非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(6)意見の対立があるからと言って敵ではないことを知ろう!

意見が違う=敵
議論を戦わせるという習慣をあまり持たない日本人は、どうしても違う意見をぶつけられると自分が責められているような気分になりがちです。
責められていると捉えると、それに応じるのはまさに応戦。
闘ってしまうのです。

親子の確執が起こるキッカケとして、意見の違いがありますが、それぞれ違う意見を持っていることは決して悪いことではありません。
逆に後継者の多くは、「先代である親の廻りはイエスマンばかりで組織として機能していない」と主張されますが、後継者自身もまた自分の周囲をイエスマンで固めようとはしていないでしょうか?
親の意見を完全否定し、自分の言う通り動いてほしいと考えているとすれば、まさにイエスマンだらけにしたい思いのあらわれです。

ある研究によると、一つの意見は反対意見を含み議論を行った先に、その内容が熟していくという傾向があるようです。
そういった前提で周囲を見てみると、私たちは「自分の廻りは敵ばかり」という思い込みから抜け出せるのではないでしょうか。

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後継者の周囲は敵ばかり?

イエスマンで固めた先代の布陣

後継者の主張で、「先代の廻りはイエスマンばかり」という話をよく伺います。
どちらかといえば、頑固(強い意志を持っている)で、言葉や勢いの強い傾向のある先代社長に逆らえる人はいないことが多いようです。
私の父もまさにそんなタイプで、いつも忙しく、誰かが意見を言うとか、是非を問うとかいったスキがまったくなかったように思えました。
実際は、意見すればそれを聞くくらいの度量はあったと思うのですが、それさえ許さないほど忙しくしていたように思います。

極端な事例では、まったく意見に耳を傾けさえしない先代社長の話もよく伺います。

こうなると、社員にとっては社長に意見するなどリスクしかありません。
社長の意にそわないことをいって、雷を落とされればたまったものではありませんから、あえて異を唱えることなどないでしょう。

後継者と先代社長の思いの違い

多くの場合、後継者と先代社長は少なからず違う意見を持っている傾向があります。
有名な大塚家具の事例で言えば、先代の顧客の絞り込み路線を、もっと開かれた顧客へ解放しようとする後継者の考えとが真っ向から対立しました。
あの事例に限らず、ヤマト運輸、ユニクロ、星野リゾートなど、先代と後継者の意見が対立するケースは枚挙にいとまがありません。
むしろ、意見対立が起こるのが当たり前、といっても過言ではないと思います。

そうなった時、自分とは違う意見である先代と、先代社長の取り巻きのイエスマン陣営を、後継者にとっての大きな壁と感じることは少なからずあるでしょう。
後継者の意見は自分一人。
そして先代社長と取り巻きとの戦いが始まるわけです。

この前提においては、意見の対立=敵である、という事があるのではないでしょうか。
仮に会社を成長させたいという思いが合致しているならば、実は、意見が対立しているだけで別に敵視する必要はないのではないでしょうか。
なぜ意見が対立する人を敵視するかというと、私たち後継者はイエスマンだけで経営したいと考えているからではないでしょうか。

対立意見を出す人を敵と見るか〇〇〇とみるかがカギ

折衷案という解決策

かの大塚家具の事例で考えたとき、たとえば、まともに親子の話し合いができたなら、こんな解決策も出たかもしれません。
別会社なり、社内ベンチャーとして、後継者の戦略をテストしてみる、ということ。
決して難しいことではないはずです。
ここから先は想像ですが、あのケースではお互いが敵味方という考え方で動いており、つまり、相手を打ち負かすことを目的に闘っていたのではないでしょうか。
だから、相手の意見が残ることそのものがもはや「負け」だったのかもしれません。

勿論このような単純な折衷案だけでなく、反対意見があることでアイデアが磨かれるという状況は間違いなく起こります。
イエスマンだけではわからない問題点が指摘され、それを解決することでアイデアが磨かれていきます。

たとえば、スペースシャトルのチャレンジャー号の事故は、事前にあるエンジニアがその可能性に気付いていたと言います。
しかしその意見が重要視されず、考慮されなかったため事故につながったという見方があるようです。
イエスマン人事はまさにそんな問題発見ができない状態を作りますが、反対意見を受入れる風土があれば様々な事が未然に防ぐことができる可能性を秘めています。

反対意見を害とみるか益とみるか

ここから先は、起こっている現実をどうとらえるか、という話になります。
先に見たとおり、実は反対意見というのは、一つのアイデアを成功にうつす際のとても大事なエッセンスと言えます。
しかし、私たちにそれを受け止めるゆとりがなければ、反対意見が出た時点でそれその物がトラブルに感じられ、その反対意見を出した相手は敵に感じられがちです。
けどそこの見方を変えれば、彼もまた同じ目的を共有していて、そこに至る道として自分なりの考えを持っていると捉えることも出来ます。
彼らを敵とみるか、協力者とみるか。
たったそれだけの違いで、会社という場の在り方がずいぶん変わるのではないでしょうか。

後継者にとっての反対者は、協力者である。
それも、攻撃されるリスクを乗り越えて反対意見を伝える、かなり強力な協力者。

そんな風にとらえ直すと、違った風景が見えてくるのではないでしょうか。

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