親子の年収は似たレベルに落ち着く不思議~後継者の心の奥に住み着く価値観

長年、事業を通じて様々なお客さまを見ているとわかることがあります。
それは、親の年収とその子供の年収、多くの場合はほぼ同じになるということ。
もちろん詳細なデータを取ったわけではないので、感覚的な印象です。
ただ偶然とは思えないほどに、こんなことがおこります。
つつましい暮らしをしている親を持つ子は、慎ましい生活をする。
逆に、親がお金持ちの子は、お金に困らない。

これは、単に親の援助があるかないかというレベルではなさそうなのです。
相続財産で豊かになったわけでもありません。
しかし、なぜかお金持ちの家庭に生まれた子は、収入に恵まれるのです。




小冊子無料ダウンロードはコチラ
Fecebookページに「いいね!」をお願いします。

 

ある小さな会社のサラリーマンで一生を過ごしたお父さん。
収入は決して多くはなく子だくさん。
人格者で人望は厚く、彼の事を応援する人は少なからずいたと思います。
小さな一軒家をなんとか手に入れ、車はファミリーカーを10年単位で乗り換える。

どうみても裕福とは言えないような印象です。
それでも幸せそうではあるので、その過程においては収入は問題ではないのかもしれません。

そのご家庭がもうけたお子さんは3人の男の子。
それぞれ独立し、1人はサラリーマン、一人は自営業、一人は親族の会社を引き継いでいます。
長男のサラリーマンはともかくとして、自営業の方の収入は非常に少ないようです。
しかも、親族の会社を引き継いだ兄弟は、社長という立場にもかかわらず同年代のサラリーマンより収入は低めかもしれません。
お子さんがたは、お父様に似て皆さんやはり人格者。

人のつながりを大事にし、お金よりも人とのつながりという価値観を強く持っておられます。

 

一方、ある中堅企業の代表の一人息子がいます。
父親は自分の資産形成には強い思い入れがある人で、会社が瀕死の状態になっても自分の収入はきちんと確保。
会社がスカスカになった状態で、血のつながりのない番頭に会社を譲り、自分は結構な退職金を手にしました。
そんなお金好きの親を持つ家庭の一人息子は今でいう起業家。
とはいえ、残念ながらビジネスがまともに出来上がったことはなく、会うたび違う事をやっていました。

しかし、息子の収入が途絶えることはありませんでした。
言葉は悪いですが、人をだましてでも自分の収入源にするといった雰囲気がありました。

 

この二者の違いはどこにあるのでしょうか。
よく言われる、教育の問題がすぐに思い浮かぶかもしれません。
お金があれば教育の質が上がるから、生涯年収も高い、なんていう事が最近言われています。
しかし、ここに出てくる登場人物は、全員が大学を出ていません。

 

一つ考えられる要素として、各人が認識しているお金に対する感覚ではないかと思っています。
収入の低い人たちにしてみれば、狭い家にたくさんの家族がひしめくのは当たり前。
日々の生活を切り詰めて、たまに家族で旅行ができればそれでいい。
それ以上を望むのは罪だとさえ考えているようにも感じられました。
清貧という言葉がありますが、質素であることが善である、という感覚がこびりついているかのようです。

 

一方、金持ちの一人息子は、お金に困った事のない子供時代を過ごしています。
とくに、両親にとっては年を取ってからの一人息子ですから、溺愛し、望むものをなんでも与えたようです。
彼自身には、取り立てた才があるようにも見えませんでしたし、会社をいくつも潰している。
それでもお金に困っている様子は見えませんでした。

あるいは見えないところで親からの資金援助はあったのかもしれません。
それでも、親を亡くした今もふらふらとそれなりの生活水準を保っています。

 

こういった状況を説明するのに、コンフォートゾーンという言葉がよく使われます。
自分がいるべき場所というか、ここにいると安心できる場所をコンフォートゾーンといいます。
たとえば、高級ホテルのラウンジなんていった事のない人にしてみれば、そこはおしりがむずむずするような落ち着かない場所です。
しかし、行き慣れている人には、そういった場所こそが落ち着く空間となるわけです。
つまり、前者のファミリーは年収が低い事に安心感をおぼえ、後者のファミリーはお金がある程度ある状態に安心感をおぼえる。
そして、人は無意識に、その安心できる場所、コンフォートゾーンに向かう行動をすると言われています。

 

さて、ここからが本題です。
このコンフォートゾーンというのは、子供のころから長く慣れ親しんでいる場所であることが多い。
それはまさに、親が自分の身の回りに作った安らぎの場所です。
すると、子どもは親と同じ状態に安らぎを感じるようになります。

 

会社経営で考えてみましょう。
後継者は、親である先代がいうこと、やること、考える事を原則正しいと考えがちです。
それは親である先代の考えという事を通り越して、ビジネスとはそういうものだ、と考えがちです。
その証拠に、子である後継者の多くは、親の口癖をそのまま真似している場合が非常に多い。
ああ、君のおやっさん、おんなじこと言ってたよ。
そういうと、慌てて口をふさぐのですが(笑)

 

で、親のフィルターから世の中を見ているとどんなことがおこるのでしょうか。
時代を読み誤る可能性とか、会社を客観的に見ることができなくなるとか、いろんなことが考えられます。
しかし、もっとも重要なのは、それは後継者であるあなた自身が考えたことではない、ということです。
親の頭を借りて仕事をしているわけです。

親は親の個性で仕事をしてきました。
しかし、あなたが親の価値観で仕事をするとしたら、もしかしたら後継者であるあなたの良い部分を出すことができないかもしれない。
先代である親と、後継者であるあなたの得意分野が、同じであるということは恐らく稀です。
「似たもの親子」
といわれているとしたら、それは子供のころから親の価値観の中で生きてきたことが染み付いているからです。

さて、このコンフォートゾーンというもの。
簡単ではないにしても、それを書き換えることは可能なようです。
貧しい家庭に育った人が、一念発起して起業家となり莫大な収入を得るケースがよく耳にするパターンです。
これは恐らくですが、親の価値観が刷り込まれた自分を乗り越えて、新たな自分像を作り上げたケースではないかと思います。

その分岐点を作るのは、自分の意志。
自分で変わろうと思わなければ、親の人生をなぞっていくのでしょう。
それに何の不満もなければいいのでしょうし、親の人生をなぞることが悪いというつもりはありません。
けど、そのせいで、自分を抑え込んでしまっているとすれば、それは大きな損失ではないか?とも思うのです。

 

もし、いま、何か不安を感じているとか、なにか満たされないものがあるとか、そんな感情を感じているとしたら、原因はそんなところにあるのかもしれません。
皆さんは、今の人生に満足してますか?

 

 

小冊子無料ダウンロードはコチラ
Fecebookページに「いいね!」をお願いします。




関連記事

  1. 後継者は、社内に”ブーム”をつくろう!

  2. 先代はなぜ後継者を罵るのか?

  3. ある二代目社長が起こした社内会議の大混乱(3)

  4. 後継者として苦しんだからこそ見えた生きる道

  5. 自分の状況は、自分が一番わからない~後継者が八方ふさがりと感じるとき

  6. 親が代替わりさせないという後継者の不満

  7. 後継者・二代目経営者が会社を楽々変化させるために取る行動とは?

  8. 経営者になんかなりたくなかった、という後継者

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ツールバーへスキップ