頼られない後継者のための戦略

親の会社を継ぐために、家業に就いた後継者は悩みがつきません。
そのうちの一つが、なかなか社内の人間が自分を頼ってくれないという問題。
もともと、リーダーシップを積極的にとるというのは得意ではない人も結構いらっしゃると思います。もうそれだけで後継者失格なのでは?なんて思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、世の中でイメージされるリーダーシップの形は、どちらかと言えば昭和型のスタイルではないかと私は思っています。強いリーダーシップも大事ですが、柔軟なリーダーシップというのが今の時代にはマッチするような気もします。

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力で引っ張るリーダーシップの限界

Andrew MartinによるPixabayからの画像

圧倒的な力で部下をねじ伏せる

私は1960年代後半生まれですが、子どものころにはスポコン(スポーツ根性)ものの漫画が流行った時代です。とにかく血のにじむような努力をして、その世界の頂点に上り詰めるというのがその手の物語の基本パターンです。当時、物語やドラマで描かれる主人公には、弱い人はまったくいませんでした。そして常に競争ですから、助け合って高めあうというよりかは、競い合って高めあうのが基本です。なるほど、すべての基本に「競争」がありました。

時代的にもそんな時代を過ごしてきていると思います。何か画期的な社会変化がおこるということもなく、戦後作られてきたビジネスがほぼそのままの基本形を変えずに、表向きの機能やデザインを刷新しながら経済全体が伸びていました。そうすると、一つの市場を複数の事業者で奪い合うことになります。まさにここには競争があり、産業全体で高めあうというよりかはライバルを蹴落とすために自分を磨くという背景を持った時代にありました。

そんな時代に生きてきたワタシ世代の人間は、競争を勝ち抜いた人しか生き残ることができないという原理の中で育っています。だから、圧倒的な力で他人をねじ伏せることが基本的なマネジメントです。そしてそんな世の中を作ったのは私の親世代や、祖父母世代です。戦後の焼け野原から、なにくそ、という「負けるものか」精神で今の日本を作ってこられました。負けてはいけないという価値観がベースにあるので、リーダーシップについても負けてはいけないわけです。最強な人間が、力で人を従わせる。これが昭和のマネジメントの基本パターンと言えるのではないかと私は考えています。

力だけでは突破できない時代

かつては、経済は紆余曲折あろうとも基本的に上を向いていました。人口も増えたし、市場が拡大するから企業も拡大しやすかったと思います。熾烈な競争はありましたが、釣り堀のような限りある市場ではなく、大きな海のように広がる市場だったので、努力すれば、力をつければ、誰しもがチャンスを手にすることができました。

今はどうかというと、市場はむしろ縮小しています。ここ数か月で、「コロナによる打撃」で倒産という老舗ブランドのニュースをよく聞きますが、よくよく見てみるとコロナで突然息を引き取ったというより、すでにじわじわと業績は悪化してきていた企業も多いようです。コロナがきっかけにはなったのでしょうが、このままいけば経営はとん挫したであろう企業も少なからずあるように思います。そういった企業の特徴は、「過去のビジネスモデルから脱皮できなかった」という共通点があるのではないか、と私は考えています。

なぜ過去のビジネスモデルから脱皮できないかというと、ずっと同じトラックで競争をしていたからじゃないかと思うのです。同じところをぐるぐると回っているあいだに、社会は変わり、顧客のニーズは変わり、気が付けばライバルは別の漁場を探して移動していた。しかし、自分達だけがただただ、競争に勝つだけのためのビジネスを一生懸命やってきて、気が付けばライバルに諮ったような気がするけど、実はライバルは顧客が移動した先に一緒に移動していて、自分達だけがもはや市場のなくなりつつある場所にひとり取り残されていた、という状況になっていたのではないでしょうか。

力にこだわると、蓄積してきた「過去」に重きを置く傾向があります。だから、「現在」の動きをとらえるのが苦手になります。なぜかというと、力あるリーダーは自分が力を発揮してきた分野から動きたくないからです。自分が積み上げた実績が無になるような方向転換はしたくないから、今までの場所にとどまる傾向があるからです。だから近年はこういったマネジメントスタイルはあまり好まれない傾向にあるように思います。

