後継者

HSPと鈍感力

最近、HSCという言葉を知りました。
Highly Sensitive Childの頭文字をとって、HSC。
非常に感受性が高く、場の空気だったり、環境の影響を強く受ける子どものことを言うそうです。

おとなの場合、HSPとなり、Childの部分がPersonと表記されます。

ネットの自己診断をしたところ、私はその傾向がそこそこあるようでした。

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HSPとは?

Wikiによると・・・

とりあえずWikipediaをそのまんまコピーしてきました。

生得的な特性として、高度な感覚処理感受性(あるいは、カール・ユングの造語で言えば生得的感受性)を持つ人のこと。共通して見られる特徴として、大きな音、眩しい光・蛍光灯、強い匂いのような刺激に対して敏感であることが挙げられる。HSPはしばしば、豊かで複雑な内的生活を送っているという自覚をもっている。物事に対して容易に驚き、短い時間にたくさんのことを成し遂げるよう要求されると混乱するという性質を持つ。エレイン・N・アーロンや他の研究者によると、HSPは人口の約五分の一を占めるという(男女によって偏りは見られない)。HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理しているが、それは神経システムにおける生物学的な差異によるものだという。この特異な性質が発見されたことは、ある種の人々を見る目が大きく変わるという決定的な帰結をもたらす。つまり、生得的なシャイさ、社交不安障害、社会的抑制、社会恐怖症、生得的恐怖症、あるいは内向性などとHSPはしばしば混同されてきたが、それらとは一線を画する性質だということである。この性質は、HSP測定法という内的・外的に妥当性があることが確認されている方法よって測られる。HSPは主に人間を記述するために用いられるが、同様の性質は100種以上の生物にも見られるという

出典:Wikipedia『ハイリー・センシティブ・パーソン』

ポイントをまとめると、音や光、においなどの外的刺激に非常に敏感であること。
そして物理的な刺激だけでなく、周囲の人の感情などをあたかも自分のことのように感じる共感力をもっている(というかそれを感じることを避けられない)人と言えそうです。
だから、自分に向けられたわけでもない怒りを、それを見聞きしただけで自分が責められているかのように感じ取ってしまう傾向があります。
そのような外からの刺激に敏感に反応して疲弊しがちなため、どちらかと言えば内向的になる傾向があるようです。

私の場合・・・

私は、光や音の強い刺激にはさほど過敏に反応しません。
また、深刻なほど生活に不自由を感じることはあまりないので、自分としてはHSPとは言えないと思っていますが、WEBで公開されているテストをやるとその傾向がある、と出てきます。
というのも人の感情とか、思考の影響を受ける傾向は割とありますので、かつてはそのことで苦労したこともあったような気もします
まあ病気ではないので、日常生活で困ることがなければ変に病名のような冠をつける必要もありませんから気にしなければいいだけです。
ただもしかしたらHSPとは少し違うかもしれません(単なる自意識過剰?)が、周囲で起こる事がやたらと気になっていた時期がありました。

周囲で起こる事が気になる

間違った訪問者

割と昔から、同業他社の経営者が当社におこしになる事があります。
ウチがどんな経営をしているのかを聞きたいのでしょう。
誰かから紹介を受けてとか、たまたま何かで知って、と言うことでアポイントの電話を頂きます。
当時すでに、会社の経営戦略は私が考え、社内の人間と共有していたのですが、父である会長は別枠でした。
話してもわからないので話していませんでしたし、彼もそういった会議には参加していませんでした。
(過去に、私と会議でもめたので気を使っているのかもしれません)

つまり、父である会長は会社がどこへ進もうとしているかは、断片的にしか知りません。

そこへ来て、同業他社の経営者が父である会長にアポイントを求めてやってきます。
片耳でそんな電話だろうな、と聞き耳を立てていたとき、いてもたってもいられなくなります。
父は会社の正しい経営方針を語れないからです。

怒り震えたあのころ

そういった訪問があった後、私はよく父にかみつきました。
「わが社の経営方針は・・・」なんてテキトーなことぬかすな、と。
何一つ自分では考えてないし、私の考え方を知ろうともしないくせに、間違ったことを社外の人間に語るな、と。

