経営者は孤独と言いますが、後継者はさらに孤独。
とくに後継者は親の影響もあって、物事を自己完結しなければならない、という思い込みが強い人が多く、他人の強力を仰ぐのが苦手な人が多いのではないでしょうか?
私がまさにそのタイプで、長男である故「誰の力も借りず自分でやる」という呪縛に縛られていました。
だからいろんなことを相談せずに自分で決めてしまう傾向はないでしょうか?
それゆえ、一人で煮詰まってしまい、物事が前に進まないという事も多いと思われます。
そんな時にどうすればいいのでしょうか。
親が会社を経営する家庭に生まれ、そんな環境で後継者として育つと、傾向として完璧主義にであることが多いように思います。
完璧主義というのは、失敗を人に晒したくないが故、自分一人で内容を練りこみ、「失敗しない」というところまで完成度を高めないと外に出さない、という行動パターンです。
じっくり熟考するため、あからさまな失敗は減りますが、デメリットは行動量が減ること。
思い付きでやる人が10の行動をする間に、完璧主義の人は一つできればいい、という事になろうかと思います。
ここでいくつか問題が出てきます。
たとえば、完璧主義の場合、どんなに考え、シミュレーションしても、失敗はゼロにはならないという事です。
仮に、やりまくる人と比較して、1/10の行動量だとしたときに、その1が失敗であれば機会損失はけっこう大きい。
逆に10の行動をできる人は、そのうち一つでも上手くいけばいいわけですから、結果として成果が上がりやすいのは行動が多い方かと思います。
先日ある方に来たコツは、完成させなくていいから早く世に問え、という事です。
そうすることで、周囲のフィードバックを受けられます。
その結果、改善することでだんだんと完成に近づくという事なのです。
これは特に誰かに相談するでもなく、多くの人の意見を聞くことができる方法です。
もちろん、批判とまではいかないまでも、反対意見に晒されるリスクはありますが、そこは受け入れるしかありません。
反対意見はあくまで自分への攻撃ではないのです。
あなたの提案をよりよく磨くためのスパイスのようなものです。
そういった考えをもって、早くだし、フィードバックを受け、改善していく、というサイクルが必要なのではないでしょうか。
完璧主義を抜けられないなら、不完全なものをあえて出す、というくらいの思いで早く世に問う癖をつけてみてはいかがでしょうか。