頼られない後継者が頼られるようになる方法

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カリスマを発揮する方法

とはいえ、存在感のないリーダーなんて・・・。そんな風に感じる後継者の方は多いと思います。じゃあ、こういった後継者が自分のカリスマを発揮するにはどうすればいいかというと、いくつかの方法があります。一つは、その場で一番先に発言する人になることです。実はこれは心理学的研究で実証された、リーダーシップをとるに際して最も簡単にできる実践事例と言えるかもしれません。どこかのコミュニティに新しく入った時などには、是非心がけてみてください。気が付けば、その組織のリーダー的存在にほぼ間違いなくなることができます。

もう少し高度なところでいうと、メンバー1人1人の言葉を聞き、受け入れるということ。実はこれをできていないケースが圧倒的に多いと思います。会社のなかであれば社員さんの言葉に真剣に耳を傾け、そのことを重視するという行動パターンを持っているリーダーは意外と少ないです。しかし、これをやることで、比較的簡単に信頼関係ができます。相手は自分のことを知ってもらえている、ということだけで安心できる環境になるのです。そして安心安全を提供してくれる人を、リーダーとして認める傾向があります。

あとは、信念をもって話すということです。特に会社の方針などを語るときには、口だけで語るのではなく、自分が本当にそのことにコミットしているという思いはもちろん、行動もそこに集中させるということを意識します。

これらのことに気を付けるだけで、びっくりするほどの存在感を発揮できるようになります。

できないことはできないでいい

どうでもいい話ですが、私は大学受験で、当時の進路指導の先生には「絶対受からない」といわれた大学を受験し、現役合格を果たしました。それはなぜかというと、得意な科目に集中したからです。今とは受験制度が違っているかもしれませんが、当時の私の志望大学は私立文系だったので、試験科目が英語、国語、社会の三教科だけでよかったのです。さらに、この学校の出題傾向を分析し、その中でも確実に点が取れそうな部分だけに集中して勉強しました。結果、高校3年の春の模試で合格率20%以下の学校に、秋には合格率90%以上の結果を残せるようになり、実際に受かることができました。ここまで勉強内容を絞り込めるラッキーもありましたが、これを「弱点克服」中心の勉強をしていたら、まず現役合格は難しかったと思います。

受験戦争も大変ですが、社会におけるビジネス競争も大変だと思います。そのなかで考えたいのは「自分の強みで勝負しますか?弱みで勝負しますか?」ということです。たぶん私は、前者の方がいいと思うのですが・・・。

とはいえ、社会においては苦手なことでも逃げ切ることは難しいこともあるでしょう。しかしそこは組織。そういった部分は、それが得意な社員に頼めばいいのです。それを躊躇する人や、苦手分野をあきらかにするのを恥ずかしがる人がいるのですが、実はそれは逆で「弱い部分を見せるから、人はその人を好きになる」という側面があります。おなかを出してくるペットをかわいいと思う気持ちは誰しもが持つのではないでしょうか。まずはできないことのある自分を、自分自身で受け入れることができると、うまく人にお願いできるようになるんじゃないでしょうか。そしてそれはお願いされた人にも良い影響を及ぼします。なぜかというと、「自分は頼られている」という事故重要感につながるという効果です。ただ、気をつけなければいけないのは、ベースとなる信頼関係があるからそういった前向きな感情になるのですが、そもそもの信頼関係がなければ、やっぱり「イヤな仕事をしつける人」で終わってしまいます。ここが紙一重の世界ではないかと思います。

二代目はこういうことは得意じゃないんですから、下がってみていてください。現場の人間から笑顔でそういわれれば、理想的ではないでしょうか。
頼られないことを嘆くより、頼られないことを強みにできるといいですね。そのためにやることはただ一つで、社員さんとの信頼関係を作ることではないでしょうか。

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