まあ今から考えれば若気の至りですが、父が会社のことを語るのは、そしてその内容が私の考えと違うことが、恥ずかしくて仕方なかったのです。
それ以来、父が公の場に出ることを拒みました。
会合のあいさつなどを会長に、と頼まれても、私がすべて断っていました。
社長である私の考えと違うことを、ぺらぺらと思い付きで話されてはかなわん、という思いをもっていました。

べつに、ええやん

間違った話を聞いた人の責任

いつ頃からだったでしょうか。
そんな自分がずいぶん変わったタイミングがあります。

仮に、「経営のことが聞きたい」といって、私でなく会長を訪ねてきた人がいたとしても、まあええやん。
だって、訪問してきた方が正しい考えを聞けないのは私の責任じゃないですから。
訪問相手を間違ったその人の責任です。
いえ、そもそも彼は、ウチの本当の戦略を知りたいというより、「将来どうなるんでしょうねー」「わかりませんなー」という話を、業界の先輩として「ああ、俺だけじゃなかったんだ」と納得したいだけなのかもしれません。

そんな会話に私が入れば失礼ってもんです。

昔は、誤解されることがイヤだったのですが、考えてみれば別に誤解されようが私が何も困ることもありません。
実際と違ううわさが流れても、気にする必要もありません。(風評被害を生まないものであれば)

そういえばよく出ていたイベントに、しばらくでなかっただけで「アイツの会社は不祥事が起こって大変だ」なんて言ううわさは放っておいても出てくるものです。
そもそもそんな他人の噂話をコントロールしようと躍起になっていた自分がバカバカしく思えたのを記憶しています。

鈍感になるための訓練

自分を素通りして会長に話を聞きに行く人がいることに腹を立てていたのに、
そのことがまったく気にならなくなった方法。
それは腹を立てるたびに、まずは自分を説得する習慣をつけました。

その際に、自分の問題か、相手の問題かを明確にしました。
会長に連絡を取るのは相手の問題であるし、会長から聞いた当社の経営方針を信じるのは相手の責任です。
本当のことを知りたければ、相手がそのための行動をとるべきなのです。

また、会長が自分の考えを自分で語るのも、私の問題ではありません。
私と違う認識があり、それを素直に言葉にしているだけです。

一方、会長が好き勝手言うことに腹を立てるのは自分の問題。
また、来訪者が”誤解”することに落ち着かなかったり、イラっとするのも自分の問題。
感情の主は、自分ですからね。
そう考える習慣をつけると、神経回路が変わってくるのでしょうか。
いつしか、そう考えることが当たり前になってきました。

自分が直接語らないことで、どう思われようが、ええやん、って話です。

すべてを「コントロール」したくなる背景にあるもの

相手に正しく伝わらなければ落ち着かない。
自分の意図と違うことを語る会長にイラっと来る。
こういったことは、自分の外にあることをコントロール下に置こうという思いの表れです。

なぜそういった思いが出てくるかというと、そもそも自分で自分を認めていない、という背景があるのではないかと思います。
なんとなく、自分がないがしろにされているような気がするというのが一つ。
自己評価が低い分、他者からの評価まで下げたくないというのもまた一つの理由。
逆に、自分に自信を持てれば、他人がどう評価しようと関係ありません。
しかし、自分で自分を高く評価できないから、結果として、人や場をコントロールしようとして、ストレスをためたり、人間関係を難しくしたりすることになります。

先にお話しした、「自分の問題と相手の問題を分離する」という考え方は、実は「少なくとも自分は大丈夫」と説得する行為でもあります。
それを繰り返すことで、自分で自分を認めていることになるので、他社からの評価が気にならなくなります。

空気を読まない弊害

そうやって、周囲の空気を読まなくなってくると、たしかに弊害はあります。
いろんな人から心配されます。
「最近のアイツ、大丈夫か!?」って。
家族からは、「迷惑」と言われることもしばしば(笑)
けど、心配してくれるのは私の問題ではなく、相手の問題。
私のふるまいを迷惑と感じるのも、私の問題ではなく、家族の問題。
そういった境界線をしっかり引くことで、こんどは相手が変わり始めます。

そうやって影響を与えあって変化していくのが人間関係。
ずっと相手に合わせ続けることもないのではないでしょうか。

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