後継者

後継者の妻としての苦悩にどう向き合うか?

親子経営で会社を継ぐ息子や娘がいたとき、そこに配偶者がいることも多いと思います。
親子の確執を起こすとき、実はそこに炊き込まれるのが配偶者。
よくあるパターンでは、自分の親である創業社長と、夫である後継者との問題に、娘であり妻である方が巻き込まれて困り果ててしまうというパターン。
そういった方からのご相談もよくいただきます。

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まずはじめにはっきりさせておきたいのが、父と夫の確執を、娘である自分がどうこうしたところで解消するのはほぼ不可能だという事です。
冷たいようですが、諦めてください。
逆に、そういったことに対して、奥様自身が責任なんて感じないでください。
彼らの関係に責任を持たなければならない、なんて思っているとしたらそれはむしろ思い上がりです。

考えてもみてください。
父も、夫も、立派な大人です。
その大人が、自分で決めて、今この立ち位置に立っているわけです。
そして争って、傷つけあっているのも、大人である彼らです。
確かにそういうシチュエーションになるキッカケとして、創業者の娘として生まれたこと、
そんなあなたが夫として現在の配偶者を選んだことというのはあったかもしれません。
しかし、それはすべて登場人物全員がわかったうえでその道を選んだ結果が今なのです。

だから、これは自分の問題ではない、という風に割り切るのがとても大事なステップです。
夫が「お前のためを思って」とか、「お前の立場があるから継いだのに」なんて言うなら、その考えそのものが確執の一員となっている事でしょう。
イヤイヤやっているのに、義父である創業社長は何で自分の言う事をきいてくれないのか?という考えなのでしょう。
もう一度言いますが、夫は継がなきゃ殺されるなんて言う脅し儲けてないはずですから、断ろうと思えば断れたはずです。
多少ばつが悪いかもしれませんが、断っている人はたくさんいるのです。
けど受けた以上は、自分の責任で受けています。

お父様だって、会社を人に継がせないという選択もありますし、別の人に継がせるという選択もあったはずです。
なのに、どういう理由かあなたの夫に継がせようとしたのは、お父様自身の決定であり、お父様の責任です。

 

こういった状況においては、「本人が変ろう」としない限り問題は終わりません。
そういう気付きを得るために、登場人物が皆心を痛めるような状況に陥っているわけです。
ある意味悩みを持たれている、娘であり奥様であるあなたもその状況を形作っている一人と言えるかもしれません。
それぞれが、あるいは登場人物の誰かが、「自分がどう変わるか」というヒントをこの問題から得るべきだという知らせと考えてほしいと思います。

少し突飛に聞こえるかもしれませんが、奥様が例えばお子様やご主人に干渉しすぎる傾向はないでしょうか。
心配事をつくることで、なにか自分の本質的な問題と向き合わずに済むようなメリットを得てはいないでしょうか。
苦しい立場であることが、自分の弱さを露呈させないための言い訳にはなっていないでしょうか。

夫やお父様を変えようとする前に、自分の振る舞いを振り返ってみたときに、今の状況が参考になることがないかを監がてみてはいかがでしょうか。
きっと、気づきたくはないけど、見ずにはおれない自分の内面的な傷が見えてくるのではないでしょうか。

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