後継者の苦労は、わかってもらえるだけでホッとする。

経営者が孤独だという話は、よく耳にします。
私の経験上、後継者はもっと孤独です。

ところで、孤独を感じるときというのはどんな時でしょうか?
単に仲間外れにされて、無視されるという状況?
まあそれは確かに孤独ですね。
けど例えば表向きは、ちゃんと会話ができる人がいるのに孤独ということもよくあります。

表面上、孤独ではないように見える分、余計に厄介なのかもしれません。

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経営者の孤独

誰にも理解されない苦労

まずは経営者の孤独というのを見ていきましょう。
ズバリいうと、経営者が孤独に陥るのは「人に打ち明けられない悩み」を持つからです。
例えば、売り上げの問題。
思うように売り上げが上がらず、資金繰りに苦労し、金策に翻弄される。
これはさすがに、従業員や、周囲の人に相談するわけにもいきません。
知られたくもないことです。

だから、経営者は、周囲に対して心を閉ざします。
人には言えない秘密を一人抱え、周囲とは一線を引くのです。
結果として、経営者は孤独になります。

つまり、経営者の孤独は、自分で創り出した状況であり、自分で創り出した境界で孤独の独房に入るのです。
たいていは、誰かが経営者を仲間外れにするわけではないのです。

自ら心を閉ざし、自ら孤独に陥る

「経営者は孤独だ」と嘆き節を語る人はいますが、自分でも気づかないうちに、自らその状態に入り込んでしまっています。
そのきっかけは、周囲に対して「秘密」を持つことです。
もう少し理解しやすい言葉に直すと、「隠し事」があるから、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

たとえば、社員に対して、今の会社の経営状態は伝えられない。
社員に対して、経営者としての考えが伝えられない。
経営者が対処している問題を、社員に伝えられない。

たしかに、経営者としてすべてをオープンにするわけにいかないことはあるとは思います。
しかし、隠す必要のないことまでついつい隠してしまう体質というか、クセをつけている経営者は多いと思います。
なぜ、隠す必要のないことを隠すのか。
それは社員との関係を信頼していないからです。
こんなことを言えば社員は反発するとか、社員にはわからないとか、社員は敵意を抱くとか。
事実かどうかはわかりませんが、彼らのことを信頼していないから、伝えられないこと、隠し事がどんどん増えていきます。

この状態は、一見、社員の問題に見えますが、経営者の問題であることが多い。
なぜなら、経営者が社員を信用していない時点で、社員を自分の心の外側に置いているからです。

もちろん、どんな社員も信用せよ、というのは無理があります。
とはいえ、経営者は社員を排除しすぎている傾向があります。
その証拠に、「社外では平気で話すことを、社内では話せないことが多すぎる」という現象がおこったりしています。

_Alicja_によるPixabayからの画像

後継者の孤独

輪をかけて孤独な後継者

孤独と言われる経営者。
実は、後継者はそれに輪をかけて孤独です。
経営者であれば、会社を出れば受け入れられる場所があります。

たとえば、ある経営者は社内で孤独を感じるから相手をしてくれる同業者団体の参加に熱を入れています。
ある経営者は、社内でも家庭でも居場所がないから、異業種交流会ばかり参加しています。
あまり意味のない飲み会や、参加しても実践しない勉強会に入りびたりな経営者は、社内に居場所がない人が多いです。

外へ行けば、それなりに居場所が確保できる経営者とちがって、後継者は八方ふさがりの感が強いことが多い。
まず、社員とは関係に壁ができがちです。
なぜなら、社内の権力者である経営者の子供だからです。

そして、社外の業者との間にも、妙な関係が散見されます。
ガンコな親をすり抜けて、子どもである後継者からYesを引き出そうとする業者、と決定権を持たない後継者のあやふやな関係。
取引業者との関係を「任せた」と言われつつ「任せられていない」あやふやな立場。
そして親との壁。

社外に出たくても、それが必ずしも許されるとは限らない環境。
そもそも、社外でさえ親子の確執の話はなかなかできない。

「悪いのは後継者である」?

