非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(13)人にもまれる経験をしよう

色々と俯瞰してみると、後継者・跡継ぎ・二代目社長の悩みの多くは人間関係からもたらされます。
こう言うと、「いやいや、自分は単に自由に経営したいだけだ」とおっしゃる方もいるかもしれません。
しかしそもそも、その自由を阻害しているのは人との関係であり、その調整がうまくできていないという事になります。

さらに言うと、私たちは、後継者・跡継ぎという立場を盾に、「みんな自分の言う事をきくべきだ」という考えを前提にしているのではないでしょうか?
しかし、地位が上がったからと言って、地位が人を動かすというのは残念ながら幻想です。
人は、感情が伴って初めて動き始めるのです。
それができていないから、自由を得られないのではないでしょうか。

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後継者はなぜ人との関係につまづくのか?

事業承継で起こるクーデターの本当の理由

親の会社を継ぐ後継者・跡継ぎは、社員とのコミュニケーションがうまく行かない経験をすることが多いのではないでしょうか?
例えば、自分が思ったように動いてくれないとか、何度言ってもわからないとか、温度差があるとか、風見鶏的に先代と自分の間を行ったり来たりして信用できないとか。
表面的にも、事業承継で世代交代を行った中で、社員からあからさまな反発を受けたり、クーデターが起こったり、大量退職が起こったりすることもあるでしょう。
そして本丸は、先代との人間関係。
元々親子関係が悪かった人もいれば、一緒に仕事をする中で悪化する人もいますが、これも人間関係の一つ。
これらの何一つ経験がない、という後継者・跡継ぎはきっとこの問題とは無関係なのかもしれません。

さて、こういった問題を、私たちは「方向性の違い」という言葉で片づけがちです。
音楽のバンドなどもよく方向性の違いで解散したりしますが、実は方向性の違いがあり、対立する意見があったとしても、その中で折り合いをつけた新しいものを生み出すことは可能なことが多いような気がします。
実はそれも、本質的には人間関係の悪化があるのではないでしょうか。

反対意見はアイデアを磨く

本来的に、何か一つのアイデアや方向性が打ち出された時、そこに対する反対意見はそのアイデアの穴を浮き彫りにしたり、問題点への事前の対処に役立すはずです。
きっと誰もが頭ではそれを理解できるのですが、反対意見が出た途端こちらも感情的になったり、慌てて火消しに走ると言ったことをしがちだとすれば、それはどう見ても過剰反応。
それは何が何でも自分の意見を守るぞ、という風に意固地になっている可能性が高いと思います。

そして自分が意固地になると、周囲の人間の意固地さが目に付くようになります。
他人は鏡と言いますが、まさに私たちの周辺が「わからずや」ばかりになったとしたら、疑うべきは自分の意固地さです。
しかし人はそういった自分の弱さを直視したくないため、他人のせいにします。

話を元に戻しましょう。
反対意見は本来、アイデアを鍛える大事なもの。
独りよがりのアイデアは、物事を一方向からしか見ていないので、問題点に気付くことができないのです。
そもそもリーダーとして長く会社を引っ張っていくには、自分が全て決めてそれに従わせるというトップダウンスタイルは、なかなかうまく行かない時代に入っているので、違うスタイルを検討すべき時代に入っています。
きっと後継者・跡継ぎの人は、「先代のやり方は古い」と思っている人が多いと思いますが、気が付けば自分も同じことをやっているというのは良くある話。
反対意見を受入れる度量を持っていただきたいと思います。

人間関係にもまれることで知ること

後継者・跡継ぎが苦手なこと

全ての人とは言いませんが、悩みを持ちがちな後継者・跡継ぎの人は、人間関係に対して不器用なところがあるように思います。
分かりやすい人見知りの人もいれば、表面的にはうまくやっているように見えて実は内面的には人に心を開いていなかったり、そもそも他人に関心のない人も多い。
こういった人間関係は、学生時代であればそこそこうまくやり過ごせるのですが、人を使い使われ、という関係性の中では途端にうまく行かなくなってしまいます。
後継者・跡継ぎの人たちとの会話の中で、「社員さんと会話はありますか?」と聞いて、「けっこう話をしてますよ」という人は多い。
けど、社員さんの人間性や生活の様子について、しっかりと話を聞いている人はかなり少数派です。

しかし、人はその人の持つバックグラウンドを知らなければ、お互い心がつながることは出来ません。
そしてつながらなければ、その人のために働こうとは思いません。
結果として、お金だけの関係になって、いつも給与に不満を持つ社員ができたり、
義務としてだけ働く、明朗さのない社員ができたり、
惰性で働くやる気のない社員ができたりします。

ほとんどの後継者・跡継ぎの悩みは人の関係からもたらされます。
そのためには、まずは社員を受け入れることから始めなければなりません。
そしてそのためには、人のよい部分もそうでない部分も受け入れる度量が必要となります。

「無難」を目指すところから「どっぷりつかる」へ

社内の人間関係の問題を無効化する最もシンプルな方法は、人間関係を受容することです。
違う意見がある人がいるなら、それをしっかり聞く。
そのうえで、その意見を採用するかどうかは別ですが、その意見が大事なものであるという形で扱う。
必ず俎上にあげるという事です。
仮にその意見が私たちにとって稚拙なものだったとしても、しっかりと尊重して、場合によっては実行に移すことも必要です。
なぜかというと、私たちが見落としている点があるかもしれないからです。
どんなに稚拙に見える意見も、やってみて経験してみないとわからないことがたくさんありますし、単にモノの見方が違うだけで稚拙と決めてしまうにはもったいないものも多いのです。
逆に私たちが、頑固に自分の意見に固執するから他人の意見が稚拙に見えてしまうというカラクリがあります。

ところで、人間関係に不器用な人はたいてい、自分の本心を隠して常にぶつからないよう安全地帯を歩く癖があります。
そうすると、本質的な人との関わりとは少し遠い場所をぐるぐるしているばかり。
だから是非、どっぷり人間関係に浸かる事を意識してみてほしいと思います。

社内でいきなりそれが難しいなら、外部のコミュニティの参加でもいいと思います。
少人数でもいいので、深くつながるようある意味無防備に人付き合いをする訓練をしてみてはいかがでしょうか。
そうすると、徐々に人との付き合い方というか、自分の個性が見え始めてくるはずです。
意外な自分に出会うかもしれません。

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非常識な後継者50の心得(0) はじめに 目次

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