたが今一つよくなりません。
1年ほどいろいろ試してみても一向に良くならなかったので、あるタイミングで考え方を変えて、仕事への取り組み方を変えました。
具体的には、それまでは周囲の期待に応えようと必死だったのですが、その時から気を付けたのは、自分らしくあろうという事。
やりたい事だけやる、と言ってしまうとお気楽すぎるような感じですが、絶対やりたくないことはやらない方向感でいろいろ調整を始めました。
そして言いたいことはとりあえずいう(かといって、結果を期待せずに、ですが)とか、自分の弱い部分(例えば不器用な事)も恥ずかしげもなくさらけ出すとか、そういったことを少しずつやってきたら、気が付けばほとんど肩こりはなくなってしまいました。
私自身の例やその他の友人知人の例を見ていると、病気をきっかけに生き方を変える人がとても多い。
そしてそれができた人はその後元気になっていきますし、そうでなく病気が治ったら元通りの生活に戻る人はさらに大きい病気がやってきているように見えます。
各省のない話ではありますが、そのような傾向はあるように私は感じています。
自分の本心に気付き表現する
後継者・跡継ぎ・二代目社長にとっての仕事
後継者・跡継ぎ・二代目社長であるみなさんにとって、仕事の位置づけはどういったところにあるでしょうか?
仕事は大好きですか?それは本当ですか?
家族をないがしろにしてまでも仕事をしたいですか?それは本当ですか?
もし仕事にそこまで熱中できないとすれば、何に熱中したいのですか?それは本当ですか?
いろんな問題を自問自答してみてください。
今までは気づかなかった自分の本心に気付くかもしれません。
私たちは、痛みに気付かないよう生きているのと同様、自分の本心も見ないようにしている可能性が高いのではないかと思います。
なぜならば、自分の本心を知ったところで、本心に従って生きることは出来ない、と思い込んでいるからです。
それこそが、後継者・跡継ぎ・二代目社長にありがちな、人間が小さく見える原因ではないでしょうか。
先代に比べて線が細いと言われたとしたら、実はそれは自分の人生を生きていない証なのかもしれません。
自分の本心を気づかない=自分をないがしろにしている
後継者・跡継ぎ・二代目社長が自分の本心に気付かないのは、自分をないがしろにしていることに他なりません。
自分の考えより世間体、自分の考えより親、自分の考えより他者からの評価。
そういったものを軸に生きているので、「自分」がどんどん小さくなっていきます。
すると存在感としての線の細さとして表に現れ、カリスマ性はどんどん失われていくのです。
後継者・跡継ぎ・二代目社長がはじめにすべきこと
この項目に関して、私たち後継者・跡継ぎ・二代目社長がなすべきことはシンプルです。
自分の心から湧きあがる感情をまずは、「自分は今、腹が立っているんだな」「自分はこういわれるのが嫌いなんだな」「自分はこういう仕事って嫌なんだな」と認め、言語化することです。
まずはこういった本音を受入れると、自分は自分に受け入れられている、と感じやすくなります。
そうやって自分の想いをまずは受け止めると、だんだんと、いわゆる自己肯定感が高まります。
それは自信となり、自分の本当の力を発揮しやすくなるし、個性も発揮しやすくなります。
そしてここからが本当の後継者の人生の始まり、と言っても過言じゃない状態に入っていくはずです。
まずは抑え込んだ身体の痛み、心の痛みに気持ちを向けてみましょう。
その痛みがあることを知り、自分を労いましょう。
そして自分を大事にすることから、他人を大事にすることが始まるのです。
つまり、経営者としての一歩は自分を大事にすることから始まるのです。
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