また、悪意はないにせよ、多くの人は「親は正しく、未熟なのは後継者である」と考えています。
その考えに触れるにつれ、後継者は自分の自信をどんどん失っていきます。
そして、ガンバってやったこともなかなか受け入れられず、最後にはこう考え始めます。

「自分、ここに居る必要あるんだろうか?必要とされてないんじゃない?」

こうなると、もうどんどん思考は悪いほうに行ってしまいます。
この先永遠に続く不安と孤独の中で苦しむより、消えてなくなりたいと思い始める。
(そうなったらかなり危険なので、心の専門家にすぐに相談を!!!)

究極に追い詰められた後継者は、自分をないがしろにされた思い出いっぱいになります。
任せると言いつつ任せない親。
自分のいうことに耳を傾けない社員。
自分のことをスルーする各種業者。

どうみても、自分、この会社に必要ないやん。
そんな風に思ってしまうのです。
もはや孤独を通り越して、この世での存在意義を見失いがちなのです。

孤独は「周囲を排除」することから始まる

人を受け入れないと、人に受け入れられていないと思い込む

私がこの数十年で感じた最も重要なこと。
それは、人を排除すれば、自分が受け入れられていないと感じるということです。
経営者の孤独で説明しましたが、社員を信用しなければ、隠し事が増えます。
隠し事を共有できないということは、気を許せる仲間がいないということです。

後継者の方は秘密主義の方が多く、二代目経営者の集まりに参加することさえ「どこか後ろめたい感覚」を感じる人がいるようです。
私のブログを読んでいることが、良くないことと感じている人も割と多いようです。
「いいね!」とか、コメントをしたいけど、誰に見られてるかわからないのでできない、という人も結構います。

私にしてみれば、二代目経営者が、後継者としての悩みを持って、それを打開する方法を探すことのどこに後ろめたいところがあるのかが理解不能です。
しかし、割と多くの方が、「そういったことで悩んだり迷ったりしている事」を人に知られたくないようです。

つまり、そういう隠し事があるということは、周囲の人と打ち解けにくいわけです。
そんな打ち解けにくい雰囲気を醸しながら、「周囲の人が自分を受け入れてくれない」というのはちょっと虫が良すぎるきもしますが、いかがでしょうか。

まずは一人、何でも話せる人を

孤独にさいなまれているとしたら、ある冒険を試してみてください。
周囲を見回して、家族の一人でもいいし、社員の一人でもいい。
社外の付き合いでもいいし、旧知の友人でもいい。
あなたの素直な気持ちをぶちまけてみてください。

自分はこんな風に孤独で、こんな風に悩んでいて、こんなことで未来を不安に思っている。
あなたが期待するような反応ではないかもしれないけど、まずは話すことが大事です。
たぶん、少なからず「スッキリ」することだけはうけあいます。

そして、相手の反応を見てみてください。
たぶん、あなたが思っていたほど強烈な反応は起こしていないんじゃないでしょうか。
意外と「受け入れられる」ものなんです。

あなたが弱みを見せると、相手も弱みを見せる

そんな友人にあなたの日ごろ見せない弱みを見せると、きっと相手も自分の弱みを見せてきます。
これこそが、お互いがお互いを受け入れられる下準備ができた状態じゃないかと思うのです。
自分の弱みをさらけ出し、それを受け入れてくれる人がいる。
たぶんそれだけで、孤独感は圧倒的に減るはずです。

ああ、自分一人で苦しんでいるわけではないんだ、とわかります。
そうすると、恐らく行動が変わるでしょう。
リセットされたと言ってもいいんじゃないかと思います。

こういう関係のつくり方を少しずつ学んでいくことで、きっとあなたの周囲の仲間は増えていくと思います。
今まで私たちは、「弱い部分を隠しながら」人と付き合おうとしてきました。
けど、表向きだけを装ったつきあいなんて、インスタ映えばかり気にする人と変わりません。
ちゃんと弱いところ、見栄えの良くないところを含めて知ることが、本当の人付き合いだと思います。

それで離れていく人がいるかもしれませんが、それは仕方のないことです。
いろんな意味で、自分の隠れた部分を表に出すことは、いい方向につながると思います。
孤独を感じている人は、自分を隠しているんじゃないか?と疑ってみてください。

actipressによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

 

 


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