後継者の選択肢 顧客を見るか?先代である親を見るか?

人はリスクと思いを天秤にかけて、行動するかどうかを決めます。
親の会社を継ぐ後継者にとって、行動の元になる「思い」という物はどんなものがあるでしょうか。
そして後継者にとってのリスクというのはどんなものがあるのでしょうか。

今日はそんなことについて考えてみたいと思います。

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後継者が感じるリスクと思い

後継者にとってのリスクの本質

リスクというマイナス要素と、思いというプラス要素の足し算でその人の行動が決まるとしたら、親の会社を継ぐ後継者にとってはどんなリスクとどんな思いがあるのでしょうか。
まず、リスクについて考えてみたいと思いますが、私たち後継者がもっともリスクとして認識しているのは…
・借入金を背負うこと?
・会社の経営が窮地に陥ること?
・自分の将来が見えなくなること?
多分色々出てくると思うのですが、実はそこを深読みすると、「自分のメンツを失うこと」なのではないでしょうか。

「メンツなんて、気にしてない!」と思われる後継者の方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっとだけお付き合いください。
以前、ひろゆき氏が「自殺をするひとは、実際の困りごとが原因というより、メンツを守れなくなることへの恐怖がそういった行動に駆り立てる」と言います。
なるほど、と思いました。
たとえば、借金をしてそれが払えなくなって、家族や周囲の人に迷惑をかけてしまう、という予測があったとします。
その予測はまだ起こっていないし、逆に考えてみれば、もうすでに迷惑をかけまくってるかもしれません。
それでも、自分の中での境界線を決めていて、そこを越えたらダメ、越えなければまだ大丈夫、と決めているのは自分。
つまり、それは自分から見た、周囲からの自分の評価がベースにある、という事をおっしゃっていたんだと私は感じました。

これは事業承継の後継者に限った話ではないのですが、私たちは、自分の命よりもメンツを守りたがる生き物のような気がします。
もしそれが正しいとするならば、後継者が感じるリスクとは、実は自分のメンツ(他者から受ける評価)である、と言えそうです。

後継者にとっての思い

一方、物事を前に進めるのは、「思い」です。後継者にとっての思いとは一体何でしょうか?
・会社を成長させたい
・もっと収入を増やしたい
・心配事のない状態を作りたい
など、色々あるでしょう。

これをさらに深く見てみます。
会社を成長させた先には、いったい何があるのでしょう?
収入を増やした先には、どんな状態があるのでしょうか?
心配事のない状態になれば、どんな自分がいるのでしょうか?

これらのことは、まとめてみると「幸せな人生を全うしたい」というところに行きつくように思うのですがいかがでしょうか。
会社を成長させるとか、収入を増やすとか、心配をなくすというのは手段で、その結果得られるのが幸福な人生。
私はそう思っています。

事業承継を通じて後継者は何を得たいのか?

人は目的無く動くことはない

三大心理学者の一人、アルフレッド・アドラーは目的論を論じています。
目的論というのは、人の行動の裏には目的があり、現状はその目的が達せられた状態である、という考え方だと私は解釈しています。
たとえば、いつも忙しくて新しいことを考える時間がない、という人がいたとします。
この人の行動の目的は、実は何かを考え、自分と向き合う時間を持たない、という事。
そうすることで自分の痛みと直面する可能性を感じているからなのでしょう。
口では、「忙しいから考える時間がない」と言っていますが、潜在意識的な本心は、「考える時間を作りたくない」から忙しくするのです。
そういった人の行動を見てみると一目瞭然で、別段重要視するほどでもない予定を次々入れて、一人になる時間をつくらないよう行動しています。

人はこの目的論の中で活動しているとすれば、そもそも私たちが親の会社を継ぐという前提で親の会社に就職したのは何かしらの目的があったはずです。
それは親にそういう期待をされながら育てられたという側面もあると思いますが、それはあくまで言い訳。
自分は、親の会社に勤めることで何かしら得ているものがあるはずです。

例えば、
・ファミリーの中なので多少のワガママが言える・自由がある
・親の庇護があるので想定以上のプレッシャーを負わなくてすむ
・冒険やチャレンジをしなくとも何とか一生やり過ごせる
みたいな打算があるかもしれません。

そこまで行かなくとも、実は純粋に働くことへの喜びを追求するというよりは、親に認められたい、という思いでここにいる方はけっこう多いのではないでしょうか。
親との関係はこじらせがちなのが、後継者。
それもそのはず、親に認めてもらいたいからここにいるのに、親はいつまでたっても認めてくれないから、親へのマウンティングをしなければ心のバランスが取れなくなるのです。

失敗は許されない!?

親から認められたい、あるいは世間から認められたい、という思いを後継者は少なからず持っていると思います。
認められるためには、失敗は許されません。
特に、会社の中で後継者がその功績を称えられるには、それなりに目立った成果が必要です。
そこで後継者は「ココだけは譲れない」という事を少なからず持ちがちです。
上手くいかなければいかなくなるほど「ココだけは」のココが増えていきます。
これは実は劣等感の表れ。
自分以外をゆるさないという事で、自分がすぐれていることを何とか証明したいという心のあらわれです。

こうなると社員との距離感は広がり、次第にクーデターなどにつながりがち。

少し話が脱線しましたが、私たち後継者の目的は、「失敗しない」というところに流れがちです。
その結果起こることは、
・社員へのルール・規制の強化
・仕組み化への執着
・不測の事態を徹底的に排除する
といった状態。

これが引き起こす問題は、「大企業の悪い部分を反映した中小企業」を作ってしまうという事。
イマドキは、大企業でさえどれほど臨機応変で柔軟な対応をするにはどうすればいいかを考えているにもかかわらず、規模のパワーを持たない中小企業が四角四面な融通の利かない会社にしてしまいがち。
そしてそういった会社が顧客に指示される可能性もあまり高くないでしょう。
となると、はじめに思っていた「自身のメンツ」を保てるような業績も納めることが難しくなります。
この時には、会社は想定外のことが起るという事はすべてリスクと測定されます。
だから、マイナス要素のリスクが大きく、思いの部分は「とにかく評価を下げないために」というあまりプラスに振れないものになりがち。
当然結果を出すのが難しい状態になっていきます。

後継者にとっての仕事の意義を考えてみる

親との関係を乗り越える

後継者にとっての一つのステージアップ要件は、恐らく親との関係を乗り越えることです。
私たちは、親との比較で後継者としての成果を検討しがちです。
難しいことかもしれませんが、そういった人間関係的なしがらみを忘れることが、後継者が自分の能力を発揮する第一歩だと思います。
親との関係を意識すればするほど、私たちは親である先代のフィールドで仕事をしがちです。
親もまたやはり子どもである後継者には負けたくないとは思っていますから、彼らは同じフィールドで戦いたいと思っています。

私自身、親の会社に入社した時に、「親であっても会社では社長と呼ぶ」「社内では敬語を使う」といったことを先輩から教わりました。
それはもちろん大事なことですが、もう一つ私が伝えたいことは、「親と競うことをやめる」という事。
親を追いかけるなとは言いませんが、大事なのはどこを向いて仕事をするかです。
親ではなくちゃんと顧客と向かい合いましょう。
後継者は親とのライバル競争に負けないために、顧客を使おうとしがちです。
そうではなくて、純粋に顧客だけを見始めると、仕事への意義がだんだんと明確になってきます。

 

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